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92歳のパリジェンヌ 尊厳死 自分らしく生きるということ

『92歳のパリジェンヌ』という映画をご存知だろうか。

この映画は、リオネル・ジョスパン、フランス元首相の母ミレイユの尊厳死を描いた実話である。
自分らしく生きるために、自らの人生を終える日を決め、実行するまでの物語だ。

日本では2016年10月に公開された。


私は、2016年7月に間質性肺炎で実母を亡くした。
「もう自分は充分生きた、延命はしない」と言い、在宅での緩和ケアを希望。
自宅で過ごしたのは2ヶ月半ほど…。
緩和ケアの医療スタッフや介護スタッフの方々に、手を合わせて「ありがとう」と言う日々…。
私達には「兄妹仲良く、夫婦仲良く」と言い続けて亡くなった。

喪失感と悲嘆のなかで、私は自分を癒すために、エリザベス・キューブラーロスの『永遠の別れ』を読んだ。
自分のためのグリーフケアをやらなきゃ…そんな悲しみの日々の中で、『92歳のパリジェンヌ』に出会った。

自然と涙が流れた。

母の希望通りにおくりだせた。
悔いはない…。
ありがとう。

そんな感情が自然と湧き上がってきた。

時を経て…
私の中に
自分らしく生きるとは?
自分らしく人生を終えるとは?
と言う疑問が生まれた。

ミレイユは、老いていく自分を見つめ自ら尊厳死を選んだ。

一方、要介護5の義父は、特養に入所。最近は、傾眠状態が続き、食事も自らあまり食べなくなってきていると聞く。
はたして義父は、どんな人生の終わりを望んでいたのだろう。

『どんな状態でも、生かされている命は、全うしなければならない』と友は言う。
『ミレイユの終わり方は、生から逃げたことになる』と。

老いていく体、思うように動けない体、情けなく辛い。大切な日々の記憶、大切な人達との記憶も消えていく。
生活の全てにおいて、誰かにお世話になり生きているのは、私は辛い。
ましてや、その介護を子らに強いたくはない。

「どんなに元気な人でも、最後は誰かに迷惑をかけて、この世を去るのよ」という、友の言葉が胸に刺さる…。

例えそうだとしても、できる限り自立して、笑って楽しく日々を紡ぎたい。
願わくば、月並みだけど、ピンピンコロリで…お願いしたい。
(これだけは、友も同意見だった。)

さて、今日も笑って楽しく…。













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