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短編小説「ウラヌスの恋」


実体験をもとに、自己紹介も兼ねて小説にしてみました。(脚色あり)
本当はギャグ寄りの漫画にしたかったのですが、諸経緯あってこのような形を取ります。

先祖に巫女がおります。
幼少期から不思議な体験をする機会が多くありました。異常な晴れ女体質もその一つと思っています。

晴れ男・晴れ女の皆様
逆に、雨男・雨女の皆様
もちろん、どれでもない方も…
お手にとって「あるある!」「へぇ〜」なんて、笑って読んでいただけたら嬉しいです。

ブログ「喫茶ginger⌘ginger」https://gingerginger155-1.hatenablog.jp




「傘?いらない。私が外に出れば止むよ。」
幼い子を抱えた母親が1人、賃貸住宅の玄関を出ようとしている。彼女はいつの頃からか小雨程度では外出を躊躇うことがなくなった。外出予定がある日は不思議と晴れるからだ。降ったとしても小雨程度。彼女が困るような降り方はしない。


別の日には傘を持たずに電車に乗って夫の迎えに出かけた。
夫に「傘は?」と迎えに来た意味を問われて
彼女は「大丈夫。止んでるし。」と短く答える。

彼女の行く先は雨が止む。
彼女の生活から「雨傘をさす」という行為が無くなって久しい。


また別の日には「台風それてくれないかなぁ〜」とテレビを見ながら不安げにつぶやいていた。帰省先の実家に居て、家が心配なようだった。
こんな時には、数日後の天気図に見慣れない形で折れ曲がった進路図が描かれることになる。


彼女は「ウラヌス」だった。

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