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効かない薬、効く薬

薬を飲みたくないと思っている人ってどのくらいいるんでしょう?鍼灸師である自分の立場から見るとかなりいる。

というのも鍼灸院に来るのは、そのような人たちだから。そのような人たちの声を聴いて、相手をしていると、みんな薬を飲みたくないんだなぁ、との思いが強くなるわけです。

薬はやみくもに嫌うものではないと考えています。痛さ、つらさが続けば自然治癒力も発揮されず、痛さ、つらさは解消されず。そんなときは薬にお手伝いいただいて、痛さやつらさを和らげれば、自然治癒力が発揮されて、結果として病気が治る、というのが本来の薬の用い方です。長期に渡って飲まなければならないものや、簡単に止められないものもあるでしょう。

では薬を飲んでも、痛さも、つらさもなくならない場合は?

そのような方が鍼灸院に来院します。

「飲んだって効かないじゃないか」、そんな効かない薬は飲みたくない、というのがその方の言い分です。効かないだけならまだしも副作用がある、そんな怖いものは飲みたくないのが当たり前だろう、と。

病院で出された薬を、別の病院で止められたという話も珍しくありません。

薬の効果は認められています。だから認可が下りていて、病院やクリ二ックで処方されたり、薬局で売られているわけです。

でも、どういう理由かその人には効かない、なぜかはわからないけど効かない。わかっているのは、その人には効かない、これまで飲んできて効かなかったということ。

説得して(半ば無理矢理)飲ませたところで、その先も、効かないものは効かないんじゃないか?と、実は、薬を渡した人も渡された人も、心の中では思っています。

読んでくれてありがとうございます。

「効くと思って飲めば効く」のがプラシーボ効果、であるならば、「効かないと思って飲んだら効かない」のもまたプラシーボ。人によっては、飲まなければならないというストレスは相当なものです。飲みたくないのが本音である以上、これはどうしようもありません。薬の負の面を無視するわけにはいかない。


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