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35.大人の一歩

久しぶりに夢をみた。

私は中学生で、バレー部の部活動をしている。部長をしていて、みんなを引っ張る立場だ。

でも、サーブが一向に入らない。

本来であれば先生から怒られる場面なのだが、私を責める人はそこにはいない。その状況を不思議に感じている。

思い返すと、中学生の頃は部活動でも学校生活でも”模範”というものがあったように思う。その”模範”を満たせるように努力していた。

部活動を頑張り、生徒会活動をし、試験では極力良い点数をとる。

先生へは口答えせず、ニコニコしている。

もちろん常時その模範を満たせるわけではない。いつもそれを満たそうとしていると、反抗したり脱力したくなる自分がどこからか出てくる。

だから仲の良い友達と暗くなるまで本音を語り合ったり、こっそり生徒会室でサボったりしていた。

その頃、私の中には”本当の自分”と”そうでない自分”がいて、”本当の自分”はきっと先生からは認めてもらえないのだと感じていた。

そんな中、「お前、部活している時と態度が違うな」とフラットに突っ込んでくれた担任の先生がいた。

最初は見抜かれているようで居心地が悪かったけれど、その先生へは自然と本音を話すことができていた。

おそらく、担任の先生は「先生」という役割ではなく一人の人間として向き合ってくれていたからなのだろう。

部活の顧問と対立してしまった時、間に入ってくれたその先生は「お前たちの言っていることはよくわかる。でも、30代にもなると自分が信じてきたことを簡単に変えることは難しいんだ」とつぶやいた。その言葉も本音だったのだと思う。

きっと、「大人は完璧ではない。何が正しくて、何を信じていくのかは自分で判断しなさい」と暗に伝えてくれていたのだ。

大人になった今、人生に”模範”はなく、年を重ねるごとに叱ってくれる人は減ってくる。

何を美しいと思うのか。何を信じるのか。

自分を戒めるのも、許すのも、認めて背中を押すのも自分次第なのだ。

2022.1.18 Tue 8:56

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