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世界一美味しい卵かけごはんの食べ方



最近周りでは卵かけごはんが熱い。

私の交友関係においては、
料理人、料理家、研究家、コーディネーター、アナリスト、醤油醸造家、万太郎さん、生産農家、メーカー開発担当、伝道師、シューマニスト等々といった、
一流の食のプロフェッショナルたちに囲まれている。
そんな彼等が発信する卵かけごはんの方法論は、
実に知的で素晴らしく、美味しそうに感じる。

しかし残念ながら、
私から見れば全て間違っている。

卵をどんな溶き方で混ぜ、
どんな銘柄の醤油をどのタイミングで入れ、
米はどういう状態で迎えるか。

それらを研ぎ澄ませたところで、
どこまで行っても
卵と米と醤油が混ざったご飯なのだ。
多少の違いはあっても、あの味だ。
微細な違いはどんぐりの背比べで、
素人には難解だ。

そんな中、
私は明快にブレイクスルーを起こす
今までにない卵かけごはんの食べ方を開発した。

答えから行こう。
「卵かけごはん」ではなく、
「卵かけごはん定食」にするということだ。

どういうことか。

卵かけごはんは、
「ご飯」ではなく「卵かけごはん」なのだ。
「ラーメン二郎」は「ラーメン」ではなく、
「ラーメン二郎という食べ物だ」という名言とリンクする。

つまり、卵かけごはんは
既に別の食べ物に変化してしまっているので
白米単体の味わいが失われている。
そこで、卵かけごはんは「主食」ではなく
「おかず」とみなすのだ。

この考えに意識を変えることで、
既成概念は壊れ、パラダイムシフトが起こる。
卵かけごはんで白米を食べるという
新しいジャンルが誕生するのである。

作り方をお伝えしよう。

まず、普段食べるごはんの半量を
お好みの容器に入れ、卵を入れ混ぜ合わせる。
お好みの醤油をいつもより多めに投入し、
味の濃い強い状態に仕上げる。
混ぜ方やタイミングは何でも構わない。

そこに、普段食べる量のごはんを
別のお茶碗によそい、
味噌汁や香の物を添える。
卵かけごはん定食の完成だ。

これにより3通りの食べ方が実現する。

1白米だけの味わい
2白米と卵かけごはんの混ざった味わい
3卵かけごはんだけの味わい

芥川の小説「芋粥」の世界をご存知だろうか。
これまでの卵かけごはんは、ずっと同じ味が続くので途中で飽き、
芋粥状態になることがあった。

そこで「定食」という概念を
取り入れることにより、
最後まで飽きずに美味しく食べ切ることが
可能になる。
ただし、この食べ方は、 
糖質50%オンになるので、
現代の潮流とは真逆の行為。 
各自注意して臨んでいただきたい。

いずれにしても、
一度騙されたと思って、
ぜひ試していただきたい。
炭水化物+炭水化物を恐れずにいてほしい。
一部の中華料理店にはチャーハン定食が存在する。
チャーハンと半ライスが出てくるのだ。
今回の開発に伴いインスパイアされた事案である。

ちなみに、最後になるが、
私はこの食べ方を実践したことはない。

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