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書籍「建築情報学へ」の用語まとめ

建築情報学会監修の書籍「建築情報学へ」

建築分野内外で活躍する方々が、各分野から建築と情報について記述されている、とても読み応えのある書籍

それぞれの方がそれぞれの方面を突き詰めて研究、活動されており、

その分、いくつもの聴きなれない単語、表現にぶつかってしまい、
なかなか読み進めるのに時間がかかる方も多いはず。

ここでは各単語の意味を要約しまとめています。

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デジタルトランスフォーメーション

Digital Transformation:DX とも表現される
「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念

メタファー(P16)

隠喩(いんゆ)、暗喩(あんゆ)
文中では、「より身近に感じれるものとするための変換」という意味で使われていると解釈

クリシェ(P17)

決まり文句

データ・ドリブン(P24)

Data Driven
データを分析し、活用すること
ビッグデータをアルゴリズム(問題解決のための計算等)で処理するように、人間の経験や勘に頼らず活用すること
データ主体の意思決定

データ・インフォームド(P24)

Data Informed
データを与えられた人間により物事を推し進めること
データはあくまで意思決定のためのもの
人間が主体の意思決定

ボトルネック(P29)

その問題により、全体に影響を及ぼす箇所
ボトルネックの問題を特定し、解消することで、全体の生産性を向上させる

パラメトリック・デザイン(P34)

変数や関数等によるデザイン

ジェネラティブ・デザイン(P34)

必要な機能や材料、製造方法などの諸条件をソフトウェアに入力
ソフトウェアにより設計されたデザイン

スタティック(P34)

静的

感度解析(P34)

モデル寸法やパラメータを変更
それに伴い、他のパラメータが変更される
変更したパラメータと、変更されたパラメータの関係を解析し、グラフ等で表示
どのように変更されるかの傾向を解析すること

逆解析(P34)

逆問題の解析
逆問題:結果から原因を推定すること

ダイナミック(P34)

動的

インタラクティブ(P34)

相互作用

サイバネティックス(P36)

人工頭脳学または、通信工学と制御工学、生理学と機械工学を総合的に扱うことを目的とする学問分野。

プロトコル(P36)

コンピューター同士の通信をする際の手順や規格のこと

情報を送り出す端末の選定、データの形式、パケットの構成、エラーの対処などを取り決めた通信の約束事

アルゴリズム(P36)

コンピューターで計算を行うときの「計算方法」のことであり、
広く考えれば、何か物事を行うときの「やり方」のこと

その「やり方」を工夫して、より良いやり方を見つけよう、というのが、アルゴリズムの研究

本書P188より
アルゴリズミック・デザイン:設計プロセス自体をデザイン

チューン(P36)

音の高さや電子信号などの調律が取れている状態、および調整すること

コンピュテーション(P36)

直訳すると「計算、評価、計算結果」という意味

情報を加工すること、のような意味合いで使用される

コンピュテーショナル・デザインは
コンピュータで多次元的な情報をつなげながら最適解を導く、いわば情報の関係性をデザインする手法

ブリコラージュ(P36)

ものを自分で修繕すること。

メタAI(P36)

ゲーム全体を制御するAI
いわばゲームデザイナーの知能を模した人工知能であり、リアルタイムにユーザーのスキルや行動に応じてゲームそのものを変化させていく。

セルルック(P43)

アニメ(のセル画)のような表現の3DCG

トラッキング(P44)

ユーザーの行動を追跡、分析すること

メタバース(P45)

多人数が参加可能で、参加者がその中で自由に行動できる、通信ネットワーク上に作成された仮想空間のこと

集合知(P50)

たくさんの人の意見や知識を集めて分析すると、そこからより高度な知性(的なもの)が見いだせる、というもの

ガバナンス(P50)

「統治・支配・管理」を示す言葉

ステークホルダー(P50)

利害関係者

オープンソース(P51)

利用者の目的を問わずソースコードを使用、調査、再利用、修正、拡張、再配布が可能なソフトウェアの総称
ソースコードとは、プログラミング言語によって記述されたプログラムのこと

バイアス(P52)

傾向、偏向、先入観、データ等の偏り、思考や判断に特定の偏りをもたらす思い込み要因、得られる情報が偏っていることによる認識の歪み、といった意味で用いられる言葉

グランドチャレンジ(P54)

