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【C103】サークル初参加・フォロワー2桁で46部完売できた話。

はじめまして!小昼えいです。

普段は趣味程度でイラストを描いているのですが、昨年(2023年)は少し時間ができたので、今まで参加したいと思いつつ重い腰を上げることができていなかったコミケにサークル参加してみることにしました。

これはその備忘録です。参加するきっかけ~用意・当日の様子や分析まで、赤裸々に綴ってみました。

完売に関する自己分析や収支報告も書いてみたので、同人誌即売会に興味のある方や、今後サークル参加してみようという方にとって少しでも参考になれば幸いです。



まずは応募から

いつもどおり大好きなサークルさんの新刊を買いに一般参加した8月14日の夏コミ。あるあるなのですが、沢山の創作物に直で触れたことにより、私の創作意欲は爆上がりしました。

そこで「せっかく絵をたくさん描くならなにか目標があったほうがいいだろう!」ということで、私にとって馴染みある同人誌即売会であるコミックマーケットの中で、直近に開催される冬コミに応募してみることにしました。

さて、応募してみるぞ!と意気込み、申し込みについて調べてみると、なんとオンラインでの申し込み締切日は8月21日(決済締切は8月20日)ではないですか?!しかも応募には 販売予定 や サークルカット も必要…。

「え?なにも描くもの決まってないし、サークルカットに使えるイラストなんてないんだけど?!」

ということで、急ピッチでどんな本にするか考えます。私はフルカラーのイラスト描きなのでとりあえずイラスト本にすることは決定!ジャンルは…普段あまり特定のジャンルでの二次創作は描いていないから… 創作(少年)かな?テーマはなににしよう?いつも描いてるから女の子イラストなのは確定として…そうだ!私が好きな空をテーマにしよう!本のタイトルは…

という感じで、大急ぎでジャンルと作る物を決定。それに合わせる形でサークルカット用のイラストも描きました。
(今確認したら描き始めたのは8月18日でした。よく間に合ったな私…。)

そしてすっかり忘れていたサークル名の決定。

私のペンネームから

小昼 → 間食(おやつ) → おやつどき

のような感じで、サクッと決めてしまいました。
(後ほどサークル名被りが起きていることが発覚したので、次回以降のイベント参加の際は英字表記で「oyatsu-doki」に変更します。)

そんなこんなでバタバタしながらもなんとか申し込み完了!サークル参加費用は忘れないように、その場で払えるクレジットカードで決済しました。

その後、スペースをいただけた際に自分が逃げられないようにツイートもしておきました。


(私の中から)忘れ去られた冬コミ

申し込みを終えた8月。それから創作意欲は高まったままだったのですが、TRPGにハマってしまい9~11月まではTRPGばかりして過ごしていました…。

その間にも、skebで初めてのコミッションを頂いたり、私が遊んでいるスマホゲームのオンリーイベントが初開催されるということで企画に参加してイラストを描いたり、自身がPL(プレイヤー)として参加するTRPGの立ち絵を描いたりと、イラストは今までに比べては沢山描いていました。

しかし…

なにひとつコミケ用のイラストは描いていない!!!

そんな中、11月10日に行われた当落発表…。

…はい。
ありがたいことにスペースを頂けていました…!

C103は応募サークル数が大幅に増えたという話も聞いていたのでスペースを頂けたことはありがたい限りなのですが…

うん…。このままじゃ単なる過去絵まとめ本になってしまう…。  

ということでスケジュールを確立させるためにも、本の構成から改めて考えることにしました。

本の構成を考える

まず、本の構成を決めるに当たって、残りの日数から私が何枚のイラストを描けるのか?ということから考えました。

私は構図やポーズを考えるのにかなり時間がかかってしまうタイプなのですが、幸いにも9~11月によく遊んでいたTRPGのお陰で絵自体を描く速度は上がっていたので、頑張れば1週間に2枚くらいなら描けるのではないか?という結論に至りました。(これでも遅筆な方ではあると思うのですが…)

そして、本のデザインにかかる時間も考えなければなりません。念のため1週間ほどを見積もるとして…

よし!4~5枚くらいなら描けるな!! 


…え?11月10日に当落発表されたならもっと時間あるでしょって?

はい…。先程9月~11月までTRPGばかりしていたという文言通り、11月もかなり後半までTRPGをやっていたわけで…(しかも11月後半にはとても楽しみにしていたシナリオがあったんですよ!しょうがないね!)

