シチリアロングトレイルを歩く #6 Magna Via Francigena(マグナ・ヴィア ・フランシジェナ)
朝陽が綺麗です。
ビュッフェスタイルってついつい食べ過ぎてしまいますね。
元気の出る朝ご飯でした!美味しいものをいただけて大変嬉しいです。
今日も歩けそう~ありがとうございます!
お部屋に戻り準備していると、マルちゃんからのワッツアップ。
「おはよう!歩き始めたよ。もう出た?」と。
「まだホテルで、もうすぐ出発するよ」と返信。
ゆっくりしてられない!追いつかれる、追い抜かされる~!と準備をして出発します。
チェックイン時にいたレセプションの方が朝もいたので、夕飯美味しかったとお礼を言って、少し会話をしてチェックアウト。彼女も、カミーノ楽しで!と見送ってくれました。
居心地の良いホテルでした。
今日は出だしからガッツリ登ります。
川を渡って、登っていきます!
きっと足長マルちゃんは追いついてくれると思うので、後ろを気にしながら進みます。
奇岩が増えてきましたね。皆さんのシチリアのイメージにはもしかするとないかもしれませんが、この奇岩とその岩肌に張り付く街というのが、今回のトレイル歩きで私たちにできたシチリアのイメージです。
グググっと上がった先に街がありました。
アックアヴィーヴァ・プラータニ。
2度渡ったプラータニ川の名前を冠した街です。
さすがに昨日ここまで歩ていたら随分疲れたでしょうね。
カサーレ マルガリータでの宿泊で正解でした。
宿とカフェと売店が一緒になったお店でお水を購入。スタンプも押してもらいました。
コルレオーネのマフィア博物館で貰った、オレンジを食べます。美味しい!街を抜けて展望の良い分岐路へ。
そこで振り返ると。
来たっ!マルちゃん!遠くにマルちゃん発見!ここで待とう!
ついに合流です!(早いもう追いつかれてしまった)
流石、背が高くて、トレランやってそうなぐらい細身。早い!
さぁ。ここからがこのトレイルのハイライト!ここをマルちゃんと一緒に行けるなんて!思い出になるなぁ。
色々とお話ししながら進みます。
イタリア人で、ミラノ近郊の街の出身で今もそこに住んでいます。
お仕事はスペイン語の先生、イタリアでスペイン語を教えるという訳ですね。
なので、語学が堪能、先生なので英語が聞き取りやすく、分かり易く話しをしてくれます。めちゃくちゃ喋ってくれるし、長い脚でストライドが広い!早い!早い!
凄く前向きで気持ちの良い性格の彼女の話に、夢中になってしまいます。
ホントいろいろな事をお話したんですが、
今回彼女がこのカミーノ(巡礼路)を歩いた理由は、1年ほど前に彼を亡くしてしまったからだと。
突然の心臓病。
「人生は何が起きるかわからない。だから今を一番楽しく生きるの!」
「前々から思っていたけど、今回本当にそれに気づいたのよ!」と。
共感する私たち。
本当に一緒にいて楽しい人だ。こんな人になりたいねと思いました。
さてさて、ハイライトは足早に進みます。
ステラの街が見えてきましたよ。
ステラに続いていくトレイルが、このカミーノの歴史を物語っています。
何千年も前から、多種多様な人種が歩いたであろう、道。
歴史を感じながら進みます。
意外と街に人は少なく静か。
お昼を食べる場所を探して歩いていると、史跡博物館を発見。入ってみます。
マルちゃんがいるから、イタリア語で色々聞いてくれます。
昔はもっともっとたくさんの人が住んでいて、盛大なお祭りもあったようです。「いまはちょっと寂しいのよね。」と館長。
お昼を広場のベンチで座って食べます。
ステラの街を出て、次の街へ進みます。
次の街が見えてきましたよ。
今日はこの街に泊まります。
マルちゃんはもう一つ先の街まで行くので、この街でお別れ。
街の外れまでお見送りします。
この先の情報はワッツアップで送ってくれるそう。
良い人だ。
最後に写真を一緒に。
ホント楽しいお話をありがとう!
