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【Jean Paul Gaultier (ジャン=ポール・ゴルチエ)】リアルを追求したイノベーター

たぐいまれな感性と独創性により、ブランド設立から現在まで約40年以上"アヴァンギャルドの旗手"としてファッション業界を牽引する『Jean Paul Gaultier』についてまとめました!最後まで読んでいただけたら幸いです!

1.Jean Paul Gaultierってどんなブランド?


Jean Paul Gaultier (ジャンポールゴルチエ)は、ブランド名にもあるジャンポールゴルチエ氏が1976年に設立した洋服やフレグランスなど様々なアイテムを手掛けるフランス発祥のファッションブランドです。1976年でのプレタポルテコレクションデビューから瞬く間に頭角を現し、1980年代にはファッションメ業界を代表するブランドとしてその人気は瞬く間に世界に広まりました。

その当時、他のブランドは美しく華やかなモデルの起用が目立つ中「個性的なモデル起用・性別やジャンルを超越したコレクション」など現代に通じる革新的な表現方法で当時の常識を覆しました。

その後、オートクチュール(高級仕立て服)ラインやGaultier Jeans、アーティストへの衣装提供など活動の分野は多岐にわたり名実ともに世界を代表するブランドとして時代と業界を牽引しています。

ジャンポールゴルチエ氏

2.ゴルチエと日本


・若き日に出会った日本人

そんなJean Paul Gaultier(以下ゴルチエ)ですが日本との繋がりも強いブランドでもあります。ゴルチエ氏は18歳の時にpierre cardin(ピエール・カルダン)に入社しキャリアを積んでいきます。そこで出会ったの日本人女性について彼はこう語っています。

ピエールさんのデザインアシスタントとして多くの日本人女性がいて、なかでもナオ・ヒラカワさんにはとても良くしていただきました。当時のパリの日本人コミュニティーにお邪魔して、日本食の美味しさを教わり、日本の美意識と繊細さを学びました。私はファッションの学校を出ていないので、デザイン画の書き方も彼女たちから教わったのです。

FASHIONSNAP.COM【インタビュー】ジャン=ポール・ゴルチエに迫る――歴史に名を刻む"アヴァンギャルドの旗手"の原点と今

服飾の知識が無かった当時のゴルチエ氏にとっては日本人女性が先生であり、今でも彼女に学んだことが彼の中で生き続けていると思うとモノ作りのスゴさを感じますね…

そしてもう一人ゴルチエ氏の人生に大きな影響を与えた日本人がいます。その人物とは『KENZO(ケンゾー)』の創設者の高田賢三氏
KENZOのショーを始めて見たとき、本当に感動し、こういうことがやりたいと心の底から感じたと言います。
バックミュージックもなく番号札を持ってただ歩くだけが当たり前だったという当時のオートクチュールのファッションショーの中で、KENZOのショーは明るくて華やかで自由だったのです。
とてつもなく秀でたの才能・完成を持つゴルチエ氏に自分はこういうことがやりたいと心の底から感じさせたKENZOはとてつもなく偉大なブランドですよね…

・才能をいち早く見出した存在

デザイナーであるゴルチエ氏は、ファッショ業界、特に80年代を代表する人物として知られていますが、ブランド初期は決して順風満帆ではありませんでした。pierre cardin(ピエール・カルダン)のもとでの修行によって身につけたスキルと自身の圧倒的な才能により、プレタポルテコレクションでの華々しいデビューを飾ったものの、ブランドは資金面に大きな問題を抱えていたのです。

デビューから3シーズンが経ち、いよいよ資金が底をつくとなった時、ゴルチエの才能とブランドとしての可能性にいち早く気づいていた「カシヤマフランス」が資金提供してくれることになり、資金面での不安が解消したゴルチエはその才能を遺憾なく発揮し、80年代のファッション業界を席巻するほど成長しました。

このカシヤマフランスとは、日本アパレル最大手として今もなお君臨するオンワード樫山のフランス現地法人だった会社であり、この件から両社の関係は密接なものとなり、1981年にオンワード樫山とライセンス契約を結び日本進出を果たします。その後、日本でも爆発的な人気を誇るブランドとして浸透していき、今でも密接な関係が続くオンワードに対してゴルチエ氏は「家族」と表現しています。この言葉に両者の関係値がうかがえますよね。

・ゴルチエ×○○

オンワードグループとの出会いから、日本との関わりが強くなっていったゴルチエは98年に初めて東京でコレクションを発表し、2003年には日本のアイデンティティを取り入れた「浴衣」「リョーカ」「水着」を発表しています。日本の伝統的な浴衣とゴルチエの持つ独創性が組み合わさったミックステイストなものになっています。

Jean Paul Gaultier 浴衣

さらには、ゴルチエの希少なコレクションの展示会を日本で行なうなどブランドとしてもデザイナーゴルチエとしても「日本」という場所は重要な要素なのかもしれません。

2019年にオンワードホールディングスのもと行なわれた「Expanding Fashion By Jean Paul Gaultier

3.Jean Paul Gaultierのここがすごい!


