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その目で見て欲しい絵画の魅力

地下の画廊
薄暗い舞台に存在感を放つ
間近で見るその絵は人々の目を奪う

ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
東京と大阪で開催されることになったこの展示会に行ってみた

きっと美術史を少しでも齧れば
もっと楽しめるのかな、なんて思いつつ
少々絵を描く機会がある身からすると
歴史よりもその描かれ方に興味が向いてしまう
この貴重な絵画の魅力を肉眼で是非見てほしい

目次
・2mの距離感
・絵具で表す質感
・色で感じる
・まとめ


2mの距離感

絵を描く身からすると「この部分はどんな筆使いで表現しているのだろう」と気になってよく前のめりで絵を見ていたそこをあえて人の波を避けて数歩下がって壁に飾られた絵画を鑑賞してみた。2mの距離で絵の表情が変わったことに驚いた

間近で見るより圧倒的に世界が広い
ずっと先まで繋がっているような奥行や
そこに精巧に描かれる物や人がちゃんと在るのだ
当たり前かのように思うかもしれないが
線ではなく面で描いているのだから平坦になりやすい油絵をそこに佇む対象を主張しつつ違和感なく描けるのは感嘆せざるを得ない

その上ファンタジーのような
綺麗な空が描かれていたり
自画像だったりと描くものは違えど
皆その1枚にちゃんとしたテーマと言うべき主張など訴えてくるなにかがあるのだから
ああ、沼に落ちてしまった……
そんな気にすらなる


絵具で表す質感

油絵のイメージだった絵具の凹凸は計画的で
グラスは艶やかであったり
衣服のしわには柔らかさを残したり
馬にはしっかりと筋肉質な馬の体を描いていた

全体を見ると確かに平面に描かれた絵なのだ
しかしながらそこには
確かにリアリティがあった


色で感じる

もう一つ着目したのは色彩だ
一人の女性を描くのでも
「ああ、この人はかわいらしい女の子だ」
「こっちは美しい女性だ」
そうわかりやすいのは
単にデッサンが上手いとか
描き分けができるからだけではないと感じた

少女の肌は柔らかく少々明るい
対象的に年相応の手の甲の血の気を表現した絵もあった

絵具の特性だろうか
うっすら見える下地の色がいい塩梅でその世界観を作り上げていた

この絵の主体は人物であるのにそこにはストーリー性がある
主張しすぎず当たり前のようにそこに在るようだった

逆にこの白と赤の主張が激しい絵は何だろう
気になってタイトルを見ると、なるほどその人物は確かに意図してその存在感なのだなとわかる

フィクション的な要素も取り入れた作品は
メッセージ性が高いとも感じた

まとめ

写真よりもリアルさとフィクションを体感した気分に浸れる絵画
その表現の幅は広い
燃えるような赤や熟した果実のしっとりとした赤
発光するような白やダークトーンの白い服の影
控え目でいてなお鮮やかな青につやのあるサテン生地の青いドレス
言葉にするには「もったいない」
技術が進化してもスキャンしきれない

絵画の魅力を
その「絵画」という概念を
ぜひその目で確かめてほしい



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