見出し画像

特殊装丁同人誌作り 全行程

初めましての方が多いのだろうか、yuco(ゆーこ)と申します。こんにちは!二次創作などしている平均的モブです。

タイトルにもありますが「特殊装丁」の同人誌ですよ。憧れちゃいますよね、特殊。ノーマルじゃないやつ商業誌じゃ無理だろ!ってやつ紙媒体じゃなきゃいけないやつ
素敵。大好き。妄執にも近い熱意を形にしてみせました。

後半は有償記事(¥100)になります。言い訳までは無償で読めるので良かったらそこまでお付き合いください。

■特殊装丁って、どれよ?

今回挑戦したのがこちら、ジャン。

画像2

はい、「アンカット装」です。

アンカットじゃないページもある(※後述するがこれが特殊)厳密に言うと「小口アンカット装」が正しいのかな?頭のおかしい本がこの世に生まれてしまった。

画像1

必要な名称だけ並べてみた。
よくあるのは「天」だけ切られていない「天アンカット」、センシティブ系は「3辺全て綴じ」が多い。なお「地カット」は中身が見えるので恐らくほぼ存在しない。

画像10

新潮文庫さんはスピンと呼ばれるしおり紐を入れてくださってる。これ、製本過程上化粧裁ち(スパッ!と紙を切り落として断面揃える作業)が出来ないんですよね。この単語は後から再登場します。

■商業誌で既出のトリック

折角アンカットにするんだし。切ってもらうだけでは芸がないので……
『そのまま読んだら短編で、開いたら意味が繋がる長編が現れる』仕組みにしたら面白いよな、と。頭おかしい!(2回目)

画像4

実は、なにをかくそう(隠してない)既に商業誌で出版されているトリックだったりする。
1994年に新潮文庫さんから出た泡坂妻夫氏の『生者と死者』。短編小説を読み終えページを開くと長編ミステリーが姿を見せるというもの。

画像6

この本は絶対に立ち読みできませんが面白い。図書館や古本ではページが開いているだろうから新本を手に入れるしかない。2冊買えと促されたが地元に1冊しか在庫がなかった。本屋さん!偶数発注お願いします!(※回し者ではありません)

画像5

同じ仕掛けで書く以上、先に読んでしまったら記述テクニック真似ちゃいそう……なのでここで止める。完成したら開こうね。

■さて、なにを書こうか

この仕掛けで何を書くか。思い付いたのがどっぷりハマっているアプリゲーム『夢王国と眠れる100人の王子様』、通称「夢100」の2次創作物。
※詳しくはココ (回し者です。みんなやろうぜ)

その中に既婚かつ妻が他界している人物がいる。そうだ!彼の過去話を短編に、ある女性(現恋人)と出会ってからの現在を長編にしよう。過去の感情が現在の体験で上書きされ、文章の持つ意味が変わるとか面白いじゃん!

文書きあるあるですが「プロットが最もぶっ飛んでる」。頭のおかしい(3回目)お手本のようである。

■印刷所を決めねば

書き始めると同時に印刷所の目星をつけよう。特殊とはいえよく聞く言葉だし問題なかろう。
「大将、やってるぅ?」と、確認程度のメールを送ったところ速攻で頂いた返信がこちら。

画像5

え???500部???最大手ジャンルの最大手サークル様かな?ムリムリムリ無理ーッ!

慌ててアンカット装を受けてもらえそうな印刷所に問い合わせを乱発。以降全てのお返事が「NG」・やっていても「200冊なら」!←減った
これはアカン。出せないわ。さすが商業と同人の壁は高かった。

念のため、印刷所を悪く思う気持ちは皆無
いやーこんな面倒くさいのやりたくないでしょ。

■ここで倒れるわけにはいかぬ!

諦めたらそこで試合終了ですよ?
でも安西先生、印刷所が無いんです……
必死にいんたぁねっとを探る。何かないのか。
----------------------
結論からいうと、あった。
工程を3つに分け、別でやればいいのだ。
----------------------

■続きは有料で、の言い訳とお願い

実は今回の最終赤字が▲60,000超え。電卓叩いて変な声が出た。黒字出す気は無いがこれは酷い。
下代(材料費)だけで頒布価格超えてるもん。
値付けが悪いって話なんだが、毎回人気ランキング外の人物の2次創作に(言ってて泣きそう)頒布価格1200円も強気じゃない?と思った当時の自分を殴り飛ばしたい

そんな訳で。
前代未聞の同人アンカット装を「印刷所に一括依頼せずに出す方法」を有料noteに頼ってみる事にした。
写真満載・できる限り金額も記入・失敗した箇所も書く。後学のためにトントンまでいけたであろう別策も書くか。100円投げられる富豪の皆さんは冷やかし気分で見ていってほしい。

noteの良い所は「著者が削除しても購入した記事は閲覧可能」な所。
そんな日は来ないと思うが、赤字が補填できてしまったら削除して新規読者を入れないようにしようと思う。

おっけー酔狂な理由は分かった。次回も頭おかしい(4回目)本を作れよ?という稀有な方は、下記から全貌をみていってくれ。

ここから先は

14,616字 / 68画像

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?