解決が望まれる大きな課題を特定したうえで、対応策を主に科学技術研究開発を通じて探る取り組み

オープンエンド(P54)

制限を設けないこと

演繹的(えんえきてき)(P56)

一般的な原理や原則などから、個別の事項や派生的な事柄を導き出すさま

漸近(ぜんきん)(P57)

徐々に近づいていくさま

エシックス(P58)

倫理
デジタル・エシックス:情報技術に対する倫理観

インターフェース(P58)

直訳すると「境界面」「接点」
異なる2つのものを仲介するという意味
・コンピュータの異なる機器・装置のあいだを接続して、交信や制御を可能にする装置やソフトウェア
・コンピュータで、装置と人間との接点である、入出力部分

センシング(P58)

センサーと呼ばれる感知器などを使用して様々な情報を計測して数値化すること

アクチュエーション(P58)

課題を解決するためのアウトプット
広義に、「センシングのデータ(インプット)をもとに実際に動作する装置」という意味

エビデンス(P58)

証拠・根拠、証言、形跡などを意味する英単語 "evidence" に由来
医学や健康科学においては、証拠や検証結果・臨床結果を指す
情報技術 (IT) の専門用語としては、システムの開発分野において、作成したプログラム、サブシステムが想定どおりに動く(動いた)ことを示す証拠や検証結果を指す

可塑性(かそせい)(P68)

固体に力を加えて弾性限界を越える変形を与えたとき、力を取り去ってもひずみがそのまま残る性質

GUI (P76)

Graphical User Interface:グラフィカルユーザーインターフェース

コンピュータの表示・操作体系(ユーザーインターフェース)の分類の一つで、
情報の提示に画像や図形を多用し、基礎的な操作の大半をマウスやタッチスクリーンなどによる画面上の位置の指示により行うことができるもの。

エフェメラル(P80)

一過性のもの。短命のもの。

パーソナライゼーション(P81)

personalization:パーソナライズ(personalize)という動詞の名詞形であり、「何かを個々人向けにカスタマイズすること」

ブロードキャスト(P81)

broadcast:放送する、ばらまく、散布する、ふれまわる、吹聴(ふいちよう)する
データを一斉に送る、一方から多方へのデータのやり取り
下写真:ブロードキャストのイメージ図(Wikipedia)

ネットワーク(P81)

人やものごとを網目状につなげるしくみ
コンピューター同士をつなぐ、コンピューターネットワーク

パラダイム(P82)

ある時代や分野において支配的規範となる「物の見方や捉え方」のこと

ドライビングフォース(P84)

駆動力

キネティック(P87)

ギリシャ語で、「動力・動く」を意味する

暗黙知(P88)

個人の過去の経験から成り立つ主観的な知識、あるいは言語化されていない(できない)知識のこと

形式知(P88)

主観的な知識を文章や図を活用して言語化したもの

嚆矢(こうし)(P89)

ものごとの始まり

コントラクト・アドミニストレーター(P89)

契約管理者

ドキュメント(P89)

document:文書、書類、文献、記録

日本語では主に文書ファイルを指す語として用いられ、
英語では「書類」程度の意味で幅広く用いられている語

文中の意味としては「記録としての資料化」のような意味合い

アーツ・アンド・クラフツ運動(P89)

ウィリアム・モリス(1834~96)がイギリスで起こした、
根本的には手工芸の復興を目指す運動で、
さらには、人間と事物との全体的な調和を図る社会運動

産業革命によって急速に工業化が進んだ19世紀のイギリス社会には、画一的な大量生産によって生み出された、粗悪な日用品が溢れており、
機械導入による労働の分業は、人々から仕事の喜びややりがいを奪い、彼らの生活をも破壊していた。

ウィリアム・モリスはこの状況を憂い、
「労働の喜びが生きていた中世の社会にならって、伝統的な職人芸を見直し、芸術的な手仕事による美しい日用品や生活空間をデザインし供給することで、人々の生活の質を向上させる」
という大きな理想を抱いて「アーツアンドクラフツ運動」を起こした。

ハイテック・スタイル(P90)

後期モダニズム建築、または構造表現主義とも呼ばれる。

工業製品にならったモダニズム建築の手法をさらに展開させ、目に見えやすいかたちで、よりダイレクトに工業製品や技術を表現することで、新たな美的価値観を産み出そうとした。

