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【ROOTS-名古屋サロン】Vol.6〜公民連携とインフラDX〜 その2

前回のnoteでは、ROOTS-名古屋サロンの1つ目のテーマである公民連携について記しました。

今回は、2つ目のテーマ、インフラDXをレポートします。

東山動植物園などを所有している、名古屋市緑政土木局から、建設業の就業者減少、国交相の取り組み、名古屋市の取り組みについてお話をいただきました。

建設や維持管理など、年間2,500件程度発生する工事案件の対策として、スマホやタブレットを活用したインフラDXを推進したいとのこと。

まずは、建設業2024年問題、2040年問題を踏まえ、事業者だけでなく、名古屋市としても幅広く意見をいただきながら、導入できるものを模索していきたいとのことでした。

建設業における2024年問題:

名古屋市の資料より抜粋

建設業における2040年問題:

名古屋市の資料より抜粋

上記以外にも、国土交通省におけるインフラ分野のDXの取り組み(i-Construction)や、名古屋市におけるインフラDXの取り組み(紙でのやり取りをやめる、カメラで状況を確認する)が紹介され、意見交換へと入っていきました。

名古屋市の資料より抜粋

まず、大前提として、就労人口の減少は建設業に限ったことではなく、社会全体で起こっていることで、3K(きつい、汚い、危険)や長時間労働の是正に向けて取り組んでいるとしても、建設業に係る就労人口が増えるわけではないとの意見が出されました。

また、他の産業や自治体でも就労人口を増やす取り組みが実施されており、パイの取り合いになっているだけで、今後も減少トレンドは変わらないという中で、どこをターゲットにして、インフラDXに取り組んでいくかが求められているとの見解が参加者から示されました。

今回のインフラDXでは、前回のnoteでレポートした「公民連携」とは違い、検討すべきDXの一覧があることから、その一覧を見ながら議論が進みました。

参加されていたスパイダープラス株式会社の糸田川さんから、自社製品(現場管理アプリ「スパイダープラス」のご紹介があったり、

株式会社ギークスの佐々木さんからは、前述のスパイダープラスなどを導入する前後に発生するITリテラシーを解消するための支援(人材育成や教育)ができることの提案や、

株式会社ナニラニの村瀬さん、田頭さんからは、課題、ターゲット、ゴールを明確化、解決へのマイルストーンを設定し、建設業界で働きたくなるような、業界イメージを刷新するような提案を軸に、ありたい姿に導くブランディング戦略の支援ができるといったお話をいただきました。

参加した方からは様々な提案があり、取りまとめれば、そのまま名古屋市で使ってもらえるレベルのお話ばかりでした!

インフラは、現代の経済活動や人の生活を下支えしているものです。壊れたり、使えなくなることで支障をきたし、生命活動すら脅かします。

このインフラに関わる就労人口の減少や高齢化が、今後のインフラ建設や現状インフラの維持管理を難しくしています。これは名古屋市に限ったことではなく、人口減少が始まっている全ての都市で起こっている問題 / 課題です。

インフラ建設に関わる工事などのDX化は、就労者の負担軽減、管理の省力化 / 効率化、データ化に寄与し、将来の無人での工事のために必須だということがわかります。

一方で、今まで建設されてきたインフラを、今後も必ず維持していく必要があるかというのも併せて議論していく必要性も感じました。現在のインフラを維持するためのDXは、その目的(誰のための何)と期間をしっかりと定め、先にある将来に必要なインフラの形や、都市設計のマイルストーンでないと、だらだらと同じ問題 / 課題を繰り返してしまう気がします。

予算についても、自治体は単年で動くのが慣例ですが、そろそろ将来あるべき姿から逆算して本当に必要な予算を確保していかないと、気がついたら誰もやってくれない = 維持できないということになりかねません。既存を維持することが、公平性を担保する、ということにならない将来がすぐそこまできている危機感をもって行政運営に取り組んでいただきたいと切に願うサロンでした。

本サロンは、自治体担当者と直接出会えるコミュニティとして、ディスカッションをしながら解決策を提案できるプラットフォームです。自社の製品やサービスを提案したい民間企業が参加することで、自治体に直接提案ができ、自治体が導入しやすい形などを一緒に模索できる場として、今後も皆さんの参加をお待ちしております。

終わりに。。。今回のROOTS名古屋サロンはいかがでしたでしょうか?
昨年から始まり、今回で11回目の開催となりました。民間の企業が集まり、課題に対して各々が解決への道筋を提案しています。今後もインフラDXや名古屋市の課題について、自治体職員と直接意見を交換したい方、活動に興味のある企業の方、自治体とのやり取りに課題を感じている方、ファシリテーターを探している方など、様々な方と一緒に解決の糸口を探ってまいります。

今後のROOTS名古屋サロンに乞うご期待!








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