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2023年に読んだ本 top5

2023年の概観

今年は通算86冊の本を読んだ。
ほとんど読んでいない本もカウントされているので、実質は70冊くらいといえるだろう。

これだけ多くの本を読んだのは、自宅待機期間が2ヶ月あった2020年以来。
①7月に転職をしたタイミングで有給期間が得られたこと、②転職後は残業時間がある程度減少し読書に充てられる時間が増えたことの2点が主な要因だった。

年末に今年読んだ本で良かったものを聞かれた時にtop5が即答できなかったので、改めてここで言語化してまとめたいと思う。

一言でまとめるならば2023年の読書体験は、「一生読み続けたい本に出会えた年」だった。

後述するNo.1、No.2の本についてはこのタイミングで出会えて本当に良かったと思えるものだった。
他にもこれまではビジネス書を読むことがほとんどだった自分が、今年は小説や古典的名著に手が伸びたのは1つの成長だったと思う。

以下で2023年top5を振り返る。


No.5 会計の世界史 (田中靖浩)

この本は1,2年前に友達と本屋で本をそれぞれ選んで、それについて語り合うという会で気になっていた本。
読みたい本リストに入れていたのが、
今年ようやく日の目を見たということだ。

良かった点は以下3点
①会計の歴史が物語調で語られていてわかりやすく学べる
②数字および複雑な会計用語はなく、会計に一見関係なさそうな音楽との関連性など、会計の周りに存在していた文化との影響の及ぼし合いについてもかなり学べる
③上記理由により、分厚い本の割に一気に読み通せる

会計は必要だから生まれた。
そのなぜ?どの場面で?必要になったのかについて歴史を学ぶことは即ち本質を学ぶことだと思う。この本を読んだ時、久々に本質的な本に出会えたという感覚を感じられて嬉しかった。

簿記をやっている人は本質理解のために、是非読んでほしい。
また、専門用語は出てこないので、会計にあまり馴染みがないがこれから勉強したいという人にもとっかかりとしておすすめ。

No.4 NASAより宇宙に近い町工場 (植松 努)

創業者マインドが学べる本。
読みながら、前職でお世話になった会長の言葉や考え方が自然に思い出された。

強い思いは道を切り開く。
向かい風にも情熱を持って立ち向かう。
他の人に何を言われても自分の信念を貫き通す。

人生を歩むにつれて、何が本当に大切なのかをだんだん見失いそうになることがあると思うが、この本を読めば、何が最も大事なことか思い出すきっかけになりそうな気がする。

TEDスピーチを見た人は是非読んでみてほしいし、知らない人はまずTEDスピーチを見てから読むと良いと思う。
https://youtu.be/gBumdOWWMhY?si=Mc5JzGSaDSIVS8Sv

No.3 夜と霧 新版 (ヴィクトール・フランクル)

言わずと知れた名著を読んだ。
極限状態に追い込まれた人間の行動がありありと思い浮かぶような具体的な描写で描かれている。
自尊心とは何か?について真剣に考えさせられる本。
7つの習慣にも触れられていた、
「自分の経験を奪えるものは誰もいない」という概念がここに全て詰め込まれている。
こんな世界で生きた人がいたんだという衝撃的な歴史事実にも直面することができる。
やはり、長らく読み継がれている古典的名著は内容が桁違いに濃いのだと改めて認識した。

No.2 ライフトラベラー 人生の旅人 (喜多川 泰)

『運転者』を読む機会があり、そこからこの作家にどハマりした。『運転者』は構成が恐ろしく綺麗で読みやすいので、読んだことがない人には是非おすすめ。

この作家は文章の形式がとても面白い。
基本は小説調だが、ビジネス本のような教訓が学べる。本田健を初めて読んだ時の感動に近いものを感じた。

この本は生命が生まれる前の世界の話。
自分が小中高で最大の研究テーマとしていた「才能」「能力」について書かれている。
さらに、その後自分が大学生で少し先の次元に行って理解したことも全て内包して書かれているのに驚き、感動した。
喜多川康作品の中では現状最も自分の自叙伝と密接に関わっていたので、1番大好き。

「なぜ自分だけこんな辛い境遇となってしまったのか?」
「なぜ他の人にはできて自分にはできないことがこんなにあるのだろうか?」
このようなことを1度でも思った人は、絶対に読むと救われる、そんな本。

No.1 赤毛のアン (L.M.モンゴメリ)

言わずと知れた名作(再)。今まで全く読んだことがなく、読むこともないだろうと思っていたのだが、転職先のコミュニケーションツールで先輩が人生で1冊だけ本を残すならこの本と答えていたので、そんなにすごい作品ならば是非1度読んでみようと思って読んだ。
結果、割と序盤で主人公アンの見る豊かな世界観の魅力に思いっきり引き込まれてしまい、赤毛のアンシリーズを読み進めていく旅へと出ることになった(その後のシリーズもとても面白い)。生きているうちに本当に出会えて良かったと心から思える小説だった。

自分の人生の最も大きなテーマとして掲げた「人生を味わい尽くす」という考え方が、主人公のアンと大きく通じていて、とても素敵な主人公だと思ったし、その視点で描かれる世界の美しさたるや、本当に素晴らしかった。
このような主人公の世界の見方、考え方が世界的に認められていることにも感動し、勇気づけられた。

自分はアンのように生きたい。アンのように素直な気持ちで、自分の中の純粋さを守り続けて、死ぬまで世界の美しさを味わい尽くしたい。

子どもの時に1度読んだ人には20歳以降に是非1度読み返してみてほしいし、読んだことのない人は今さら…と思わずに最初の1冊だけで良いので読んでみてほしい。
ほとんどの人が子どもから大人になる過程で取りこぼしていってしまった「何か」が全てここに優しく内包されている。

余談だが、この赤毛のアンに出会えたことによって、
「赤毛のアンシリーズを全巻揃えて、老後にゆっくり読む」
「舞台となっているプリンス・エドワード島へ生きているうちに必ず行く」
という輝かしい人生の夢が2つ増えた。


2024年の展望

来年は今年あった空白期間がない予定なので、読める量が減る。
今年量を読んで身につけた本を読むスピードや習慣を活かしつつ、「より意識的に」本を読んでいきたい。

意識的に読むとは、具体的には
①どんな目的を持って本を読むか(選定)
②今自分が読んでいる内容は、全体のどこに位置付けられているか(構造把握)
③読んだ内容をどう活かすか(抽象化)
といったところだろうか。

この5年間くらいは、読んだ本を簡単に記録しているが、読んで得た情報の抽象化がほとんどできていない。
他の人に紹介する時に、良さを具体性を持ってうまく説明できないことが多かった。
今年読む本は最低でもそれぞれ3ポイントに要点をまとめて説明できるくらいの抽象化やいつでも知識として取り出せる状態への整理を行っていきたいと思う。

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