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お墓行ってなくて

世間では3連休で、また、お盆も今週なので、まるっと一週間お休みの方もいるらしいですね。

お墓参りに、全然行ってないんですよね、私。
お墓もそうだけど、おばあちゃん家に行ってない。


おばあちゃん家は、むかしは、広い縁側のある、風通しの良い家でした。前庭は野球できるくらい広くて、お盆やお正月に来る親族の車も余裕で停められました。
田んぼと畑やってる農家さんだったので、トラクターとか農耕機が収まっているバカデカい車庫もありました。

そして北側に独立した流しがあって、そこで、おじちゃんが釣ってきた鯉や鮒を捌いているのをよく見かけました。
お魚は、頭落とされても、お口パクパク、するのです。それを見て怖くて、おじちゃんが作ってくれた『鯉こく』とか食べられませんでした。
私がいまだにお魚を捌けないのは、あの記憶が残っているからだと思います。
北側の流しの奥に、お家用の畑、そして巨大な生ゴミ捨て場。生ゴミ捨て場は定期的に場所を変えて掘り返されて、新たな養分たっぷりの土として生まれ変わります。
畑、カブトムシの幼虫が、いっぱいいたな〜。掘り起こすと出てくるの。お菓子のカールみたいな、あんくらいの大きさと形で白くて頭が赤茶っぽくて、タンパク質の塊って感じでした。

南側の縁下では、『蟻地獄釣り』をよくやりました。雑草の先端を少しクルクルと丸めて、すり鉢状の蟻地獄の淵からコソコソと砂を落としながら少しずつ中央の窪みに近づけていくと、一番底の砂のなかから、シャキーンと一対の牙が出てきます。
こちらを蟻だと勘違いして食いついて来たところを、上手く引っ掛けて釣り上げるのです。
そのまま放置しておくと、また、いつの間にか砂のなかに潜って行ってしまいました。
あの虫の大人の姿はカゲロウだと聞かされてはいたけれど、あの幼虫?の正式名称を知りません。
ずっと、蟻地獄って呼んでいました。合ってるのかな??


おばあちゃんもおじちゃんも亡くなって、後を継いだ従兄弟のお兄ちゃんが、数年前に家を建て替えました。
相当な額の遺産が転がり込んで、家を建て替えて、お兄ちゃんは得意気でした。

でも、ひと目見ただけで、死ぬほど家相が悪くて、居心地も悪くて、それっきり、私はおばあちゃん家に行っていません。
それに伴って、お墓参りもしていません。
お骨が入っているお墓は1kmくらい下ったところにあるお寺さんのなかにあります。

もうひとつ、むかし土葬していた頃の狭いお墓が、おばあちゃん家の近くにあります。
薄暗くて、土も湿って滑って、子どもの頃、転びそうになったことがあります。
うちの田舎の迷信だと思うんだけど、親戚の叔母さんに、お墓で転ぶと寿命が縮む(命を吸われる)と聞かされていて、怖々歩いていて転びかけたのです。幸い、その叔母さんに腕を掴んでもらえて、私は転ばずに済んだけど、すごく怖くて泣きそうになったのを憶えています。

お寺のお墓も、土葬のお墓も、ご先祖さまと無縁さん(無縁仏さま)にお線香を上げて、お米を撒いて、水をかけて、お参りしていました。


もう、たぶん、10年くらい、行ってません。
少し、申し訳ないなって思うんだけど、私はもう行くことはないんだろうな、と感じています。

行きたくなったら、勝手に身体が動いて、行くと思うんだ。

行ってないからって、ご先祖さまをないがしろにしている訳ではないから、愛と感謝はここにあるから、ちゃんと伝わる。
私が懐かしむことで、おばあちゃんもおじちゃんも、繋がってくれる。それが分かる。

いつでも見てくれてるし、いつでも守ってくれてる。
ありがとうね。

今年のお盆も、こんな感じで過ぎて行きそうです。
私は東京の片隅で、祈るから。


読んでくださって、ありがとうございました。
また明日。
おやすみなさい。

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