ということで描けそうな枚数も決まったので、次はページ数と本の構成を考えていきます。

せっかく初めて出す本だったので、テーマイラストだけでなく最近描いたイラストや過去イラストも載せたいなとなり、

p1:表紙
p2:表紙裏(白紙)
p3:目次
p4~p13:テーマイラスト
p14~p23:最近描いたイラスト
p24~p25:過去に描いたイラスト
p26:あとがき・奥付
p27:裏表紙裏(白紙)
p28:裏表紙

という構成にすることにしました。テーマイラストはじっくり見てほしかったので、見開きの片方のページをテーマイラストに、もう片方はそのイラストに関連したページにする、という構成にしました。

これでページ数や締切予定日も決まったので、11月の最終週に印刷所選びを始めました。

印刷所探し

さぁ、いざ印刷所を探すぞ!ということでおすすめの印刷所がまとめてあるサイトをいくつか見てみたのですが…

漫画向けのおすすめ印刷所ばかりで参考にならない!!  

そうです。同人誌というとその大半は漫画。フルカラーイラスト本は 作成コストが高い上に手にとってもらえることが少ない! ということで、よく「同人誌でイラスト本を作るのはやめとけ!」という言葉すら耳にします。

そのため、ネットで印刷所を調べてもあまり有益な情報は出てきませんでした。では、どうやって印刷所を探すか…。

今まで買った同人誌のイラスト本があるじゃないか!!  

ということで、今まで買ったイラスト本の奥付を次々と見ていきます。
私が所持していたイラスト本の印刷所を見てみると…

圧倒的に多い:株式会社グラフィック 様
次点で多い:関西美術印刷株式会社 様
その他:STARBOOKS 様、くりえい社 様、おたクラブ 様 etc…

圧倒的にグラフィック様の本が多かったです。
調べてみると、値段も安めで印刷もきれい。最初はグラフィック様にしようかな…と思っていました。
しかし、私は CLIP STUDIO PAINT(以下:クリスタ)で普段絵を描いているのですが、グラフィック様にはクリスタ用のテンプレートがない…。psdのテンプレートをクリスタで読みこんでもトンボが表示されない。
トンボなどは自身で設定すれば問題ないのですが、初めてなのでできるだけ手間を減らしたかった…ということで他の印刷所について調べることに。

次に多かったのが関西美術印刷株式会社様(通称:kanbi)。
印刷がとてもきれいで魅力的だったのですが、基本的に対応しているのがオフセット印刷。発行予定の部数が少ない私はオンデマンド印刷になるのですが、オンデマンド印刷だと表紙のPP加工ができません。
初めての同人誌はずっと持っていたい=摩擦や傷を保護できるPP加工がしたかったため、今回は見送らせていただきました。

そして STARBOOKS 様。今回発注させていただいた印刷所です。
私が今回STARBOOKS様に決めた理由は大きく分けて3つほどあります。

  1. まず大きな魅力に感じたのが、マニュアルがかなり丁寧に記載されていること。特にクリスタ向けのマニュアルもあるのが大変ありがたかったです。

  2. 次に、選べる紙の種類や箔の種類が豊富であったこと。初めての本ということで表紙にはこだわりたかったので、選べる紙の種類が多いことはとてもうれしい!今回は予算の都合で箔押しは諦めましたが、箔の種類も豊富なのでいつか箔押し加工もしてみたいなと思っています。

  3. そして、RGB再現性入稿が存在すること。普段描いているイラストはRGBなのですが、印刷するときは基本的にCMYKにする必要があります。しかし、RGBからCMYKに変換すると色味が変わってしまい、その色味を元のRGBに近づけるのにはかなり苦労します。上述の通り、今回はできるだけ手間を減らしたかったので、RGBのまま入稿できるRGB再現性重視の印刷はとてもありがたかったです。

以上の理由で、今回はSTARBOOKS様に印刷をお願いすることにしました。

今回は時間の関係でその他の印刷所様を吟味する時間がなかったので、他の印刷所様についてこれ以上記載することはできなくて申し訳ないです…。


これで印刷をお願いする印刷所も決まったのですが、あの 部数問題 が立ちはだかりました。

立ちはだかる部数問題

さて、同人誌即売会が近づく度によく話題に上がる部数問題。
私も例に漏れず非常に悩まされました。なにせ、初参加な上に知り合いに同人誌即売会の参加経験者もいない…。

ネットで色々と調べてみると…フォロワー数から考える(フォロワーの1/10程度は売れる可能性がある)や、アンケートを実施する、初参加は20冊でも多い…などなど様々な意見が出てきました。

まず、私のフォロワーから考えてみると…
当時(12月頭頃)のフォロワーは50人ほど。1/10となると5部は売れる可能性があるということになります。
次にアンケート…はおそらく私のフォロワー数の場合、フォロワーの1/10と同じ数程度しかアンケートの回答はないだろうと判断して行いませんでした。

しかし5部だとあまりに単価が高くなってしまう。もう少し刷りたいけど、なにか他の判断基準はないかな…などと思っていたところ、なんとあるじゃないですか!初参加のときだけ有用そうな判断基準が!!

