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松籟庵日乗その3

もふもふの狐の玉(物理)


美浜中心に信仰「狐の玉」で論文 物事がいい方向に幸運をもたらす
(2020年5月23日)
https://www.chunichi.co.jp/article/35913

「狐の玉」小浜にも 大沢さん宅に2個保管 
(2020年6月26日)
https://www.chunichi.co.jp/article/78724?rct=f_news

 福井県の地方ニュース。稲荷信仰の一形態として、もふもふの毛玉を「狐の玉」として祀るというもの。狐の玉といえば、稲荷信仰では神使である狐が加えていたり、装飾や紋章としてあしらわれていたりする宝珠「稲荷玉」が知られているが、このような両手の収まるほどの毛玉を祀るというのは実際珍しい気がする。

 狐の玉は幸福を呼び込むものとして大切にされていたようで、どこか「ケサランパサラン」にも通じるものがあるようである。今後の研究が待たれる。

蒸気夏安売りで中華妖怪遊戯を買う由

 現在PCゲームプラットフォーム「Steam」でサマーセールが開催され、有名無名を問わずあらゆるゲームが狂ったような安値で販売されている。私もこれを機に、気になっていたゲームをかなりまとめ買いしたのだが、そのうちの一本がこの『Bladed Fury』。古代中国を舞台にセクシーな女性(その胸は豊満であった)が武人や妖怪と戦う、ド派手なアクションゲーム。

 システム的には本邦の『朧村正』を彷彿とさせる爽快なバトルが中心であると同時に、春秋時代の歴史や神話をモチーフにしたドラマもあるようで、プレイするのがとても楽しみ。ちなみにトレイラームービーには夏耕屍(首を刎ねられた後も首無しの体で戦い続けた、伝説の将軍)が登場しているようである。

 この他にも興味深いゲームを何作もプールしてあるので、ゲーム実況配信のネタにはしばらく事欠かないと思う。お楽しみに。

「民俗学者は陰惨に死ぬ」

 マンガなどの娯楽作品での民俗学ってどんな立ち位置にいるんだろう――そんな疑問への解答の一つとして、このまとめを紹介したい。

 「よく妖怪や伝説をテーマにした作品やオカルト、ホラー作品には民俗学者の先生が登場するよね」というフワッとした認識、そして「民俗学っぽいマンガ」というこれまたフワッとした分類と真面目に向き合い、「民俗学者やそれに類する属性の人物が登場する作品」に絞って列挙していくことで、我々がぼんやりと共有している「民俗学」への認識を少しでも言語化しようと模索した労作である。

 とにかくこれだけの作品を集めていった労力はトンデモなかったと思うので、素直にスゴイと思う。見出しに記した「民俗学者は陰惨に死ぬ」とか「民俗学者はオカルティスト」「先生は民俗学に詳しい」など、娯楽作品における民俗学者あるあるも読んでて笑って頷いてしまってばかりだった。

 実際の話、こういった民俗学に対する世俗的イメージについての分析ってすごく重要だし面白いと思うし、何より妖怪への世俗的イメージを考える上でもかなり必要な視点の一つだと思うので、このまとめを起点に少しでもそういった方面の研究が進めばなあ、と考えている。

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蠱毒大佐◉妖怪蒐集VTuber
妖怪文化愛好系ぶいちゅーばー存在。
民俗、美術、文学などから妖怪を観察します。
調査報告動画、作業配信、妖怪文化について語る雑談などをします。
たまに妖怪以外にも何かします。
日本史・日本文化系VTuberの集い「和同沙倫」所属。
◉Twitter:@Colonel_Kodoku
妖怪伝承投稿企画「百怪蒐録」
マシュマロ

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