1976年からスタートしたJean Paul Gaultier。去年、2015年ぶりのプレタポルテ(高級既製服)の再開sacaiとのオートクチュールコレクションの発表など熱い盛り上がりを見せているゴルチエですが、そんなゴルチエの他のブランドにはない魅力はここにあると思います。

・デザイナーJean Paul Gaultierという人物

ゴルチエというブランドを語る上で本当にデザイナーJean Paul Gaultierという人物の存在は決して欠かせません。彼は、前衛的・挑戦的なコレクションを発表し続け「時代の寵児」「アバンギャルドの騎手」などの呼び名で称され、ファッションに対する常識や固定観念をいくつも打ち破ってきました。

ショーでは、音楽やダンスなどを取り入れ見る者を惹きつけ楽しませる舞台を作り上げ、マドンナなどのアーティストの舞台衣装や映画の作中衣装など他分野での新たなチャレンジにも積極的にトライして見事大成功を収めてきました

その姿勢に多くの人が魅了され、常に現場で活躍する彼の姿勢に勇気をもらっていました。そんな彼のブランドデザイナーとしての最後のショーである2020SSオートクチュールコレクションには多くの著名人が駆けつけ、ファッションと踊りと音楽が融合したゴルチエだからこそ出来る圧巻の内容でした。ショーではなんと170体以上ものルックが公開され、もうスゴいとしか言いようのない素晴らしいものでした。脱帽。

2020SS

・洋服というカテゴリーを越えた芸術

ゴルチエの服は「洋服」というカテゴリーを越えたある種の芸術のように感じます。下記で紹介しているマリンボーダーやタトゥートップスに加え、テーラードなどのアイテムは現代のファッションシーンにおいても一線級で活躍してくれるモノばかりで、時間・時代を超えた名作なんだと改めて感じさせれます…

2012ss

4.取り扱いショップ紹介


Jean Paul Gaultierのアイテムは主に以下の(オンライン)ショップなどで販売されています。
※ここに記載した店舗は一部となりますので、ご了承ください。

・Jean Paul Gaultier Eshop:https://fashion.jeanpaulgaultier.com/en/categories/tous-les-produits
Jean Paul Gaultier 日本橋タカシマヤ店
Jean Paul Gaultier 新宿タカシマヤ店
Jean Paul Gaultier 銀座店
Jean Paul Gaultier 豊橋店

”宇宙”がコンセプトの銀座店

過去のアーカイブも現在注目されていて非常に人気なので、この機会にゴルチエのアイテムをぜひ見てみてください!

代表アイテム3選!


・マリンボーダートップス

マリンボーダーはゴルチエのアイコンとして、ドレスやワンピース、ニットなど様々なアイテムのデザインに落とし込まれています。このアイテムはデザイナーゴルチエ氏の"原点"と語る「フランス海軍のフレンチブルーのボーダカットソー」から着想を得て作られたモノでコレクション初期から現在までアップデートを続けてオーバオールやマリンパンツなどマリンボーダーから派生して多くの名作アイテムが誕生しています!

画像は今年5月28日に発売されたマリンボーダーをアップデートしたアイテム

・サングラス

続いてはサングラスです。ゴルチエのサングラスはセレブやアーティスト、著名人まで多くの人々が愛用しているアイテムであり、特に80年~90年のものはヴィンテージアイテムとして非常に人気があります!
名優・松田優作さんが映画「ブラックレイン」で着用していたり、名作映画「レオン」でジャンレノが着用していたりともはや伝説のアイテムでもあります!

映画「ブラックレイン」より

・タトゥートップス

こちらご存じの方も多いのではないでしょうか?ボディーにぴったりとフィットし、刺青のような柄が施されているのが特徴的なトップスです。
今では、シアートップスとして様々なブランドが似たようなアイテムを発売していますが、その始まりはゴルチエなのです。

Jean Paul GAULTIER  BY SACAI Haute Couture

キリストや聖母マリアなど宗教的なイラストが施されたものが多く、現在非常に高騰していますよね。貴重な年代かつ柄も希少なモノは数十万円するものもあるとか…

5.最後に


今回は、たぐいまれな感性と独創性により、ブランド設立から現在まで約40年以上"アヴァンギャルドの旗手"としてファッション業界を牽引する『Jean Paul Gaultier』をさせていただきました!

Jean Paul Gaultierというブランド、そして人物について調べれば調べるほど「もっと知りたい」と感じました。今回紹介させていただいのもほんの一部なので、今後さらに深掘りしていきたいと思います!

2023年に日本初上陸の『FASHION FREAK SHOW』

では、最後にゴルチエ氏のこの言葉を皆さんに送って終わりにしようともいます。

ファッションは自分と他人とのコミュニケーションツールです。服というものは、着る人を化けさせることができます。自分を強く見せようとか、憧れの人に近づいてみようとか、自分で演出することができるのです。なので難しく考えずに、楽しんでもらうことが一番です。服を着ること、装うことを思いっきり楽しんでください。

FASHIONSNAP.COM【インタビュー】ジャン=ポール・ゴルチエに迫る――歴史に名を刻む"アヴァンギャルドの旗手"の原点と今

最後まで読んでいただきありがとうございます!少しでものJean Paul Gaultier魅力・良さが皆さんに伝われば幸いです!
下にリンクを貼ってますので、気になった方はぜひチェックしてみてください!

コーポレートサイトhttps://www.jeanpaulgaultier.com/ww/en
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