声はこころを奏でる楽器だから
子育てをする中で、絵本の読み聞かせをしたり、童謡や私の好きな歌を歌って聴かせたりと、声を使う場面が増えてきた。
そんな中、コーチ仲間のKeiちゃんがボイスジャーナリングのワークショップを企画されていることを知り、受けさせてもらうことに(子連れで参加させてもらって本当に感謝です)。
当日、Keiちゃんから私の声の印象をフィードバックしてもらった後、声のマトリクス表をもとに様々な声を出し、言葉を表現させてもらった。
高い声、低い声、クリアな印象の声、ハスキーで温もりのある声…
自分からこんな声が出るんだな、と新鮮に感じると同時に、子どもを産んでから出している声のトーンが偏っていたことに気づいた。
「赤ちゃんは高い声が好き」だとどこかで聞いた気がするし、泣いている子どもにも聞こえるよう、高くて張りのある声を出してばかりだった。
Keiちゃんから改めて気になる声の領域を尋ねられたとき、ハスキーで少しノイズも入ったような声を出してみたくなった。
実際にその領域の声を出してみると、ふわふわしていた意識がお腹の中で鎮まり、ふるさとに帰った時のような安心感が湧いてきた。自然と涙が流れていた。
夫とは一緒に子育てをしているし、地域のサポートも受けていて、自分としてはあまり無理をしていないように思っていた。
けれど、やっぱりどこか張りつめていたんだな、と声を通して気づいた。
楽しい空気感を作ったり、子どもをなだめるために高い声を出すのも自分の一部。
それと同時に、湯船に浸かった時にふいにもれるような低い声も自分の一部なのだ。しばらく忘れてしまっていたなぁ。
母であることは私にとって大きな喜び。本当に子どもと出会えてよかったと思っている。
一方で、短い時間でも役割を脇に置いて、温かいお茶を飲むような時間も必要なんだな、と気づかせてもらった体験だった。
声はこころを奏でる楽器だから、声に意識を向けることで自分の状態に気づくことができるし、普段とちがう声のトーンを出してみることで、心地よい状態にチューニングすることもできる。そんな発見もあった。
この文章は、子どもの頃から大好きなDes'reeのハスキーな歌声を聴きながら書いている。
母性溢れる声と、やさしいメッセージに心がくつろぐ。
愛情はハスキーなトーンで伝えることもできるんだな。
私が低い声を出した時、子どもは驚いていたようだったけれど、もう少し大きくなったら色々なトーンで語りかけてみても良いかもしれない。
母であることと、私であることを探究する旅はまだまだ続く。
Keiちゃん、素敵な時間をありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?