そう。Circle.msさん(コミケの応募やWebカタログなどで利用する同人ポータルサイト)のサークルお気に入り数です!

これは、サークル側のみが自身のサークルのWebカタログの編集画面で確認できるものです。お気に入りを外されない限りは次以降のイベントにも引き継がれてしまうので、何回もサークル参加されているサークルさんではあまり有用な情報ではなくなってしまうのですが、初参加では話は別!今回のイベントで興味を持ってくださった方の数が反映されるのです。

さぁ、ではこのとき(12月頭頃)のお気に入り数はいくつだったのかというと…

9人!

ありがたいことに9人もの方にお気に入り登録していただいていました。

調べたところ初回ならお気に入り数の半分は売れている方が多く、これはまだ表紙やお品書きも公開してない時点だったので これから増えるだろう!と踏んだ私は

「10部は少なくとも売れるだろう!5部ほど知り合いに渡すとして、30部なら15部余っても自力で持って帰れるな!!」

ということで、30部 刷ることに決めました。
(なんでそんな自信があった当時の私??)

ポスター忘れるべからず

これで本の申し込みは問題ないのですが、忘れてはいけないのがポスター。何回か同人誌即売会に一般参加してきた経験からして、

ポスターの有無は会場で目に留まるか否かに雲泥の差がつく! 

ということは身に沁みるほど知っていたので、取り急ぎポスターも発注します。

STARBOOKS 様では同人誌を1種類発注すると、1枚ポスターが半額になるというキャンペーンを行っていたので、ポスターも STARBOOKS 様にお願いしました。

サイズについても悩んだのですが…ポスタースタンドが床置きだと約1万円します。さすがに今後参加するかもわからないのにポスタースタンドに1万円はかけられないな…ということで、卓上のポスタースタンドで広げられる中で最も大きいサイズであるA2で発注することにしました。

ちなみに卓上のポスタースタンドはAmazonでこちらを購入しました。卓上だと1000円で買えるので、初参加の私にはお財布的にとてもありがたかったです。


また、おまけとして名刺も作成することにしました。
これはただ私が作りたかっただけなのですが、名刺があるとなにかあったときに役立つかな、わざわざ本を開かずとも私のX(旧ツイッター)などにアクセスしてもらえるかな、とも思ったためです。

これも STARBOOKS 様にお願いすることにしました。

さぁ、作業の時間だ!

本の発注を12月2日、ポスターや名刺の発注を12月6日と、一通り頒布するものなどの発注を終え、あとは絵を描いて本の入稿データを作るのみ!

ということで、12月の頭から必死に絵を描き本のデザインを考え、入稿データを作成していきました。

12月3日にはコミティア(一次創作オンリーの同人誌イベント)に一般参加し、大好きなイラストレーターさんに冬コミの参加表明をすることで自らに発破をかけるなどして、徐々に自分を追い込んでいきました。

今まで描いたイラストはほとんどすぐ上げる(置いても1~2日くらい)タイプだったので、完成したイラストをアップできないのはかなりもどかしかったですが、時間を置いたおかげで修正点なども見つけることができ、時間を置いて見直すのも大事だな…と新たな気づきを得ることもできました。

(また、友人にイラストを見てもらって感想を直接もらい修正することもしました。友人のK君ありがとう。)

そして、デザインに関してもど素人なので少しでもいいデザインができるようにと、私が持っている同人誌のデザインを見て参考にすると同時に

こちらの本を購入し、デザインの基本から表紙のアイデアまで参考にさせていただきました。

そして、無事12月22日の午前11:00頃…。入稿することができました!🎉

締切が同日の13:00だったのでギリギリではあったのですが、なんとか終わらせる事ができホッとしました。
(当日、入稿できたあまりの嬉しさに他のことにほとんど手が付きませんでした。笑)

変更した部数

さて、無事入稿できたわけですが…お気づきでしょうか?

タイトルでは46部となっているのに、30部しか発注してなくない? 

