具体的な悩みがなくてもメンタルヘルスケアを受けるべきか?
メンタルヘルスケアって聞くとどういうものを思い浮かべますか?
「心の病を治すもの」
「メンタルが安定している人は受ける必要がないもの」
といったイメージを持っている人も少なくないのではないでしょうか。
かくいう私も「自分と向き合うのが苦手だからやりたくない」と思い、敬遠しておりました。
今回のnoteでは、メンタルヘルスのコーチングを実際に受けてみて、イメージと違ったことを記していきたいと思います。
あくまでもライター個人の感想ですので、「ふーん、こういう見方もあるのね」くらいに読んでくださいね!
コトの発端
「今度、メンタルヘルスの研修やるから受けて」
と上司から言われたある夏の午後。
まず心に思ったのは「ハアン…?私病んでませんけど?」という困惑。
その心の声が、言葉として出るか出ないかというところで
被せるように
「ちなみにこれは全員に受けてもらうよ。メンタルヘルスの研修っていうと”自分病んでるって思われてる?”って感じちゃうでしょ。そういうものじゃないから」
と先手を打たれました。
「ああ、そういうことなのね。特別に心配されている訳じゃないのね」
と何気にホッとしたのを覚えています。
そう。
「今は特に悩んでないから、自分にはメンタルヘルスケアは必要ない」
これが、メンタルヘルスケアに対して私が研修前に持っていたイメージです。
あ、ちなみに言っておきますと、私も人間なので常に「メンタルつよつよ!」という訳ではなく、当然波はあります。「何でこんなことすら出来ないんだろう…」とクヨクヨしてしまうこともあります。
とはいえ、と「今はうまくいかなくても何とかなるなる」と切り替えの早いタイプでもあるので、今まであまり自分のメンタルについて深く考えることはありませんでした。
マイコーピングさんのメタ認知向上プログラム
今回受けたのは、マイコーピングさんのオンラインカウンセリング。
「メタ認知向上プログラム」と言うものを受けました。
まず、メタ認知とは。
自分を客観的に把握するだけじゃなくて、制御することも「メタ認知」に含まれているのですね。
そもそも自分のことは自分が一番よく知っているはずだと思うので、自己バイアスを取り除いて客観的に把握するって難しいよなあ・・・とも思うし、さらには制御ってどうやったらいいんでしょう。
むしろ、自分を制御できていない状態って?
「…くっ!!!!俺の右手が言うことを訊かない……!!」
ってこと。
ではなくて、メタ認知における自己制御とは
「あの時とったあの行動は、どのような理由から取ったのだろう?」
「あの時の言動は、どのような心理状態から生まれたのだろう?」
と、過去の自分自身の行動を俯瞰し、高次に解釈することで、感情をコントロールしたり改善のための行動を取ったりすることのようです。
なぜCo-Liftは会社としてプログラムを実施したのか?
そもそも、なぜCo-Liftがメンタルヘルスのプログラムを実施することに決めたのか?を代表に聞いてみました。
画像で貼り付けたら歴史上の人物の名言のようになってしまったんですが、メタ認知は「自分を理解することだけじゃなくて他者を理解したり尊敬するためにも重要」というのはいい言葉だなあと思いました。
「メンタルヘルスって自分のためだけじゃなくて、他者理解の側面もあるのか!」とハッとさせられ、これまであまりメンタルヘルスについて自分事化できていなかったことを反省させられました。
メタ認知向上プログラムとは?
実際の研修プログラムの中身に入る前に、マイコーピングさんの「メタ認知向上プログラム」の目的について触れておきましょう。
目的はこちら。
メタ認知は重要!!
メタ認知はキャリアや生活の助けになる!!
メタ認知はチームやビジネスに貢献する!!
これらを理解するために、プログラムの各セッションが用意されています。
「この壺がキャリアや生活の助けになる!!」って言い換えても不自然ではないくらい怪しい文章になってるけど気にしないでください。日本語を一度英語に直し、さらに日本語に逆翻訳すると、こういう怪しい文章になりがちですよね。
プログラムは二部構成で実施されました。
第一部は講義とペアワーク。
第二部は個人セッションです。
講義およびセッションの概要は以下の通り。
プログラムとは関係ないんですが、入社して初めて、社員全員が揃ったところを見ました。オンラインですけどね。
お顔を見るのが初めましてのメンバーもいたので、なんかこう・・・「あ、マジで存在するんだな」って思いました(アイドルか)。
第一部:メタ認知とは?
