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笑顔ばかり

精神科医の河合隼雄さんによれば、本当のところ、アメリカ人は日本人よりもうつ病患者が多いだろうとのこと。

というのも、日本人は「あきまへんわ」と言うことができるが、アメリカ人はいつも元気でパワフルでいなければならないから。

世間的には、病院に行って「うつ病」と診断されて初めて、その人はうつ病ということになります。統計上うつ病患者が増えているのは、精神科や心療内科へ行くことのハードルが下がったからという見方もあります。相当ひどい状態であっても、当たり前ですが、病院に行かなければ「うつ病」と診断されません。がまん強いがゆえに病院に行っていないだけという人もいるでしょう。

陽気、陰気、といった場合多くは、陽気はいいもので陰気はわるいもの、そのように捉えられます。しかし東洋医学ではどちらも大切。陽の気も、陰の気も、人間が生きていく上で欠かせないものです。

感情でいえば、陽は喜びであり、陰は悲しみであり憂いです。喜びが多いことは正に喜ばしいことです。しかし喜びだけなんてことはありえないし、またそれを望もうとも思いません。

喜びにも悲しみにも、目を向けてあげたい。
悲しみは喜び以上に抱きしめてあげたい。
喜びも悲しみも愛しい存在であり、喜びも悲しみもその人の一部です。

「すっかりよくなりました、こんなに元気になりました」、と笑顔でピース。しかし、笑顔の陰には悲しみや憂い、怒りだってあるはずです。人間である以上、笑顔だけなんてことはあるわけがありません。

殊更に悲しむことも、それを大げさに言う必要もないけれど、笑顔ばかり、ピースばかりというのは、なんか不自然だと思うのです。

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