京都市引きこもり支援補助金事業を終えて

2ヶ年にわたる、「引きこもり支援」事業がこの3月末、ようやく終結し、無事に報告書類を提出しました。
オーナーの手を離れて、ほぼ完全に自分たちの力で事業を進め、報告書提出までこぎつけたのは、よい経験と実績になったと思います。
といっても、MUGENプロジェクトのメンバーの多くは昨年の後半に入ってきたので、なにやら事業をやっているということは知っていても、その中身まで知っている人は少なく、ほとんど私一人でやっていたようなものですが…
それでも、なにかがんばってるようだから手伝うよ、協力するよと言ってくれて、毎回参加してくれていただけでも助かりました。メンバーのみんなに感謝です。

今年度実施した「引きこもり支援」事業は3つ。
①月一交流会の開催
②コレクティブハウジング社の「コーディネーター養成講座」受講(代表1名)
③よもやま相談カフェの開催

この中で特に試行錯誤、奮闘したのが①の交流会でした。時々心折れて開催をお休みした月も何度か…
やってみての結論は、
・やっぱり交流会をするのは性格の向き不向きがあるので、向いてる人が主宰したほうがいい。
・おろそかにされがちだけど、開催場所のハード面がけっこう大事。いるだけで心休まる、きた人がほっとできるような環境で開催するということに意味がある。きて余計疲れてしまうようではなんのためにやってるかわからない。
・外部から参加する人と、居住者をむやみに一緒にするのは場合によってはよくない。居住者はセンシティブな人が多めなのもあり、あまりいろんな人がどんどんやってくるような交流会はどうなんだろう…と心配したのだけど案の定しんどいという声がけっこうあった。そして一番自分がしんどかった。(なんでわかっているのにそんなことをしたのか?というと、以前にも投稿しましたが、補助金を受けて開催する以上、公益性の観点から、内部だけでの還流はNGで、外部からの参加者を呼び入れる必要があったため。目先の利益目当てで妥協してしまわないで、利益よりもやろうとしてることの本質を大事にすべきという学びを得ました。)

②の講座はいろいろ学びも得たけれども、ちょっと残念な終わり方になってしまいました。分かり合えないってつらい。
受講していて改めてしみじみわかったのが、私たちは圧倒的にマイノリティ属性が強い集団で、いわゆる社会的弱者の要素が多い人が集まっていて、なかなかそれはそれで特色あってすごいんだなぁということ。すごいことやってるんだってむしろ誇りに思ってます。ケアが必要な人同士でケアしあってるなんて。でもやっぱりそういう属性の人同士じゃないとわからないことっていろいろとあるんだなって改めて思いました。いくら声を大きくしてわかってもらおうとしたところで、同じ経験や思いをしたことがない人には結局伝えるのはきわめて困難ということ。そのことを知れたという意味でも勉強になりました。

…この間、その講座で参加者の方がお勧めしてくださった、宮本常一という人の本を読んでいたら「当時、障害者や病人などの社会的弱者が集まってコミュニティをなして助け合いながら暮らしているエリアがあって」というようなことが書いてあって、ラメールももしかしたらそれの現代版みたいなものなのかな…なんて思ったりしました。
いま、シェアハウスとかコレクティブハウスとかいうけども、ハウスによって住んでいる人の属性が全然違っていたりして、やっていることは似ているようでもまるで様相が違っていたりします。
なので、おなじシェアハウス、コレクティブハウスだからといって、いろいろ一緒くたにしないほうがいいような気もしています。
一番大きいのが、入居者が自立してしっかり生活している人なのか、それとも自立して生活するのが少し厳しい人なのかということ。ラメールは後者の人が結構多くて、なのでかなり福祉の世界と近い様相をていしているのだけど、意識高い、家賃もしっかりのコレクティブハウスやシェアハウスには、そういう人はほぼいなさそうだし、そうした人たちが集団になった時の雰囲気もまた全然違ったものになると思えます。…
もし私が間違ってそんな集団に入ってしまったらきっとはじき出されてしまうだろうし(何度も実際にはじき出された。ので自分で場所を作ろうと思ったのでした)、バリキャリさんが何かの間違いでラメールに入ったら、なんじゃこりゃ?!となってしまうかも。すみ分けが大事なんだなって思えます。

さて、③の相談カフェについては、諸々の事情により、結局2回しか開催できませんでした。なかなか考えたようにはならないものです。

以上ゆるっと報告でした。
2ヶ年の補助金事業を経て、ラメールのやっていることを外の人に周知する、認知度を上げて人とつながる、という目的は達成されたと思います。
たくさんの人が興味を持って話しかけてくださり、いろいろな連携、コラボが実現する充実した2年間でした。
つらいこともたくさんあったけど、なんとか乗り切れてほっとしています。

今年度については、予告通り補助金事業はやらない考えで、もっぱら居住者同士での連携体制充実に注力していきたいと思っています。

2ヶ年、応援してくださった方々、どうもありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いします。

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