代表的な手法としては、下地の中に隠されていたボルトやナット、構造部材や設備ダクトなどを建築物の内外に露出させる、などが挙げられる。

非線形計画法(P91)

制約条件または目的関数の一部が非線形なものについて、目的関数を最小化または最大化するような解を求めるプロセス

位相(P91)

極限や連続の概念を定義できるように、抽象空間(集合)に与えられる適当な構造(部分集合)

部分集合:集合Aの要素がすべて集合Bの要素になっているとき、AはBの部分集合であるといい、A⊆Bと表す。(下記、イメージ図)

組み合わせ整数計画問題(P91)

(「組み合わせ最適化」の「整数計画問題」を参照)

整数計画問題とは、線型計画問題において、解ベクトルxの各要素を整数に限定した問題をいう

線型計画問題:最適化問題において、目的関数が線型関数で、なおかつ線型関数の等式と不等式で制約条件が記述できる問題

遺伝的アルゴリズム(P92)

Genetic Algorithms:GA

生物界の進化の仕組みを模倣する解探索手法として、1975年にミシガン大学のJohn Hollandが提案。
解の探索を原則「偶然の変化」と「たまたま良く出来たものの採用」で行なう。

文中でも解説あり。P135

免疫アルゴリズム(P92)

生物の免疫系の原理やプロセスにヒントを得たコンピュータシステム。

そのアルゴリズムは免疫系の学習と記憶の特性を問題解決に利用する。

セル・オートマトン(P92)

空間に格子状に敷き詰められた多数のセルが、近隣のセルと相互作用をする中で自らの状態を時間的に変化させていく「自動機械(オートマトン)」

ESO法(P92)

構造体内部の非効率な要素を順次削除し進化させていくことにより、効果的に荷重に抵抗できるような構造形態を探し出そうという考え方に基づいた計算法

フライトシミュレータ(P93)

航空機などの飛行の操縦訓練、搭乗体験をするために飛行状況を模擬(フライトシミュレーション)するためのシステム

ワールウィンドコンピュータ(P93)

リアルタイム処理を念頭に置いた世界初のコンピュータであり、出力機器として世界初のモニター端末を使い、従来の機械システムの電子的置換ではない初めてのシステムと言われている

フライス盤(P93)

ミリング・マシンとも呼ばれ、回転軸に取り付けたフライスという切削工具を回転させ、フライスを動かすことによって、平面・溝・歯車などの切削加工を行う工作機械である。

CNCマシン(P93)

CNCとは、Computer Numerical Controlの略

工作機械の動作をコンピューターによりデジタル制御する意味として使われる。

DfAM(ディーファム)(P94)

「Design for Additive Manufacturing(付加製造のための設計)」の頭文字を取った略称
製造容易性および組立容易性を考慮して設計すること

DFAMは3Dプリンティング(アディティブ・マニュファクチャリング)のメリットを最大限に活かすための設計ガイドラインでありツールであるとも言える

オブジェクティル(P94)

一つの固定された形態として定義されるものではなく、 あるパラメータによって定義されうる無数の形態の総体である。
つまり、オブジェクティルは連続的に様々な形態へ変化できるが、それぞれの形態は一時的なものであり、他の可能な形態に移行することができる。
つまり、時間性 が「折りたたまれた」ものとして、オブジェクティルが定義されている。
アイゼンマンは、 このオブジェクティルを「オブジェクト - イベント」と言い換えている。

デジタル・ターン(P94)

マリオ・カルポ氏の言葉
3Dプリンターのようなコンピューターによるモノづくりのあり方が、石を一つひとつ職人さんが切り出していた中世時代のハンドメイドのあり方にすごく似ている。
このようにデジタルテクノロジーの発展が実際のモノづくりに影響を与えていることをポジティヴに考えて、
それをルネサンス以前の「中世の時代にターンする」ことだと表現

↓参考ページ

森ビル「都市模型」リンク(P96)

サイバネティック・エンバイラメント(P98)

人間とロボットがコンピュータを介して一体化する、という構想

プログラマブル(P101)

利用者が必要に応じて変更したり、自動化したらできること。

オープン・ジャーナリズム(P103)

メディア組織に勤務する人員だけでコンテンツを作るのではなく、読者、視聴者、専門家、外部のITエンジニアといった、「他者」を巻き込んでコンテンツを作る動き

↓「英ガーディアン紙が実践する「オープン・ジャーナリズム」って、何?」リンク

僻遠(P103)