はい。そうです。最初は30部で発注したのですが、入稿後にサークルのお気に入り登録数を見てみると…

あれ、なんかお気に入り20人になってない?まだ表紙絵もお品書きも投稿してないよ?これ30部だと売り切れるんじゃ…
(当時、先述したお気に入り数の半分という目安は忘れ、お気に入り数は売れるんじゃないかと勘違いしてました。)

と思い、入稿後急遽 STARBOOKS 様に電話をしました。

私:
「すみません。先程入稿したのですが、部数の変更は可能でしょうか…?」

STARBOOKS 様:
「まだデータチェック段階なので可能です。何部に変更されますか?」

私:
「ななじゅ…50部でお願いします!(日和った)」

ということで、 STARBOOKS様のご厚意により部数変更させていただきました。
(基本は入稿後の部数・仕様変更は受け付けていないので、あまりやらないようにしてください。この度は本当にありがとうございました。)

このように勢いで約50部頒布することが決定しました。

宣伝してみる

さて、勢いで50部頒布することが決定したのですが…電話を終えた後

「あれ???なんで自分は50部も発注したんだ…?このフォロワー数で50部も捌けるはずなくない??」

と我にもどり、焦り始めました。さぁ、ではできるだけ売るためにはどうすればいいか…?可能な限り宣伝するしかありません!

ということで、まずは表紙イラストをX(旧Twitter)とpixivに投稿。

そして、翌日にはお品書きの作成にとりかかります。

これまた初めてのお品書き作成だったのですが、ツイッターで検索をかけて個人的に魅力に感じたお品書きを参考にしながら作成します。
(背景のマス目は今回の本全体のデザインだったためそのまま採用)

お品書きを作成する中でお品書きが新刊のみだと寂しいなと感じたため、作るか迷っていたアクリルスタンドの頒布を急遽決意。また、直筆色紙も描いてみることに決めました。

お品書き作成後はX(旧Twitter)、pixivだけでなく、コミケのWebカタログにもお品書きと頒布物(新刊)の情報を登録。私の場合はフォロワー数よりお気に入り数が重要だと感じていたので、きちんとWebカタログの方も更新することを心がけました。

作成したお品書き


アクリルスタンドですが、如何せん時期も時期だったためほとんどの印刷所が受注を締め切っていました。
なので、必死に探したところ発見した、納期がとても短い上に値段も比較的安めで小ロットから作成可能なビジプリ様にお願いしました。


更にこのときは年末。よくある #今年も残りわずかなので~ などのタグが流行り始める時期です。
普段はあまりそのようなタグの投稿はしないのですが、少しでも目についてもらいたい!ということで、タグを使った投稿も行いました。


そして、できるだけ毎日つぶやくことを心がけ、アクリルスタンドが届いたらその報告を、完成した色紙の写真や名札の写真など、コミケの用意をしている様子をつぶやくなどしました。また、1日に1~2回表紙イラストやお品書きの投稿をリポストするようにしました。

…とまぁ大袈裟に書いたものの、よく大手の方などが行っている宣伝方法をそのまま参考にして行ってみたというのが本音です。

当日に向けた用意

そしてこれらの作業と同時並行して行っていた、当日の用意。
様々なサイトを参考にしながら、冬コミに必要なものを買い揃えました。

当日のディスプレイはとても重要だと思っていたので、ディスプレイ用の道具は比較的吟味して選びました。

私が今回のイベントに向けて用意したものは以下です。

  • 敷布(ユザワヤ)

  • 敷布用の滑り止め(100均、テープがあれば不要かも)

  • 卓上ポスタースタンド(Amazon)

  • コイントレー(100均)

  • ホワイトボード(100均、値札や伝言用)

  • 本用のディスプレイスタンド(100均)

  • 色紙用のディスプレイスタンド(元々所持していたもの×3)

  • お品書き用のディスプレイスタンド(100均)

  • お品書きを入れるアクリルケース(100均)

  • B5・A4のハードクリアケース(100均、本を持ち帰る用)

  • 名刺入れ(100均、自分の物用と頂いたもの用で2つ)

  • 名札ケース(100均、売り子用と自分用で2つ)

  • コインケース(100均、100円玉と500円玉を収納)

  • 大きめの付箋(100均、なにかと便利)

  • ボールペン・マジックペン(100均)

  • ガムテープ(100均)

  • 段ボール用カッター「ダンちゃん」(Amazon)

  • お札を入れるポーチ(元々所持していたもの、缶ケースなどのほうが良いと思う)

  • ホッカイロ(ドラッグストア、今回は出番はなかった)

この他、当日必要な飲み物や食べ物などは会場に向かう途中で購入しました。

また、売り子について。
今回は当選した段階で友人に呼びかけたところ、奇跡的に一緒に参加してくれる方が見つかったのでその方にお手伝いしてもらうことにしました。

そして、入稿後は興奮と不安のあまりyoutubeやnoteなどのサークル参加の動画・記事を片っ端から視聴し、1日目となる12月30日には下見も兼ねて午後入場で一般参加してきました。

いざ当日!