さてさて、本日は21キロ歩き、着いた街の名はカンポフランコ。
予約した宿を探して歩きます。
今日は、貸家を予約しました。
住所はこの辺りだけど、なかなか見つかりません。
ぐるぐるしていると、近くのカフェのマスターが出てきて、
「ホテル?」と言いながら上を指差します。
おー、看板には今日の宿の名前。
「Yes!!!!」
「オーナーの携帯知ってるから、電話してあげるよ。」と。
ホント優しい人ばかり。
「5分後に来るってよ。」と。
「ありがとう!」
ウィンクして店に戻っていきました。
カッコいいな。
自然にウィンクとかしてみたいわ。
5分後、宿のオーナーが来ました。
マダムです。
中に入れてもらい、カミーノ歩いてるんだね、とお話し。
一通り、説明を受けます。
英語はできないとのことで、スマホ翻訳アプリ。
イタリア語と日本語を通訳してもらいます。
パスポートを見せると、
「日本人に泊まってもらうのは、初めてよ!」と。
なんかこちらも嬉しい。
街のインフォメーションもあり、
「この街は、バーはあるけど、レストランはこの時季閉まってるのよね。」
「でも、ちょっと歩くとスーパーはあるから。」と。
キッチンがあるので、自炊するよと。伝えるとオッケーと言ってマダムは帰っていきました。
シャワーを浴びて、すこしゆっくりしていると、マダムからワッツアップが。
「家にお米とトマト缶があるから食べる?食べるなら今から持って行くよ。」と。
なんて嬉しいご提案。
「ありがとう!食べます!」と返事をすると、ちょっとしてマダムがまた来てくれました。
「作り方は箱の裏に載ってるからね。足りないものはスーパーで買ってくつると良いよ。」
「OK!まかせて、こういうのは得意なの!」と翻訳機能を使って会話し、テラスから見送ります。
そうそう、このテラスからの眺めが最高でした。
今日通ってきた、ステラの街を遠くに見れて、街の中心部にあるので人が賑わう(賑わうと言っても知れてますが)噴水のある公園を見下ろせます。
ずっとボーっとしていられます。
お部屋も可愛いし、ソファーもめちゃくちゃ気持ち良い。
お部屋のサイズも手ごろで、キッチン、リビング、ダイニングがほぼ一緒。
なんだろう、おばあちゃんの家に来たみたい。
懐かしい安心感に包まれた宿です。
さて、スーパーに買い物に行きましょう。
ちょっと街の外れにあるので割と歩きます。
ブラブラと歩いて街を散策。
スーパーから戻って宿に戻る前に、バーに寄ってビールを。
街に溶け込む感じで一杯。
ちょっと公園でものんびりしてみます。
気候も良いし、雰囲気が最高。
健康の為か、ウォーキングをする年配の男性二人。
公園の端から端を行ったり来たり。
きっとこの街で生まれて、この街でずっと生きてきた友人なんでしょう。
話も尽きない。
良いなぁ。
さて、戻って自炊です。
頂いたお米とトマト缶(瓶)でリゾットを。
買い足したサラダ、オリーブ、ちょっとした総菜。
そして、ワインも忘れずに買ってきましたよ!今日は白でグリッロ。
楽しい夜です。
ホントこの街は、今回の旅の中で、一番のお気に入りになった街。
カンポフランコ!
街の中央は賑わっていましたが、スーパーに行く途中など、廃屋が結構たくさん。そして、住んでる方も年配の方ばかり。
イタリアの抱える問題の一つ、日本よりも深刻な高齢化社会。
もしかするとこんな素敵なカンポフランコもステラの街も、何十年後には無くなっているのではと、心配になってしまいました。
なにか良い方法はないのでしょうか。
日本も過疎化の激しい街で若い人が戻ったり入ったりして、盛り上げていますが、イタリアでも同じようにできてる街もあれば、そうでない街もあります。新しいアイデアを絞り出す時ですね。
強く思いました。
次の街に向かいます・・・