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雨と頭痛とクロワッサン

最近、雨の日が続いてすこぶるこまっちょる。
洗濯物は干せないし、外出する気も失せちゃうし、なにより頭が痛いくなる。

このあたまいたいも動けないほどいたい訳じゃないから、それなりに行動できてしまう。けど、いつも1時間でできることが、2時間くらいかかるほど頭が働かない。ズーーーン、ぼけーーって感じになる。気を抜くと口が空いて、アホ面をかます。一人暮らしでよかった。

あぁーーーー、ねむい。でも午後から予定があるから寝てらんない。むーーーーー。なんで頭がぼやぼやしているときに限って、人に会わなけりゃならんのじゃろう。

「いまちょいとあたまボケボケじゃけん、あしたにまわしてくれにゃいか?」

なんていったら、

「アホかいにゃ」

なんて返信がきそうだ。やめとこう。

こういうときに食べるものは、クロワッサンと相場が決まっている。なんかいろいろ手を加えたオシャなやつじゃなくて、給食で出て来るタイプのあの普通のクロワッサン。どんだけ食欲がなくても、あのタイプのクロワッサンだけは口にすることができる。しかし、なぜクロワッサンのなのか?

きっかけは小学生の頃にまで遡る。

インフルエンザに罹った時に、母が家族の昼食のためにパンを買ってきた。その中に紛れ込んでいたのがクロワッサンだった。僕は兄のために買われたそれをすがるように食っていた。

「あんた食欲なかったんじゃないの?」
「んー、なんかこれだけは食える」
「不思議なからだしとんねぇ」

そういって、母はもう一度パン屋にいって同じクロワッサンを5個も買ってきてくれた。その5個もその日中にバクバク食った。次の日また母は5個買い足してくれた。ありがとう、母。

それから、体調が悪くなると必ずクロワッサンを食べる謎の風習が定着した。なぜ、クロワッサンなのか。クロワッサンに体調不良に効くなにか特別な成分が含有されているのか?クロワッサン療法の科学的な根拠はいまだ解明されていない。けれど、僕の個人的な結論としては、

あのやわらかくてすこしバターの匂いがする優しい味わいが、からだもこころも癒してくれるのだろうと思う。

あーーーー、あたまいたい。クロワッサンを買いに行かなきゃ。大量のクロワッサンを。

以上。