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【小説②】神さまと我が子のおしゃべり聞いちゃった。〜お母さんが笑顔になる10の法則〜〈第一夜〉


前の話はこちら。

まずは自分を幸せにしなさい。

この話はフィクションです。

鏡の法則

神さま「よし。お母さんを笑顔にする授業始めるぞ」
むむさん「うん!よろしくお願いします!」

あら、むむさん。礼儀正しい。
そんな成長してたんだ。

最近余裕がなくて
むむさんの成長を見れてないことを実感した。

むむさん「どうすればおかあさんを笑顔にできるの!?」

神さま「ほっほっ。まぁまぁ慌てるな」

むむさん「笑顔にするのって難しい?ぼくはいつもおかあさんを怒らせちゃうから...」

チクッ。
胸が少し苦しくなった。

そうだよね。
いつも怒ってばっかの印象だよね。

神さま「大丈夫じゃ。人を笑顔にするのはすごく簡単なことじゃ

むむさん「簡単!?ホント!?どうするの!?」

神さま「それはな。キミが幸せになることじゃ

むむさん「え!なんでぼく!?ぼくはぼく自身じゃなくておかあさんを幸せにしたいんだよ!」

神さま「世の中は“鏡の法則”という法則で成り立ってるんじゃ

鏡の法則?

神さま「キミが幸せで笑顔になれば、鏡に映る自分かのようにお母さんも笑顔になる。それが鏡の法則じゃ」

そんなことある?
相手を笑顔にしたかったら、自分より相手を喜ばせることをしなくちゃいけないんじゃない?

きょきょさんは困惑した。
けどその真意を知りたくなった。

神さま「シンプルな話じゃ。本物の鏡を想像してみてくれ。本体のキミが笑えば、鏡の中に映るキミも笑うじゃろ?

むむさん「うん。当たり前だよ!」

神さま「では鏡の中のキミが先に笑うことはあるか?

むむさん「そんなのあるわけない!あったらめちゃくちゃ怖いよ!」

うん。我が子よ。
まともなツッコミ。

神さま「ふふ。そうじゃろ。世の中もそれと同じなんじゃ。キミの心が“本体”で、それを映し出しているのが“現実”じゃ。現実とは、表情や声、周りの人などじゃ」

むむさん「うーん。もうちょっと分かりやすくお願い!」


“目に見える現実”は、私の心を映し出している?
どゆこと?

神さま「もしキミの心が落ち込んでいたら、キミの表情や声はどうなる?」

むむさん「表情は暗くなる!声も元気なくなる!」

神さま「じゃあキミの心が元気だったら?」

むむさん「笑顔になるし、明るい声が出る...あ!本当だ!「心」が表情や声に映ってる!鏡みたい!」

なるほど。なんとも分かりやすい。

神さま「キミの心が落ち込んでいたら、表情も声も、行動もすべて暗いものになる。

となるとそばにいるお母さんは笑顔になるかな?」

むむさん「ならない!そっか!」

むむさん「だからまずはぼく自身が幸せで笑顔にならなくちゃいけないんだ!

ぼくの心が満たされたら、鏡のように映ってお母さんも笑顔になるんだ!」

神さま「理解力があって素晴らしい。しかしみんな鏡を先に笑わそうとするからうまくいかないんじゃな。まずは本体である自分の心を大切にするんじゃ

きょきょさんは
鏡の法則を理解できたと同時に
これまでの自分を後悔した。

私の心はいつもイライラしていた。
2歳児のイヤイヤ期の子育てに心の余裕を奪われ、むむさんやお父さんに優しくできていない。

その心が喋り方や行動、そして周りに
映りだされてたんだ。

私はもしかしたら
家族の笑顔を奪っていたのかもしれないんだ...

きょきょさんが胸が苦しくしている中
むむさんが...

むむさん
おかあさんはいつも、ぼくら家族のことを幸せにしてくれようとしてくれてたのに、ぼくがおかあさんの笑顔を奪ってたんだね

え?

むむさん「おかあさんが叱るのは、ぼくの為なの。ぼくが周りに迷惑をかけないため。ぼくが大きくなったら困らないようにするため」

きょきょさんは胸が苦しくなった。

確かに基本はそういう気持ちで叱ってる。

けど実際は
なかなか自分をコントロールできずに
イライラしちゃってるのが本音。

むむさん
「でもぼくが全然話を聞かないし、聞いたとしても全然できないから、おかあさんを怒らせちゃうの。おかあさんの心を暗くさせちゃってるのはぼくのせいだ

そんなことないよ!
きょきょさんは思わず叫びそうになった。

そんなふうに
子どもに思わせてしまってるなんて...

むむさん
「でもこれからはまずぼくが神さまの話をしっかり聞いておかあさんを笑顔にするんだ!」

きょきょさんは反省した。
けどすぐにむむさんと前を向くことを決めた。

むむさんがこんなふうに考えてくれてる。
私もむむさんと頑張る。

私がやること。
まず自分の心を大切にする。
そして鏡の法則で家族を幸せにしなくちゃ。

幸せとはなんだろう?

神さま「ふぉっふぉっ。優しい家族じゃな。大丈夫じゃよ。キミも、もちろんお母さんもなんも悪くない。大丈夫じゃ。ここからきっと家族の笑顔は増える。絶対に大丈夫じゃ」

神さまの「大丈夫」という言葉に
なんだかきょきょさんは安心した。

むむさん「神さま!幸せになる方法早く教えて!」

神さま「ふふ。そんなに慌てないでもちゃんと教えるから。まずひとつ質問じゃ。きみは今幸せかな?」

むむさんは少し考えてから

むむさん「よく考えたら幸せってなんだろ?なんか分からないや」

神さま「ふふ。そうじゃろ。大人もそうなんだが、みんな“幸せになりたい!”という割に、“幸せとは?”についてあまり考えてないんじゃ」

確かに。
私は今幸せだろうか?

確かに
瞬間瞬間幸せだなと感じるときはある。

美味しいものを食べたとき。
寝てるとき。
好きなYouTube観てるとき。

家族と一緒に笑ってるとき。

でも常に幸せを感じてるかといったら
正直幸せと感じてない時間のほうが長い。

私は幸せじゃないのかな?

神さま「もう結論を教えるぞ」
むむさん「うん!」

神さま「幸せはなるものではない。もうすでに幸せだと気づけることじゃ」

むむさん「え?今幸せじゃない人も?」

神さま「その考えが違うんじゃ。幸せじゃない人はおらん。特に日本人は間違いなく、今この瞬間も全員幸せじゃ」

全員幸せ?本当に?
その真意はなんだろう?

きょきょさんも
神さまの話に夢中になっていた。


次の話はこちら。

#創作大賞2024
#ファンタジー小説部門

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