さぁ、いよいよやってきた冬コミ当日の12月31日。

今回のサークル入場開始時間は8:00~9:30だったので、余裕を持って7:50にゆりかもめの東京ビッグサイト駅に集合。
出発前に入念に忘れ物チェックはしたかいもあり、問題なくサークルチケットをリストバンドと交換して入場。

無事今回私がサークル参加するスペースにたどり着きました。
ちなみに場所は無名の初参加者なので当然島中です。

私のスペースの到着時の様子

事前に調べていた通り、机の上には椅子1脚と沢山のチラシ・そして見本誌を入れる封筒が用意されていました。
そして、今回 STARBOOKS 様に発注したものは直接搬入にしていたため、段ボール箱に入った形で机の下に納品されていました。

早めに入場したこともあり、会場はガラガラ。両隣のサークルさんが来る前だったので、隣のスペースもお借りして設営を進めていきました。

設営中まず感じたことは、50部って意外と多いんだなということ。
少し厚めの紙に印刷したというのもありましたがかなりの分厚さでびっくりしました。ちなみに予部として3部ほど追加で印刷されていました。

53部の本文24pイラスト本

そして、やはり卓上にポスターを置くとかなり邪魔になるということ。
事前に調べてわかってはいたのですが、なるほどこれではスペースの約半分は使い物にならず、売り子と2人体制での頒布はできないなと思いました。(私くらいの小規模サークルだと2列で対応する必要はないので、無駄な懸念ではあるのですが)

そんなこんなで設営完了。私が少しのんびり設営していたのもあり、気づけば時間は9:00になっていました。

そして設営後はお隣のサークルの方とお話したり、緊張でひたすらX(旧Twitter)を眺めていたりしました。もちろんお隣のサークルさんがいらした際には挨拶は忘れないよう心がけました。

ちなみに、今回のサークル参加で知って驚いたのですが、開場前に会場を練り歩いて、事前に「ここを購入しようかな…」とチェックされている方々をかなり見かけました。(おそらく他のサークル参加者さんかな?)

そのような方の目にも留まって頂くためにも早めの設営は大事かもしれないと思いました。(実際に開場前にチェックした上で開場後に買いに来てくださった方が何人かいらっしゃいました)

そして、10:30。放送・拍手とともにC103の2日目が開場しました! 

最初の30分間はアーリー組の方の入場時間なので、まぁ売れないだろうなと踏んでいたのですが…

なんと最初の購入者の方は10:33に購入してくださいました!!

その方は立ち読みをして購入してくださったのですが、初めての立ち読みでドキドキしすぎて私の目はあちこち泳ぎっぱなしでした笑。購入してくださったときはとても嬉しかったです。

その後もぞくぞくと買いに来てくださりました。途中までではあるのですが下に私がメモしていたタイムスタンプを掲載します。

10:33 -1部(立ち読み購入)
10:38 -1部
10:41 -1部・色紙(金髪ちゃん) (開場前にチェックしてくださった方)
10:42 -1部・アクスタ・色紙(マフラーちゃん)
10:44 -2部
10:44 -1部
10:46 -1部
10:50 -1部・アクスタ・色紙(ネコ耳ちゃん)
10:52 -1部                                        
10:56 -1部
10:57 -1部
11:02 -1部(事前にチェックしてくださっていた方)
11:07 -1部(知人)
11:12 -2部
11:21 -1部(立ち読み購入)
11:24 -1部(立ち読み購入)
11:24 -1部(立ち読み購入)
11:26 -1部
11:26 -1部
11:36 -1部(事前にチェックしてくださっていた方)
11:36 -1部(立ち読み購入)
11:46 -1部(新刊交換)
11:49 -1部
11:51 -1部
11:55 -1部
11:56 -1部(立ち読み購入)
12:03 -1部(知人)
12:07 -1部
12:14 -1部
12:19 -1部
12:35 -1部(売り子してくれた方の知人)
12:40 -1部
12:44 -1部(立ち読み購入)
12:54 -1部


新刊の残部数の時間変化

開場直後からほぼ一定のペースで購入してくださる方がおり、アーリー入場が始まった10~20分後と、午前入場が始まった20~30分後に特に手にとって頂けていました。

これは予想でしかないのですが、目的のサークル様へ向かうがてら通路を通る方に手に取って頂けたことが多かったのかもしれません。

また、想像以上に立ち読み購入をしてくださる方が多くいらっしゃいました。

そんなこんなで頒布していると、13:30過ぎ…
なんと見本用で置いていた本以外が売れてしまいました…!

