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植物ネットワーク

以前、植物を扱うお店で働いていたことがありました。花屋さんとは少し違って、主に観葉植物を取り扱っていました。私は植物が大好きなので、そのお店はとても居心地が良くて、毎日が楽しかったです。
水を遣ったり、葉を拭いたりするのも、植物の声を聞きながら、丁寧に行なっていました。

植物が買われていくときはいつも、嫁入りのように、「大切にしてもらえたら良いね、幸せになるんだよ」と心で語りかけていました。

あるとき、女性のお客さまが、「何もしなくていいヤツありますか?」と訊いてきました。「トイレに置きたいんだけど、水遣りも手入れもしなくていいヤツが欲しいんですけど」。
「そうですね…」私は一旦考えて、「ちょっとむずかしいですね」と応えました。
女性は「なんにもしたくないんですよね」と言って、お店から去って行きました。

うーん…と心の内で呟きながら私は自分の作業に戻りました。もし、あの女性に買われていっても、植物が可哀想だよね、と思いました。

考えてもご覧よ。
狭くて暗いところに置きっぱなしにされて、水ももらえず、構ってももらえず、ガン無視されたら、貴女は幸せ?健やかでいられる?貴女のパートナーにそんなふうに扱われたら、貴女はどう感じるかな?

「いかんぜよ」急に龍馬さんふうになったけど、こういう理がわからない人はけっこういます。
普通の、ほんとうに普通のことなんだけどな。

植物も、人と同じです。
人も植物も、光を浴びて、水を飲み、コミュニケーションを取って、生きています。
手入れをしてもらって、はじめて美しく咲けるのです。
何もしないで、放ったらかしで、綺麗に笑っていろ、なんてムシがよすぎるお話です。

花瓶に生けた切り花でも、同じで、綺麗だね、ありがとう、と話しかけていると、格段に長持ちします。がんばって咲いてくれます。それを見ると嬉しくて愛しくて、また、ありがとうと伝えます。良い循環が生まれます。

これは植物を育てている人ならわかると思うのですが、(植物だけではなくて、天然石も同様です)植物ネットワークと私は呼んでいるのですが、お家にいる子(植物)が心地良く暮らしていると、ネットワークを通じて、他の子を呼ぶのです。
「このお家、良いよ」と。
そうなってくると、育て主さんは、「また新しい子が欲しいな」と感じて、選ばれた子(お家に行きたがっている子)がやってくることになります。仲間が増えて植物も嬉しいし、育て主さんも嬉しい。
ほんとうの話ですよ(笑)。

今日はこの辺で。
植物と暮らしている方々が、楽しく心地良くいられますように。

読んでくださってありがとうございました。
また明日。
おやすみなさい。

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