Life

 ぼくたちは観覧車に乗っていたはずなのだが、窓にうつるのは地面と空。空といっても、そのほとんどが大きな黄色い布に覆われている。布には「1」と書かれている。裏返しだ。

 何分かに一度、観覧車は何者かの手により高速で回転する。何度か嘔吐したが、もう何もでない。ゆっくりとした回転になり観覧車が静止する。空側に、白い棒が現れたことが何度かあった。白い棒が現れると、遠くから「なんだよ」とか「ふざけんなよ」と声が聞こえる。

 数時間もの間、私たちは高速回転と静止を繰り返した。同行者はぐったりとして顔をあげられていない。生きているのかもわからない。こんなところで終わってしまうのか、ぼくたちは。
 するとふたたび、遠くから大きな声が。
 「あがり!」

(了)

雨、やむといいですね。

それではまた。

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