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Raphaël Varane

                  ぼー

 2011年、18歳の若者は決断を迫られていた。自分の将来に係わるものだった。どちらのクラブに移籍するか。白い巨人か、赤い悪魔か。レアル・マドリ―か、マンチェスター・ユナイテッドか。彼は前者を選んだ。10年契約という異例の長さでマドリ―ドに降り立った。
 それから10年。時は2021年。28歳になった男は移籍を決断する。10年間であらゆるタイトルを取り、『優勝請負人』という誉れ高き称号で愛され、幾度かの契約更新も経て、である。
 行き先は10年前に最後まで悩んだ2クラブでいかなかった方であった。彼の実直さ、義理堅さが出ているような選択であった。行き先となった赤い悪魔は2011年以降、正確にはサー・アレックス・ファーガソンが勇退して以降、転換期を迎え、低迷していた。正直、28歳の脂がのった世界最高峰のセンターバックの次のクラブとしては、ありえないといっても過言ではない選択であった。
 お披露目されたプレミアリーグ開幕戦、当然、夢の劇場からは大歓迎を受けた。2021年8月14日だった。この日はサポーターへの紹介に留まったが、このシーズンは当然のように定位置を掴み、早くも必要不可欠な存在となった。ただ高額な年俸をもらいにスペインから移ってきたわけではないと証明したのだった。

Stretford Endと自撮り

 迎えた2022/23シーズンはさらなる進化を見せることとなった。この夏に加入したリサンドロ・マルティネスと安定感抜群のコンビを組むこととなったのだ。個人としては、具体例を挙げると、RCBとしてRBに対する列上げサポートを習得するなど進化を続けた。そして、チームに6年ぶりのタイトルとなるリーグ・カップを齎した。

Carabao Cupを掲げるVarane

 2023/24シーズンはさらなる高みへと躍進が期待された年だったが、チームもヴァラン個人も不本意な1年を過ごした。彼はこのシーズン中にクラブと契約延長交渉を行っていたが、上手くいかず、今シーズン限りでの退団を発表した。

退団発表後シーズンホーム最終戦でStretford Endと自撮りするVarane(OTお披露目時のオマージュ)


しかしながら、シーズン最終戦となったFAカップ決勝で、同じ街のライバルで昨年のFA杯決勝で苦杯を舐めたマンチェスター・シティに勝ち、カップを持ち帰ることに大きく貢献した。

怪我で今季苦しんだが、決勝ではさすがのパフォーマンスでカップを掲げた
リチャとのコンビは傑出していた
今回のFA杯優勝もこのコンビが揃ったからこそ


ありがとうRaphaël Varane!!
Once a Red,Always a Red!!

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