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痛みくんこんにちは

痛みとは本来、体の不調を教えてくれるものですから、不調をそのままに痛みだけをなくすのは、好ましくない場合もあります。

筋肉しても、内臓にしても、そこが悪いとき、炎症を起こしているときに、筋性防御(スパズム)といって、その部位の筋肉がけいれんを起こし、その部位が固くなります。これは当該箇所を守ろうとするために生体に備わった機能です。

例えば、筋肉の微小断裂によるぎっくり腰の際、微小断裂はそのままで、起きている筋性防御だけが完全になくなってしまったら、損傷箇所の筋線維にさらなる強い負荷が掛かってしまい、その後痛みはひどくなる可能性があります。つまり、痛みだけを処理してもそれは完全に治癒したことにはなりません。どんな手段を講じたとしても、損傷した筋線維が修復されるのには一定の時間が必要ということです。

聞いたこともある方もいらっしゃると思いますが、歯の痛みを和らげるのに合谷(親指と人差し指が交わったところの人差し指側にあるツボ)を押す、といわれます。しかし、歯の痛みが虫歯からきているのであれば、虫歯を治療しなくてはなりません。

「鷹野鍼灸院の事件簿」という鍼灸師の方の書いた小説に中に、背部の痛みを鍼灸によって取り除いてしまい、後にとんでもないことになってしまう、というお話があります。

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少々の痛みや症状は、それを治癒させる能力を人間はもっています。しかし、あまりに激しく強い痛みは体力・気力を奪い、これによって治癒力が低下してしまいますから、そのようなときは、然るべき手段によって痛みを和らげることも大切です。しかし逆に考えれば、必要以上に薬を飲み続けるのは、副作用のこともあり、望ましくありません。とくに慢性痛を薬だけで治療するのは無理といえるでしょう。

読んでいただきありがとうございます。










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