ある地域・場所が中央から遠く離れていること。
また、その地域・場所。「僻遠の地」

デジタルアーカイブ(P103)

博物館・美術館・公文書館や図書館の収蔵品を始め有形・無形の文化資源(文化資材・文化的財)等をデジタル化して記録保存を行うこと。

デジタル化することによって、文化資源等の公開や、ネットワーク等を通じた利用も容易となる。

ハイパーテキスト(P104)

複数の文書(テキスト)を相互に関連付け、結び付ける仕組み

アジャイル・ソフトウェア開発(P106)

アジャイル(Agile)とは、直訳すると「素早い」「機敏な」「頭の回転が速い」

アジャイル開発は、システムやソフトウェア開発におけるプロジェクト開発手法のひとつで、
大きな単位でシステムを区切ることなく、小単位で実装とテストを繰り返して開発を進めていく開発手法

従来の開発手法に比べて開発期間が短縮されるため、アジャイル(素早い)と呼ばれています。

「Wikihouse」リンク、紹介(P106)

デファクトスタンダード(P109)

JISなどの標準化機関等が定めた規格ではなく、市場における競争や広く採用された「結果として事実上標準化した基準」

ヒエラルキー(P120)

ピラミッド型の階層組織
文中では、特定のルールに従いレイヤー分けすること、のような意味合い

スペースホルダー(P124)

空間(space)を保持するもの(holder)

建物のモデリング中、家具の配置等は決まっているが、詳細は決まっていない場合等に
暫定的に家具モデルをインスタンス(ブロック)として入れておく

そうすることで、家具を意識した全体のモデリングを進め、
家具の詳細が決まるとインスタンスのオリジナルモデルを編集することで、配置したインスタンスが合わせて編集される

リテラシー(P124)

原義では「読解記述力」を指し、
現代では「(何らかのカタチで表現されたものを)適切に理解・解釈・分析し、改めて記述・表現する」や「活用する能力」という意味に使われる

ビジュアライゼーション(P125)

直接見ることのできない事柄や現象、関係性などをイメージすることを指し、イメージするだけでなく、画像、図表、データなどとして可視化することを言う場合もある

建築においては、「設計内容の可視化」というような意味

カスタマイゼーション(P126)

顧客個人の要望に適合するよう、特注で商品やサービスを制作すること

マスプロダクション(P126)

大量生産。特に、規格製品の量産など

マスカスタマイゼーション(P126)

少品種多量生産により生産コストを下げる「マスプロダクション(大量生産)」、顧客の要望に応じて仕様変更を行う「カスタマイゼーション(受注生産)」。
2つの生産方式を掛け合わせ、顧客の要望に応じながら大量生産を可能にしたのがマスカスタマイゼーション

プロトタイピング(P127)

Prototyping:実働するモデル(プロトタイプ)を早期に製作する手法およびその過程

治具(じぐ)(P135)

加工や組み立ての際、部品や工具の作業位置を指示・誘導するために用いる器具の総称
「治具」という日本語は同義の英単語 "jig" に漢字を当てたもの

職人が作業を効率化、容易化するために用いる

ファクシミリ(P147)

FAXのこと。
行政等ではまだ多く採用されている

レガシー(147)

過去の遺産
また、時代遅れのものを指すこともある

トレードオフ(P152)

何かを得ると、別の何かを失う、相容れない関係のこと

減価償却(P160)

固定資産の購入費用を使用可能期間にわたって、分割して費用計上する会計処理

設備、機械装置、器具・備品といった時間の経過とともに価値が減少する資産のことを「減価償却資産」といい、
減価償却資産は、使用可能期間にわたって分割して購入費用を計上する必要がある。
基本的に一度に経費として計上することはできない。

例えば、180万円の自動車を経費で購入する場合には、毎年30万円ずつ6年にわたって減価償却費するといった方法で経費を計上する。

このように購入した年にすべてを経費にするのではなく、何年かにわたって分割して経費にしていくことになる。

フォトグラメトリ(P165)

被写体をさまざまなアングルから撮影し、そのデジタル画像を解析、統合して立体的な3DCGモデルを作成する手法

Shape from Motion(SfM)(P166)

画像を取得すると、そこには3次元空間を反映する様々な情報が含まれる。
画像に映った対象の3次元的 形状を画像から得る方法として,
影を用いる方法(Shape from Shading)や、
ピントを利用する用いる方法(Shapefrom Defocus)などがあり,
これらをまとめたものが Shape from X という概念である。