その後見本用の本もお隣のサークルさんが撤収時に購入してくださり、無事14:00過ぎには頒布用の 新刊46部 を完売することができました…!
(残りの6部は元々売る予定だった知人用や自分用として持ち帰りました。)

そして、6個のみ用意したアクスタも15:00前に完売しました。
ちなみに、ポスターは会場で見つけてくださった方が

「ポスターください!!」

と仰ってくださり、サインも入れてお渡しすることになりました。まさか自分がサインを書くとは思っていなかったのですが、前日必死にサインを考えて練習したかいがあったなぁと思いました。


ということで… 閉場1時間前に頒布する物が名刺以外なくなってしまいました…。
嬉しさ反面、新刊を手にとってもらえる機会がなくなってしまったことに寂しさも覚えました。

その後、名刺のみ置いてスペースに居たのですが、名刺のみもらってくださる方も何名かいらっしゃり、もっと刷っていれば…と思いながら閉場の16:00を迎えることとなりました。

閉場(16:00)の様子。初めてこの時間まで居たので新鮮な光景でした。


収支報告

おかげさまで完売させて頂いた今回のC103。
さて、収支は一体どうだったのでしょうか。

  • 収益

新刊(1部1000円)×46部:46,000円
アクスタ(1個1500円)×6個:9,000円
色紙(1枚3000円)×3枚:9,000円
―――――――――――――――――――――
計:64,000円 

  • 支出

新刊:58,378円
アクスタ:15,829円
色紙(2枚100円):150円
ポスター:1,750円
名刺:1,500円
サークル参加費+手数料:8,000円―――――――――――――――――――――
計:85,607円 

はい。2万円超えの赤字  です。(実際には交通費や当日用に買った物、色紙用のインク代などがあるのでさらにマイナスです。)

ちゃんと売り切ってこの赤字額なので、ほとんど売れてなかったら約8万円の赤字と考えると末恐ろしいですね…。
やはり、フルカラーイラスト本はかなり茨の道だなというのが正直な感想です。

元々原価割る値段で頒布してるのが悪いだろ!という方がいるかと思いますが、相場が大体これくらいであり、会場では500円単位のほうが圧倒的に売れやすいことを考慮するとこの価格にせざるを得ないんですよね…。

ちなみに、これは私が本の紙や印刷方法にこだわったことや、早割で1500円分までしか割引されなかったという理由もあるので、できるだけ安く済ませ、早割も最大まで利用すると新刊にかかる費用は同じ STARBOOKS 様では47,000円ほどまで抑えることができます。ここまですれば、新刊単体では元を取ることも視野に入ります。

今回は、「サークル側を体験してみたい!」という気持ちで参加した部分が強かったので、これくらいの赤字額でも少なく済んでラッキーくらいの感覚ではあるのですが、今後コンスタントに参加するとなるとこの赤字額に目を瞑ることはできないので、なんらかの改善策が必要だなと感じました。

46部完売できた理由に関する自己分析

では、なぜフォロワー2桁だった私が46部完売できたのか。
私なりに考えた理由は以下のとおりです。

◯ 目を惹く表紙イラストを描くことができたこと

まずかなり大きな理由として表紙イラストがあると思います。

自分が本を買う立場でもあったのでわかっていたのですが、同人誌即売会においては表紙やサークルカット・ポスターのイラストを見て本を手に取るかどうかを決めることがかなり多いかと思います。

特にコミケにおいては、非常に多くのサークルがあるため、ひとつひとつをじっくり見て買うものを決める時間はないことが要因の一つとして挙げられます。
また、私のようなシャイな人は立ち読みすることも苦手なので、表紙を見てそのまま買うことも少なくありません。

では、どうやって目に留まるイラストを描くか…。

今回は補色を利用してみることにしました。背景である空の青に対して、その補色にあたるオレンジをキャラクターのメインカラーに使うことでオレンジを際立たせ、遠くから見ても目立つイラストを描いてみました。

