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”拡張分析”はデータドリブンの必須要素

企業の意思決定プロセスにおいて「データドリブン」「データ活用の促進」「データ専門家の育成」といったフレーズが注目を集めています。データの価値を最大限に引き出すため、拡張分析(Augmented Analytics)や探索的データ分析(Exploratory Data Analysis、EDA)の導入は不可欠です。
このような内容について、HEARTCOUNT AnalyticsのオフィシャルパートナーであるCOKOOZ合同会社の東(あずま)がご説明します。


"拡張分析"の進化と企業におけるデータドリブンの新たなトレンド

データ利活用のトピックとして、多くの人は「予測分析」や「アルゴリズムの開発」といったデータサイエンスの領域を思い浮かべるかもしれません。しかし、真の意思決定は日常の業務の中で行われます。ここでAIや機械学習の力をどれだけ取り入れられるかが鍵となります。

企業の成功には、高度なアルゴリズムだけでなく、現場のスタッフがデータを効果的に活用することが求められます。コストを抑えつつ、組織全体にデータの価値を浸透させる答えが「拡張分析」と「探索的データ解析」の導入にあると言えるでしょう。

データ分析の二つのアプローチと"拡張分析"の役割

拡張分析や、AI・機械学習を活用して達成する2つの主要な目的は大体以下のようなものになります。

  1. 意思決定の自動化:指紋認証、画像認識、商品のレコメンデーション等

  2. 意思決定の支援:洞察やビジネスアイディアの発見、課題解決のための手がかりやアイディアの提供

全自動の意思決定は、大量のデータを効率的に処理し、迅速な判断を下すことに焦点を当てています。対照的に、意思決定の支援は、データからの洞察を取り入れて、より賢明な人の判断を下すための情報を提供します。

拡張分析の目的は、AIとデータを利用して、人間の経験やセンスをさらに強化・拡大することにあります。例えば、SQLやBIツールを使用すると、同じクエリで常に同じ結果が得られます。しかし、拡張分析では、個々の分析者の視点や創造性によって、結果が異なることもあります。

拡張分析の利点とその影響

拡張分析のアプローチは、意思決定の過程を強化することを目的としています。これには、分析結果の共有、インタラクティブなビジネスインテリジェンスの視覚化、複雑なデータセットからのルール発見のための統計手法、そして理解を深めるためのストーリー作成が含まれます。

拡張分析の利点

  • データアナリストの業務の迅速化:データの分布や関係性、要約、可視化などのプロセスがスムーズに進行し、アナリストの時間を効果的に活用。

  • 深い洞察の獲得:データに基づく結果は、社内の信頼を高め、特にKPIに影響を及ぼす要因を明らかにすることで、新しい視点や発見を可能に。

  • 中小企業のデータ活用を推進:拡張分析ツールは、BIツールとの連携を通じて、中小企業のデータ活用を加速させる可能性を秘めています。

  • データの信頼性を向上:視覚的な表現や可視化により、結果の解釈や理解を容易にし、組織内でのデータ活用の信頼度を向上させます。

拡張分析の核心は、AIが人間の意思決定を置き換えるのではなく、サポートして解釈や洞察の質を向上させることにあります。そして、このアプローチを組織全体で採用することが不可欠です。

単純なExcelやGoogle Sheetによる集計だけでは、限定的な情報からしか意思決定を行えません。拡張分析を使用すると、高度な機械学習技術を活用して迅速に要因を特定し、効果的な可視化を行い、通常の手法では見過ごす可能性のあるパターンや洞察を明らかにすることができます。

まとめ

伝統的なデータ分析の領域、例えば農業や医薬の統計、クレジットリスクの評価、品質管理などでは、正確性、手順、データの整合性、そして手法の適正さが求められます。
しかしながら、近年の複雑な新しい時代において「拡張分析」が果たす役割を考えると以下となるでしょう。

  • 意思決定のサポート:拡張分析は、データ、AI、機械学習、可視化を駆使して、組織内のメンバーが分析結果を容易に理解できるようにします。

  • 洞察に根拠を持たせる:データに基づく洞察は、人の経験や直感に依存するよりも、客観的な根拠を持っています。これは、分析の結果として得られる洞察の正確性や信頼性を向上させます。

  • コミュニケーションを強化:組織全体が拡張分析の恩恵を受けることで、データに基づいた意思決定の価値を全員が共有し、理解することができます。組織内の認識のズレが減少し、共通の理解を持って行動することが可能になります。

最後に、データ分析の真価は単なる機能数や技術の高さではなく、ビジネスの目的や課題にどれだけマッチしているかによって決まります。結果として、データ分析の組織への浸透と活用が、その組織の競争力を高める鍵となるでしょう。

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