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投稿した詩をまとめました。
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#精神

「詩」陽だまり

陽だまりに 眠れていた頃 全てを許せる そんな気がしていた 空き瓶に ミントの葉を浮かせ そ…

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「詩」霧の港

白いドレスを着た 女が踊る霧の砂浜 揺れる長い髪の後方には 古びた港 停泊中の 大型客船がさ…

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「詩」失われた城

螺旋階段は崩れ落ち 柔らかな砂となり降り注ぐ 剥がれ落ちる三角屋根は空を描き 溶けだす出窓…

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「詩」晩春

少しずつ 散っていく 春の野に 咲く花たちは 聞いている 雨の音を 閉ざされた 空を仰いで 歩…

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「詩」海原

もう息の 絶えた人が 海原に咲く 花を摘んでいる 彼に記憶はないのに 花の香りに 満たされ…

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「詩」太陽

その太陽には 明るさも暗さもなかった 雲に覆われながらも はっきりとした円形が私には見えた…

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「詩」あなたとは違う季節

重かった 春を想う 早過ぎた 夏を想う 十月の風が 冷たさを増していく 季節がまた 季節を越えていく 私は秋の さらにその奥へと足を進める 私の内に在る 深い苦しみを  ただ 甘受し続けながら あなたとは違う 季節へ歩みだす

「詩」小詩集~春~

~終わりのない風景~ 春風の 野辺にぽつりと建つ 納屋の戸は カサカサと揺れ 土の道は 陽炎…

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「詩」春の祈り

祈りの声が囁かれ 古びた石碑に集う人々が 色とりどりの花々を  飴色の花瓶に手向けていく …

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「詩」あなたの暮らす場所へ

古びたオレンジ色の バスを降りると 小さなバス停が 風に揺られていた 私は陽炎に 染まる小道…

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「詩」失くしていく世界

私には 辿り着けない場所 静かな雨を予感させる 雲の隙間から 灰色の太陽が 大地を見渡してい…

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「詩」小詩集 青の世界

~広場の女神像~ あなたの掌から 青い血が流れていた 鉄の香りがした 焼け付くように熱かっ…

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「詩」小詩集 赤の世界

~赤い風~ 赤い風が 野を駆け抜けていく 花も誰もが 狂っている ~赤い旗~ エンドロール…

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「詩」赤い夢

 帆が落ちていく 船が朽ちていく  海と空が 赤く染まっていく  “まだ眠っていなさい 月が燃えています”  私は古びた港で ただ孤立している  寄せては返す波の 音が穏やかに響いている