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午後4時。一枚のレコードに魂が震えた。

Rawville
The Bamboos
2007
Tru Thoughts Records

あぁ感無量。心が震え続けている。
必死に気持ちを落ち着かせようとするも、失敗。
この胸の高鳴りはどうやら抑えきれないようだ。
赤ワインという鎮静剤を打とうにも、17時半からアルバイトなので打てない。
どうしたら良いのだ。

波のような動悸の中にもある種の静けさがあって。
どっかの国で味わったような感覚だ。
さぁどうしようか。一先ず落ち着こう。

The Bamboosってのはメルボルン発の知る人ぞ知る最高のファンクバンドである。60.70年代のソウルやそこから派生するファンクを彷彿とさせるストレートでハートフルなサウンド。その熱量と味わいのある曲調との絶妙なバランス。
私の心を鷲掴みにする。

一方で、彼らはファンクサウンドと一線を画す、前述とは全く異なるような一面も持ち合わせる。ヒップホップを全面に出してみたり、ロック、サイケといった要素を取り入れたり、かたや様々なエキスが渾然一体となっている曲を作ったりと、ソウルやファンクから逸脱しているように見える作品も少なくない。

それでもやはり、終着点はソウルミュージックだ。
少なくとも俺はそう感じる。
ソウルが失われつつある今の時代に新しい風を吹かせ、あの熱量を取り戻そう、そんな強い決意がヴォーカル"kylie auldist"の歌声から滲み出る。
まぁ実際聴いたほうが早い。
あの、本当に堪らない。
近いうち必ずやメルボルンに生演奏を聴きに行くだろう。

高校生のとき、とあるスケートビデオ内で使われていたことがきっかけで、彼らの曲を聞き始めた。当時はアマゾンを使うなんて脳が無かったから、iTunesでアルバムを3枚ダウンロードしたのを覚えている。

高校生の7000円はデカい。
ただ、それくらい価値のあるものだと、未熟ながらも感じたのだろう。

それがまさかレコードで手に入るなんて、17歳の俺が知ったら間違いなく腰を抜かすだろう。そもそも、レコードで音楽を聴くという発想が無かったのだから。

大学進学を機に親元を離れ、新天地で沢山のスケーターやDJと出会い、本当に多くの人々からエキスを注入され、ようやく辿り着いたレコード。
こんなことになるとは思いもしなかったろう。

新品同様で手に入った盤。一生モノだ。
そしてさらに、スイスのレコード屋からわざわざ取り寄せた
「Night Time People」が近いうち届く予定。

楽しみで夜も寝れない。

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