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心はなぜ腰痛を選ぶのか

ニューヨーク医科大学臨床リハビリテーション医学科教授であるジョン・E・サーノ博士が書いた「心はなぜ腰痛を選ぶのか」という本があります。

「心はなぜ腰痛を選ぶのか」の答えは、①腰痛は命にかかわる病気ではない、②みんなが信用してくれる、だそうです。もちろん仮病を装っているわけではありません。患者さんは物凄い痛みに苦しんでいます。

椎間板ヘルニアや椎間関節の炎症、脊柱管狭窄症などの多くは腰痛の原因ではなく、椎間板ヘルニアなどの器質的要因があっても、腰痛がない人は全く珍しくない。また、ヘルニアがあるままで腰痛がなくなっていく症例が多数あることをみても、それはあきらかである、とサーノ博士はいいます。

※腰痛患者109名を追跡調査したところ、特に何もしていないのに1~3年後に98名(88%)は改善。残り11名もある程度改善。まったく変化がなかったのは2名だけ。

痛みの正体は、無意識下で抑圧された積もりに積もった「怒り」である。つまり痛みは脳がつくりだす。心(脳)は、注意を心から身体にそらし、抑圧された無意識下の感情と向き合うことを避けようとする。

このことが理解できれば、その人は痛みから解放される、と。

※本書には多くの症例が記載されています。

身体への治療により楽になるのは一時的なものである。身体への治療は患者の注意を身体に集中させてしまうことがあって、治療によって得られる利益より、マイナスの面の方がはるかに大きい、ともサーノ博士は述べています。

つまり、人によっては治療を止めることで良くなる。もし、このことが本当なら、世の中の治療家とよばれる人は、存在価値がないのかもしれません。

もしくは、こんなに調子が悪いのにがんばっている自分には、癒しや治療が必要なんだ、と深層心理では治りたくないのかもしれない。

脳(心)は無難?な、腰痛を選びますが、選ばれるのは腰痛だけではなく、
心身症として認められている神経性胃炎や過敏性腸症候群はもとより、
膝痛、肩痛、シンスプリント(脛の痛み)、尾骨痛、緊張性頭痛、片頭痛、レイノー現象、皮膚疾患、免疫疾患、頻尿、心機能障害、めまい、耳鳴り、痙攣様発声障害、自己免疫疾患、心血管疾患の多くは心因性疾患であるとのこと。

自分(上田)の経験から言えば、痛みの原因は抑圧された怒りである、ということを伝えて、立ちどころによくなる人もいれば、すぐにはピンと来ない(痛みが取れない)人もいます。

また、治療を終えた後は、ずいぶんと良くなりました、という人が少なくないことからも、やはり治療(それと、自分でできる体操)は続けてほしいと思います。

まずは、検査によって癌などを除外した後は、腰痛や体調不良の正体は怒りである可能性がとても高い(少なくと統計上は)ということを、しっかりと理解して、一時的ではあったにせよ痛みを楽にするということを重ねていけば、遠くない将来、明るい未来が待っています。


心はなぜ腰痛を選ぶのか

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