かがやき🌟🚅ツアー（首の皮一枚編）

10月に、金沢と佐久を旅行した時の記録です。

前回の記事はこちら。
金沢から次の目的地である佐久へと向かう朝、なんとレンタカーを予約し忘れて交通手段が確保できなかったわたしは、急遽、宿とえみおわす展をキャンセルすることに。
ほんと血の気が引いたわ・・・

《続きです》

佐久で泊まるはずだった宿と、洋服の展示会をキャンセルしたわたしは、失意の中、金沢駅行きのバスを待っていた。
時間を見ようと思ってタブレットをいじると、メールが1件きていたことに気がついた。

『もしかしたら大丈夫かもしれないので、ちょっと待っててください』
えみおわすの展示会の会場となっている、“とうめい“の方からだった。
えー！？もしかして行ける？？？
首の皮一枚でというのは、まさにこういうことなのだろう。
淡い期待に少しだけ軽くなった足取りでバスのステップを登る。

金沢駅に着いたら、まだ行けるかどうかわからなかったけれど、とにかくお土産をたくさん買った。行けるとなったら、たくさんの人にお世話になる。お礼と言ってはささやかだけど、何か気持ちだけでも渡せたら。
せっかく金沢にきているのだからと、和菓子など、金沢らしい華やかなお土産を探して駅構内をぐるぐる歩いた。

そして新幹線の時刻。
かがやき🌟🚅ツアーと言っておきながら、わたしの乗った新幹線は“はくたか“だった。残念！
しばらくすると、“とうめい“の方から電話がかかってきた。急いでデッキへ出る。

『もしかしたら明日の午後、きくさんを佐久の駅から乗せてもらえそうな人がいるんです。その方たちに相乗りして来てくれたら、帰りは宿までは行けるから・・・』
「実は、今日宿に泊まるんです。今新幹線に乗って佐久平に向かっているんです。なので今日宿に着いていないといけなくて・・・」
（はぁ〜、、、やっぱり無理か。。。）

『佐久には何時に着くんですか？』
「14時ちょい前です。」
『・・・！　その時間、ちょうど佐久平駅周辺に行きます。』

“とうめい“の方は、少し驚いているようだった。
わたしはとにかく佐久に行けるということでほっとしていた。
わたしがどんなに幸運だったのかは、あとで知ることになる。

佐久平の駅に着き、ロータリーへ出ると、“とうめい“の方が待っていてくれた。
そして車に乗り込んだ。

『きくさん（実際はわたしの苗字で呼んでます）は、ほんとうにラッキースターのおかげっていうかなんていうか』
「・・・？」
そりゃあラッキーだったと思うが、そんなに驚くことなのだろうか？

『荷物を出しに行かなければいけなくて、佐久平まで来たんです。きくさんがこの時間に佐久平に着いていなかったら、こちらとしてもどうしてあげることもできなかった。それから、体調不良で来られなくなった方もいたし、全国旅行支援の影響で、展示会に予約はできても、交通機関のチケットが取れなくてそもそも来られなかった方もいたんです。今回は、そういう“ふるい“があったんです。あ、明日は宿の人が時間に合わせてうちまで送ってくれますからね。』

その話を聞いていると、わたしがここに来られていること自体が、ほんとうにラッキーな出来事だったことがわかる。
もし違う時間の新幹線に乗っていたら、このように駅で拾ってもらうことはなかった。
もしレンタカーを事前に予約しようとして、予約が取れていなかったら、佐久に来ること自体も諦めていたかもしれない。
そして、宿の人が、わたしがキャンセルした後、“とうめい“の方に連絡を入れてくれた。それから、“とうめい“の方が相乗りできそうな人に連絡を入れてくれているという。
いろんな偶然と、たくさんの方の親切が重なって、今自分かここにいるんだなということを思い知らされたのだ。
ちょっとくらいは自分でも頑張りたい。
「実は、友だちが明日の午後の部に来るって聞いていて、もしかしたら乗せてくれるかもしれません。ちょっとその友だちに帰りに乗せてもらえないか聞いてみます。」

この旅行の前に、同じく“とうめい“でのえみおわす展に行くという友だちと連絡を取っていた。わたしは午前の部に参加して、友だちは午後の部に来るということだった。せめてお昼くらいどこかで一緒に食べられるかなと思ったけれど、おたがいのスケジュールがうまいことすれ違ってしまい、会えなさそうだった。
でも、彼女たちにお願いすれば、移動手段も見つかるし、会うこともできる。
そんなことってある！？

InstagramのDMで連絡を取ってみると、「OK」の返事だった。
ほっとした。
それから、彼女たちに会えることが単純にうれしかった。
しかし、ほっとしたのも束の間で、また雲行きがあやしくなる。
何度かDMでやり取りしていると、やり取りの途中でDMが更新されなくなっていた。
山奥すぎて、わたしが使っているwi-fiのエリア外だった。
こうなると連絡が途切れたままになってしまう。
携帯電話の連絡先は知らなかった。
突然のお願いで、しかもやり取りの途中で連絡が途切れるって、相手からしたら心配だし困惑するよね・・・！？
宿にはたどり着いたものの、まだまだ気がかりは続くようだ。

どうしよう・・・

《つづく》