まずは第一部の講義とペアワーク。
講義では、「メタ認知」や「メンタルヘルス」という言葉の定義を始め、「どう対処していくのか?」の一般解について教えていただきました。詳細についてはネタバレになってしまうので割愛しますが、この講義の時点では「へー、まあそういうもんなのか」という雑な感想を抱いておりました。
講義に続いて、好循環に持ち込むためのスキルを考察するということで、ペアワークを実施。
私がペアを組んだのは、バックオフィス業務をやっているエリさん。以前の記事でも触れたデカいダックスフンドの飼い主です。
ペアワークでは「過去において好循環を生み出せたと思う出来事について、その時の想いや感情、行動などをまとめてください」というお題が出ました。
この時、私が出した好循環はこちら。
お気づきでしょうか。
「好循環」の例なのに、最後にめちゃくちゃ肌荒れして終わってるんですよ…。寝る暇も惜しんで仕事してたらそりゃ肌も荒れますわ。
でも、自分の中では良い思い出として記憶されているんですよね。
フィジカルにはとてもダメージが大きかった(肌荒れだけじゃなくて、ご飯も食べる時間もなくてめちゃくちゃ痩せた、というかやつれた)んですが、それを良い思い出に変えてしまうほど、メンタル的には好調だったんですよね。一応言っておきますと、前職での話です。
ちなみにペアを組んでいたエリさんの好循環はこちら。こちらも前職での経験談です。
エリさんも同じく、頑張りすぎて肌荒れてる上に脚もパンパンなのに、良い思い出にしちゃってます。重症です。
で、この現象についてマイコーピングの先生にお伺いしたところ、
先生「その時のライフステージによって、抱く感情は変わりますし、好循環と捉えるか悪循環と捉えるかも変わってきます」
とのことでした。
確かに、挙げた好循環の例は、いずれも我々が20代だった頃のお話。
「今、同じ状況に陥ったら、間違いなくポジティブには捉えられないよね」という意見で一致しました。
第一部での気づき:
ライフステージによって、同じ状況下でも捉え方は異なる。ゆえに対処法も異なる。
このペアワークでは、好循環の例をシェアしあったのですが、後日実施した個人セッションでは自身が陥った悪循環について触れていくことに。
第二部:個人セッション
自分の悪いところや悪い習慣に向き合うのって難しいですよね。
この「メタ認知向上プログラム」においては、先にペアワークで好循環について触れていたので、悪循環もすんなり受け入れることが出来たんですが、
もしも、いきなり
メタ認知って大事。
向上させるために、自分の陥りがちな悪循環を述べよ。
とか言われてたら、本当に嫌だっただろうなーと思います。
やり方は好循環と同様でした。
過去や現在において、自分が陥る悪循環について、その時の気持ち、感情、行動をまとめるというもの。
プログラム1の講義の中で、「悪循環に陥ったとき、気持ちを変えるのは非常に難しいので、行動から変える」という話があったんですが、講義中はこう思ってたんですよね。
「そんなに簡単に行動が変えられないから苦労してんじゃん」と。
これが、個人セッションを受けてようやく理解できました。
うまくいかない時の「行動を変える」とは?
例えば、どうしてもやる気が起きないタスクがある時、寝かしちゃうことってありますよね。
それでも大体のタスクの場合は締め切りがあるものだから、無理矢理にでもタスクに取り掛かり始めるんですが、気持ちがついてこないからアウトプットもいまいち…といった悪循環に陥る。
この時に「行動を変える」というと、「無理矢理にでもタスクに取り掛かる」が今までの私の行動でした。
note書く気が起きない時は、無理矢理にでも一文字から書く
といった行動です。
しかし、個人セッションを経て、マイコーピングの先生から提案されたのは意外なことでした。
先生「ミドリさんは、むしろ自分のテンションが上がるタスクにあえて取り掛かることで、悪循環から抜け出せるかもしれませんよ」
ミドリ「えっ!」
先生「真面目な人は、今あるタスクから目を背けることが出来ずに苦戦するんですが、むしろその気乗りしないタスクは一旦置いておいて、楽しいことからやった方が良かったりもするんです。特にミドリさんの場合は、すぐに手応えを感じられるようなタスクの方が性分に合っているという話もあったので、そのようなタスクに手を出してみるのはどうでしょうか」
なんと。
私の根が非常に真面目だということも、真面目だと言われるとちょっと嬉しいことも見抜いてのご提案。
あくまでも私の特性に合わせてのご提案なので、当然、全ての人に当てはまる訳ではないと思いますが、(私が単純だということもあるんでしょうが)実際に試してみたらすんなり上手くいきました。
note書きたくないなー → とりあえず料理して気持ちをアゲる → 料理しているうちにフレームが浮かんでくる → 書ける
といった具合です。
この個人的パラダイムシフトが得られただけでも、プログラムを受けた価値があったなと思ってます。
「具体的な悩みがなくてもメンタルヘルスケアを受けるべきか?」へのアンサー
今回、人生で初めてメンタルヘルスのプログラムを受けた訳ですが、結論、受けて良かったと思ってます。
講義→ペアワーク→個人セッションと、合計2.5時間のプログラムを受けて得られた気づきのまとめです。
プログラム全体の流れについて
ペアワークが好循環考察から入り、何をやるかが理解できていたので、その後の個人セッションでの悪循環考察も受け入れやすかった
悪循環がペアワークだったら、ここまで深い話は出来なかったので個人ワークで良かった
学んだこと
好循環も悪循環も、その時のライフステージによって異なる
つまり、「過去はうまくいったのに…」と気に悩む必要はない
悪循環に陥った時、気持ちではなく行動から変える
取るべき行動は人によって異なる
第三者によるモヤモヤの言語化は大事
利害関係のない第三者の指摘/提案は受け入れやすい
上述のように、具体的な悩みがなくても気づきは得られますし、「どのように自己実現していくか?」の良いヒントが得られると思います。
特に、最後の「第三者によるモヤモヤの言語化」はとても良かったなと思ってます。日頃から自分自身の仕事や価値観について、すごく不満がある訳ではないんだけど少しモヤモヤしていたことを、今回のセッションで言語化してもらいました。
利害関係がある相手だと、何か指摘されても「私のことを解った風に語らないでほしい」と、中二の自分が顔を覗かせるのですが、利害関係が全くない第三者(しかも専門家)相手なら、素直に受け止めることが出来ます。もちろん相手との相性もあるとは思いますが。
あくまでも私個人の体験談ですが、参考になれば幸いです!
本日も読んでいただきありがとうございました。
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