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火の匂い。

ガスコンロを点火して、
その火の匂いに、冬の北陸の、家の中を思い出した。

北陸の冬は寒い。吹く風は刺すようである。

田舎の住宅事情で家が広いのはいいけれど、
その広い家の中で暖が取れるのは、
網焼きができる石油ストーブとコタツだけ。
今振り返れば、随分と寒さへの耐性が鍛えられたものである。

家の中が冷える分、熱い食は欠かせない。
暖房器具と共にガスコンロは冬の間フル稼働だった。

田舎の家を思い出させた火の匂いとは、
正しくは、灯油やガスの臭いのなのだろう。

それにしても。
北陸を離れて数十年が経つのに、
ほんの瞬間感じたガスの臭いで、
今は誰も住んでいないあの家を思い出すとは。
ふるさとの影響力は計り知れないものである。
自分の軸は、いまだ北陸のど田舎に残っているのだろうか。

なんて、コーヒーを飲みながら、ちょっと哲学。

さて、この先、コーヒーの匂いに
どんな風景を思い浮かべるようになるのだろうか。

コーヒーのある風景。

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