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怖がりなりのホラー小説の楽しみ方

挨拶

こんばんは!最近の都会は灯りも多くあまり怖い様子はありませんが、一歩奥の通りに入ると……この話やめようか。スリには気をつけてくださいね。

怖い話は怖い!でも読みたい!そんな矛盾した衝動を抱えていませんか?これはそんな人のための手引きのような記事です。

記事の写真は特に怖くないカラスの絵ですね。

そもそもどうして怖いのか

当然ですが、生物にも妖怪にも「生命の危機」は訪れます。自然災害、交通事故、悪事を働いているときに限って訪れる鬼太郎……などなど。

大事なのは「大きな外傷があると生命個体は死ぬ」「個体が死んだら種全体の不利益になる」ということです。そのために、生命の危機に瀕した状況においては恐怖が喚起され、個体の生存率を高める「闘争・逃走反応」、英語で言うとfight-or-flight response が発生するのです。

つまり「自分を生命の危機に陥れる可能性の高いものは怖い」、特に自分を害する意思のあるものは怖いのです。また、害する意思があるのか判断できないものも、潜在的な脅威として怖いものです。

以下、怪談の中でもかなり怖いものを少しだけ挙げます。目を瞑ってやり過ごしていただいても結構です。なるべく怖くない感じで書きはしますが……。

「自己責任系」自己責任ってことは読んだ人が死んだりするのかもしれませんね。怖いね〜!

「これは実話です」この話はフィクションではないかもしれないから、そのうち自分のところで起きるかもしれないという怖さがありますね。怖いね〜!

「メタ視点」画面のこちら側、紙のこちら側を認識しているということは、読者に明確な害意を向けているのですね。怖いね〜!

以上の条件を全部満たすことができるのが、note、はい、残念ながらこの媒体なのですね。怖いね〜!

怖さを軽減するための方法

はい、目を瞑っていた人はここで開けてくださいね。

ひとしきり怖い思いをしてもらったところで、末尾の「怖いね〜!」のパワーを実感していただけたでしょうか。

怖い話を一緒に読む人がいるというのは、怖さを軽減する効果があります。

ホラーゲーム配信もそうですが、人柱になってくれる実況者がいるから、視聴者は安心してみていられるわけですね。逆に実況者も、自分の恐怖を他人にシェアできるので、これもまた怖さの軽減につながっています。

あとは、これは書き手の問題になるのですが、「この話はフィクションです」と書いてくれたり、そもそもフィクションの世界観で話してくれると、怖さは減ります。逆に読み手はそういう作品を選択して、怖さを軽減できます。「創作怪談」と書いてあったり、ね。

あと、媒体の違いもあります。映像音声までご丁寧なホラー映画よりも文章だけの小説の方が大抵は怖くないものです。想像しなければビジュアルの恐怖を削減できるので。

デストラップにはまらないために

ここで問題になるのは「怖くない話だって思って読んだら怖かった!責任を取れ!」こんな展開です。

世の中には怖い思いをするために、あえてそのような小説を好む人もいますが、初級の怖い話読者にとってはたまったものではありません。なるべく対処を知って回避していきましょう。

「怖い話が好きな人がニヤニヤしながら勧めてくるものは大抵非常に怖い」その通りです。恐怖の軽減の項の原理からして、怖い話ジャンキーは自分と同じ怖い話を読む人を探しています。安易に口車に乗らないように。

「ホラー小説界で評価が高いものは大抵非常に怖い」怖い話ジャンキーが評価している怖い話なのです。当然怖いに決まっています。

「作者が全然怖くないと思うけどって言ってる」罠です。サイトなどで読者のコメントが読めるのならばネタバレにならない範囲で見てください。みんな怖がってるでしょう!読者のコメントがない?それはもしかしたら本当に怖くないのかもしれません。

怖い人におすすめの「初級」怖い話

ここからはかなり実用的なアドバイスです。怖い話と言ってもさまざま、自分に合ったものを見つけられるといいですね。

「推理小説」人間が怖い話です。人間は第四の壁を飛び越えて読者に悪さをすることができません。安心して読んでください。

「素人の書く怖い話」ここでいう素人は「物語を書くのが素人」「怖い話を書いたことがない人」です。彼らは話を怖くするためのテクニックを知りません。必然的に、怖さの軽減された話になりやすいでしょう。

「社会派怖い話」人を怖がらせる以外にも目的のある話は、どうしても怖さがおざなりになりやすいです。

総括

以上のことを念頭に入れて怖い話を探して読んでいけばあまりにも怖いものにはなかなか出会わないでしょう。もっと怖い話が読みたい!と思ったら、意を決してもっと怖いものにチャレンジすればいいのです。どうしてそう思っちゃうのかって?エンドルフィンとかなんとか言いますけど、原理はどうあれ人間はそうなりがちなものです。怖いね〜!

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