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手を動かさなかった人の成れの果て

私は実験が好きではないです。大学では化学を専攻し、現在は化学メーカーでは開発職に就かせていただいていますが、9割のめんどくささと1割の知的好奇心でなんとかやっております。実験なんてやらなくていいならやりたくない!

机上の空論ばかりで、手を動かすことが昔から少なかったです。大学の研究室時代から、いかに最小限のデータ量で定例の報告会を乗り切るかを考えていました。それにもかかわらずメーカーの、しかも開発職に就職したのはやはりホワイトそうだったから。

最近、上司に「お前実験少なくねえ?」と指摘されるようになってしまいました。たしかに少ないから、ごもっともなのです。実験量は同僚の半分くらいだと思います。大学時代から変わっちゃいない。それで成果は出ているかと言われるとこれがパッとしないんだからどうしようもない。取り柄もなければやる気もない。ダメッ・・・!ダメ人間ッ・・・!

裏の世界でプロ雀士にでもなれれば良かったのですが、勝負師としての素養がない絶望的にない私はサラリーマンとして生きていく他ないのです。せめて窓際社員にはならないために、最近は少し真面目に実験に取り組むようになりました。

実験を避けるために無意識に「考えている時間」が増えてしまっていたので、意識的に実験前の「考えている時間」を減らしました。あれをあーして、こうして…と考える前にとりあえずやってみる。失敗してもいいから。遠回りになってもいいから。

そうすると思いもよらない結果になることが多々ありました。机上はあくまで机上だったと気付きました。このとき感じたのが、パソコンの前でうんうん考えるなんてムダということ。なぜなら、現実世界は想像を超えるアウトプットをしてくれるから。

ある疑問に対して自分で出せる答えは、これまでの経験とネットで得られた情報の合作でしかない。現実はときに想像だにしない回答をしてくれることがある。自分のちっぽけさとショボさに愕然とする。


私はスマブラが昔から大好きで、未だに学生時代の友人と会う度にスマブラを楽しむほどです。最新作である「スマブラSP」の発売から既に3年半も経っていますが毎月毎週と全国各地で大会が開催されており、YouTubeで上位プレイヤーの試合を禿げ上がるくらい拝むことができます。しかし上位勢の試合を100本見て分析や考察を1000時間やろうと、それだけで自分が上位勢に仲間入りするでしょうか。いや、そんなわけがない。

コントローラーを握らなければわからないことが山ほどあります。簡単にやっているようで、実際やってみるとまるで不可能。別のゲームをやっているんじゃないかと思うほどに上位勢は次元が違うと気付かされる。


手を動かさなければわかったつもりのネット弁慶になるだけ。プレイヤーをディスり愉悦に浸り、コメント欄でレスバトルし続けるだけの人生になる。
それだけはいやだから、このnoteで改めて反省しておきたいのであります。若輩者ながら、手を動かしてなんぼの「人生」かと思います。










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