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研究。

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詩論を中心に独学おじさんの考察あれこれ。
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#時間

時間による支配から人類を解放するための第一試論:ダダイスト新吉の詩を例に。

『ダダイスト新吉の詩』と〈時間〉についての考察    2019.7.7  こががっこ 私が古書店で『ダダイスト新吉の詩』をみつけて購入したのは2018年12月4日の事である。前日の3日に49歳になった自分にじぶんでプレゼントをしたのだ。49を「詩句」と読み替えて勝手にしくしくと騒いでいた。が。この詩集が手元に来てから私の思考は狂い始めた。おそらく。 詩集を通読してみた。解読できなかった。それは特段めずらしい事ではない。他にも理解不能な詩集はたくさんある。そもそも詩人の言葉

アンチクロノス  時間を哲学する その1

◇アンチクロノス この論考の目的:1)デカルトのコギトエルゴスム(「わたしは考える。ゆえにわたしは存在する」)に新しい光を当てデカルト再読のキッカケを提供する。2)近代的な時間概念を「ふりだし」に戻して相対化する。そしてそこから再発見できるものがあるかどうかを確認する。3)プラトンのイデア論を再利用しながら形而上学を再構築する。4)意味不明なもの。辻褄の合わない話。ナンセンス。ダダ。難解と思われている詩的言語行為。それらに理解の余地をつくる。輪郭だけでも。 1. デカルト

アンチクロノス  時間を哲学する その2

その2 アンチ(反)とクロノス(時を司る神)を組み合わせた造語「アンチクロノス」という表題のもと私は探究を続けている。時間を止めてみたいという強い願望が私にはある。そして時間をじっくり観察しそれが一体何なのかを見極めたい。SFにはたくさん時間を止める話が出て来るのだがこれまでの歴史で実際にそれを成し遂げた者はおそらく存在しない。万が一いたとしても私はそれに気が付かない。そして誰も気が付かない。時間は「時間を止めた者」だけにしか「時間が止まっていること」がわからないという性質を