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34.父からのメッセージ

昨日は不思議な出来事が起こった。

夫とのドライブの途中、ふと思い立ってガムを買うためにローソンに立ち寄ることにした。

隣に停まっていた車の運転席を何気なく見て、思わず夫と顔を見合わせた。

亡くなった父にそっくりなのだ。

その方は助手席の方とお話されていたので、主に斜め後ろ〜横顔を見ていたのだけれど、あまりに似ていたので何度もチラチラと見てしまった。

父はなかなかインパクトのある外見だった。スキンヘッドで、ほっぺたのあたりの肌が少し荒れており、眉毛は剛毛で、大ぶりなメガネをかけている。

その全てが似ている上に、コンビニの駐車場でスイーツを食べるという、よく父がしていた行動をその方もしているのだ。

5分ほどしてその方の車は駐車場から出発されたのだけれど、驚きの余韻と共に父との思い出が次々と思い出されてきた。

なかなか強面の父だったので、一緒に札幌の街を歩いていると周りの人がよけていき、歩く道に微妙なスペースがいつもできていたこと。

大学受験の会場に迎えにきてくれた時もそうだった。シャツにジャケットにチノパン、という服装の父兄が多い中、上下ゼブラ柄の服を来ていた父の周りにはスペースができており、すぐに見つけることができた。

短気で思ったことをすぐ口に出すので私もカチンと来て(でも怖いので言い返せず)、自分の部屋に籠もって壁に消しゴムを思いっきり投げてイライラした気持ちを何とか消化したこともあった。

私自身は父にうまく甘えることができず、大人になってから知人の娘さんがお父さんに思いっきりハグしている場面を見てなぜか胸が苦しくなったこともあった。

でも、今振り返ると父なりに私のことを大切に思ってくれていたのだと思う。

受験に合格した時、就職が決まった時、そして結婚式の時に見せてくれた優しい笑顔は忘れられない。

不器用で感情表現が激しく、私からすると理解できないところもたくさんあった父。

けれど、食に関わる仕事を愛して真剣に向き合っていた。そして、昔からの恩人や友達をずっと大切にしていたのだということを、葬儀に集まってくれた人たちの姿や届いた弔電、お花の数々を見て実感した。

もう直接言葉を交わすことはできないけれど、こうやって思い出すことから私自身力をもらっている。

その後車窓から見た夕焼けはとても綺麗だった。

昨日は夫の誕生日。父は夫のことをすごく気に入っており、「おめでとう」を言いに来てくれたのかな…と感じた。

人と人とのつながりは、今世でのお別れを経ても、続いていくものなのだと私は信じている。

2022.1.17 Mon 8:02

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