その効果なのかはわかりませんが、当日もポスターのイラストを見て目に留めてくださった方が多く居たように感じます。

C103の新刊の表紙


◯ イベントの1週間前にはお品書きなどを掲載していたこと

次に考えられるのが、お品書きや表紙イラストの掲載です。

部数変更の章で述べた通り、入稿のタイミングでのお気に入り登録者数は20人でした。しかし、冬コミ当日にお気に入り登録者数を確認すると…

なんと40人を超える方にお気に入り登録して頂いていました。

では、なぜお気に入り登録者数が1週間ほどの間にこれほど増えたのか。
これは、Webカタログを見る人がイベントが近くなるに連れて増加したからだと思います。

今回の場合土日開催となったわけですが、その1週間前…23日を過ぎたあたりからお気に入り登録者数が明らかに増大しました。

私自身もコミケのWebカタログをきちんと見るのは直前になってからです。そのタイミングでお品書きや頒布物情報があると、お気に入り登録される可能性は高まるのかなと思います。


◯ 本の装丁にこだわったこと

これは手伝いをしてくれた友人が呟いていてなるほどな。と思ったことなのですが…本の装丁がおしゃれだったり、豪華だったりする方が手に取ってもらいやすいなということ。

装丁がおしゃれだとそれだけで読者の満足感は高まります。実際に大手のイラストレーターさん方の本は、デザインをデザイナーさんに依頼されていたり、箔押しなどを利用していたりと装丁や本のデザインに凝っているものが多い印象を受けます。また、特殊装丁の本はそれだけで手にとってもらいやすいです。

小規模のサークルではなかなか難しいかもしれませんが、デザインの本などを買ってある程度デザインを勉強してみるや、特殊紙や箔押しを採用して本の見た目を豪華にしてみるということを行うだけでも手にとってもらえる可能性が高まると思います。

表紙にパルルックシュガーを使用しているためキラキラ輝いています。


◯ できるだけ購入しやすい雰囲気でスペースに居ること

今回、売り子として手伝ってくれた友達は実質的には買い子として行動してもらうことになりました。
そのため、新刊が完売するまでのほとんどの時間は私が一人でスペースに居て頒布を行っていました。

買い物を済ませた友達が戻ってきてからは一緒に話していることが多かったのですが、そのように友人と話している間は売れ行きが少し悪くなったなという印象を受けました。
(友人は後ろに椅子を置き座っていたため、私は半ば後ろを向いた状態で会話していました)

想定以上に売れていたためお渡し分や新刊交換分が無くなるんじゃないかと私がソワソワしている空気が滲み出ていた、という可能性も大いにあるのですが…

ともかく、どちらにせよ買い手からするとあまり手に取ったり声をかけたりしやすい雰囲気ではありません。

一方で手に取って頂くことが多かった時間帯は、頒布履歴のメモをするとき以外はあまりスマホはいじらず、興味を示す方がいらした場合にはすぐ立ち上がり対応するということを心がけてもいました。

私が買い手側だった場合にも、こちらに目線を向けていてくださったり、売り手側から声をかけてくださったりする方が、手に取ったり「新刊見てもいいですか?」と伺ったりすることが多かったように感じます。

他にも、手に取りやすいように見本用の本を用意する、値段がわかりやすいようにホワイトボードに大きめの文字で書くなどいくつかディスプレイの際にも手に取りやすさを意識しました。

これが功を奏したのかは分かりませんが、実際に立ち読みしてくださる方は多く、立ち読みしてくださった方は立ち読み後に購入してくださった方の倍の人数いらっしゃいました。


◯ その他

大きな理由としては以上のことが考えられるのですが、その他の理由としていくつか考えられたことがあったのでここに記載しておきます。

  • フォロワーの多い方にお品書きをリポストし頂けたこと

今回、私の大好きなイラストレーターさんにたまたまお品書きをリポストして頂けたのですが…

リポストして頂いた後のインプレッション数があからさまに増加しました。
普段の投稿の閲覧数が数100程度なのに対して、今回のお品書きは7000ほどの閲覧数を頂きました。

そもそも見て頂く機会が無いとどうしょうもないので、当たり前ではありますがフォロワー数が多いことはそのような意味ではとても大事だなと痛感しました。

  • イベントが近くなったタイミングで他のサークル参加の方や、創作されている方との繋がりができたこと

実は、今回他のサークルさんや他の企画でご一緒になった方々数名に新刊交換や購入して頂けていました。

その方々とはコミケ参加決定後に交流するようになったのですが、お品書きのリポストなどもして頂けました。これにより、先述同様見て頂く機会の増加にも繋がったのではないでしょうか。

