慌ただしい習字

「せんせーこんにちはー!」
扉を開けるとカランコロンと鈴が鳴る。靴を脱ぎ捨て和室へ向かう。
「こんにちは!」
「はい、いらっしゃい。」
一目散に自分の定位置に座り、テーブルを前に正座をする。習字用の鞄から無地の半紙を取り出すが、3分の1は破けてしまった。気にせず文鎮で留め置き、墨汁を硯にドバっと入れ、筆をぬぅっと墨に浸す。硯の手前で2回ほど墨を落としたらすぐに半紙へ向かい、大きく大きく書いた文字は「うがい」。

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