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起業家 家入一真氏 日経新聞2/4より

家入氏とは、会ったことはないことはない。でも名前は聞いたことはある。以下、日経新聞「私見卓見」に投稿されていた。スタートアップの経営者としては、理解できる。失敗したので、自殺するのは悲しい。私自身、大企業での勤務を経験しているので、安泰という意味では、辞めずにいたほうがいいのであろう。ケアする受け皿も重要であると考える一方で、どこかに、めげて諦めてはいないか?と。問いたい。

日本電産の永守さんの有名な話「1978年、日本電産が倒産危機に陥った時、「困ったときの神頼み」で京都の九頭竜大社の神主に鑑定を受けると、運命は来年の節分に変わるから経営を継続するようにと助言された。翌年の節分に、IBMからの大量注文が入り、倒産の危機を乗り越えて急成長していった、」

要は、運だと思う。まさに、IBMからの大量受注。運であろう。その運が来るまで(つかむまで)、めげずに、諦めずに頑張ること。どこかで、駄目とかそういう気持ちがあると、うまくいかないし、良い話も来ないと思う。私は、今、その運を待っている。というか、準備して待っている。もちろん、ただ待っているだけでは駄目。一生懸命、目の前の仕事をこなして、妥協や適当、雑にすることは許されない。と思って、毎日仕事をしている。

以下、家入氏の記事。

日本の開業率は4~5%台、廃業率も3%台と、米欧の10%台と比べて低い。政府は2018年に閣議決定した成長戦略で23年までに、企業価値10億ドル(約1040億円)以上の未上場の「ユニコーン」など有望な新興企業を20社つくる目標を掲げた。起業の裾野が広がる側面はあるが、失敗時の精神面の受け皿も必要だ。


私がCAMPFIRE(キャンプファイヤー)というクラウドファンディングの企業を設立して1年後の12年ごろ、慕ってくれていた後輩の起業家が自ら死を選んだ。彼は一度創業した会社を大企業に売却し、次の事業に挑戦していたが、周りの期待が大きいなかで挫折して心を病んでいった。

「起業家は強くあるべきだ」というのはもっともだが、いつしか「強くて当然」という議論にすり替わってしまった。起業には、調達した資金が尽きたり、従業員が一気に辞めたりと苦労が尽きない。死を選んだ彼も心のケアを早めにすれば救えたかもしれない。挑戦ばかりを促し、日本では挑戦が少ないと嘆くのは筋違いだ。

投資家にも責任がある。株式上場などでリターンを狙うのは当然だが、起業家の心が折れて事業の継続も難しくなったのに廃業を許さないという投資家も多い。

生態系は新陳代謝を繰り返して大きくなる。企業も同じで、倒産も当たり前にできる社会にしていくべきだ。私は「NOW」というベンチャーファンドを運営する一方、起業家のメンタルヘルスケアの事業も立ち上げた。起業家が失敗した時の「受け皿」を、官民でつくり上げる必要がある。

一度起業した人材を重宝し、行政で活用できる局面もあるのではないか。起業を経験すると、組織づくりと資金繰りというビジネスに欠かせない両輪の感覚が身につく。行政には経営的な視点が欠けていることも多く、人材交流を進めるのも一つの手だ。

私自身は10社以上の創業に携わってきた。若く小さな企業は実験と検証を高速で繰り返し、社会に変革を起こす。少子高齢化で政府の財源が減っていく中で、民間の新陳代謝を高めることは欠かせない。失敗した起業家をケアすることで企業の新陳代謝が進み、日本経済の成長力も上がるだろう。

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