  • 色紙を描き投稿したこと

今回、色紙を3枚ほど描いて頒布したのですが…なんと、色紙を見たことがスペースに立ち寄るきっかけとなった方がいらっしゃいました。

普段デジタルでイラストを描いているためアナログにはあまり自信は無かったのですが、それでも目に留めて頂けたことはとてもありがたいことです。

目を惹けるような色紙を描いて頒布するということも、自分の作品を手にとって頂くきっかけになるのかもしれません。


◎ 自己分析まとめ

以上のように自己分析をしてみて思ったのは、できるだけ多く手にとって頂くには

  1. 事前の告知をしっかりと行う

  2. 当日できるだけ目を惹く工夫をする

  3. 手に取りやすいスペース作りをする

ということが大事だなということです。

これはよく言われていることではあったのですが、自分自身が体験してみて改めてそのように感じました。


総括・今後に向けて

さて、ここまでつらつらとC103参加までの道のりや、分析などを書いてきたのですが…

実物で自分の作品を作ってそれを実際に手にとってもらえるの、凄い楽しいよ!!

これが言いたかった、ただそれだけです。

正直この経験はお金では買えないなというありきたりな感想になってしまうのですが、実際そうであるわけで。

あなたがもし、同人誌即売会への参加を悩んでいるのであれば、ある程度の赤字には目を瞑り一度飛び込んでみることが大事だと思います。

その上でいかに手に取って貰えるかはまた別の話にはなるのですが…。


では、今回参加してみてこうすればよかったなと思うことがあったので、ここに記していこうと思います。

  • ポスターはより大きい方がいい!ポスタースタンドは床置きの方がいい!

今回は予算の関係で、卓上にA2のポスターを設置したのですが…
周囲のサークルさんを見ると、やはり床置きのポスタースタンドを使いA1やB2サイズのところが多かった印象です。

作ってみたときは「大きくない?大丈夫?」と思うのですが、いざ会場で置いてみるとA2は意外と小さいなぁという印象を受けました。
目についてもらうことを考えるとやはり目立ちやすい大きなポスターは必要だと思います。

また、今回卓上のポスタースタンドを使用したのですが、机上のスペースが狭い上にポスター側の通路がポスターの影になってほとんど見えない!

今回は1冊だったので問題はなかったのですが、今後既刊も置くようになるとスペースが圧倒的に足りないなと感じました。また、人の流れが半分ほど見えなくなるのは、(呼び込みなどを考えると)かなりの痛手だなと思いました。

  • もっと余裕を持って同人誌の作成に取り掛かろう!

今回、実質1ヶ月ほどで本を作成したのですが…
初めてなのもありかなりバタバタな上に、結局多くのものを犠牲にすることになりました…。(お金や他のことをする時間など)

特にコミケに関しては申込み時期が早いこともあるので、当落発表の前からイラストや漫画・文章は描き進めていたほうがいいなと思いました。
もし、落選していたとしても次回に使い回すことができますし、推敲する時間が伸びたと捉えることもできるので。

  • イラスト上手くなろう…フォロワー増やそう…

今後、同人誌即売会に参加を続けるとなった場合はやはりこれはとても大事ですね。

同人誌即売会への参加を続けるのであれば、赤字を少なくしないとやっていけません。
しかし、印刷のクオリティを下げると手に取ってもらいにくくなるのも事実です。

ではどうするか?

そうです。刷る部数を増やして単価を抑えるしかありません。

そのためには前にも述べた通り、事前の周知は大事です。当日見つけていただける数には限界がありますからね。そしてそのためには日々の積み重ねがとてもものを言います。

私はあまりフォロワー数に固執するタイプではないのですが、今回冬コミに参加して「また同人誌即売会に出たい!!」という気持ちが強まったので、もう少しはSNS上でも見ていただける数を増やしていきたいなと思います。



ということで…
長々この備忘録にお付き合いいただきありがとうございました!!

普段文章を書かないためかなり読みにくいnoteとなってしまいましたがいかがだったでしょうか。
少しでも参考になっていましたら幸いです。

最後に少しばかり宣伝をさせてください。

今回のC103で頒布した本を再販することにしました!
boothの方で通販を行い、余部は今後参加するイベントに持参しようかなと考えています。
部数はしばらくboothでの注文数を見た後に決める予定です。

印刷費を抑える関係で発送は3月以降になってしまうのですが、このnoteを読んで私の作品にも興味を持って頂けた場合は、ご購入を検討して頂ければ幸いです。

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