移動(Motion)するカメラから得られる画像から形状を復元するのが SfM(ShapefromMotion)

3dcel リンク(P166)

ニューラル・ネットワーク(P169)

人間の脳内にある神経細胞(ニューロン)とそのつながり、つまり神経回路網を人工ニューロンという数式的なモデルで表現したもの

AI(人工知能)を支えている技術

リレーショナル・データベース(P169)

行と列によって構成された「表形式のテーブル」と呼ばれるデータの集合を、互いに関連付けて関係モデルを使ったデータベースのこと。
「RDB」と略されることもある。

最も普及しているデータベースシステムの1つであり、単にデータベースといった場合はリレーショナルデータベースを指すことが多い。

データアセット活用(P170)

アセット(asset):財産、資産

データとしての資産の活用

コネクティビティ(P170)

複数のものを連結する際の簡易性を表し、
IT分野ではパソコンと周辺機器との接続の簡易さや、ネットワークへの接続のしやすさなどを表す

ブロックチェーン(P171)

ビットコインの中核となる「取引データ」技術
取引のデータ(履歴)を「トランザクション」と呼び、そして、複数のトランザクションをまとめたものを「ブロック」
このブロックが連なるように保存された状態が「ブロックチェーン」

最大の特徴は「信用」
銀行等のように一箇所に集めて管理することで生まれる信用(中央集権)ではなく、
各ノード(ネットワークにつながっている1つ1つの機器)が互いに管理し合うことで信用、透明性が生まれる
確たる管理者のいない分散型ネットワークシステム

より詳しく知りたい方へ↓

フィンテック(P171)

FinTech
金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、金融サービスと情報技術を結びつけたさまざまな革新的な動きを指す。
身近な例では、スマートフォンなどを使った送金もその一つ。

トレーサビリティ(P171)

物品の流通経路を生産段階から最終消費段階あるいは廃棄段階まで追跡が可能な状態をいう。
日本語では追跡可能性とも言われる。

フォレンジック・アーキテクチャー(P174)

コンピュータとネットワークを駆使しながら、科学捜査(=フォレンジック)を行い、メディアを素材に情報の建築をつくりだす組織

アンバンドル(P178)

事業や商品やサービスとしてひとつにまとめられていたハードやソフトを細分化し、個別に提供・販売すること。

アンバンドルは今までひとつのかたまりとして扱ってきたものを、細分化することでより細かなニーズに対応するためにさまざまな分野で使われている言葉で、分野によって具体的な意味合いが変わる

通信プロトコル(P184)

異なるデバイスやコンピュータシステム、ソフトウェアなどが互いに通信するために制定された手順(規約)

トランジション(P184)

移行、変化という意味

ディープフェイク(P185)

元の定義は「2つの写真や動画の一部をスワップ(交換)させる技術」
ただし、いま世間でいうディープフェイクは「フェイク動画」「偽動画」のことを指している。

フェイクビデオが登場した背景には、AIの急激な進歩がある。
名前のとおり、ディープフェイクは、画像認識に優れた機械学習アルゴリズムのディープラーニングを利用したもの。
これにより偽(フェイク)の動画が作られるので、「ディープフェイク」と呼ばれている。

スマートシティ(P186)

IoT(Internet of Things:モノのインターネット)の先端技術を用いて、基礎インフラと生活インフラ・サービスを効率的に管理・運営し、環境に配慮しながら、人々の生活の質を高め、継続的な経済発展を目的とした新しい都市

ローカリティ(P186)

地域性、あるいは土地柄(その土地の風俗・習慣・人情など、その場所の状態)

デイタイズ(P188)

デジタル化すること。デジタライズ。

ダイアグラム(P190)

情報を整理し象徴的に線描など幾何学的に図示したものを指す。
3次元の2次元への投影による視覚化も含む。
関数などのそれはグラフと呼ぶ。

シーケンシャル(P191)

連続しているさま。規則的に続いているさま。

トライアウト(P194)

tryout
適性検査・試験興行・試運転を意味

アジェンダ(P197)

会議等で論ずる事項(議題)の表。比喩的に、課題項目。

ハック(P198)

高い技術力を駆使してシステムを操ること。

もともとIT技術の分野で使われる言葉。
ハッカー、ハッキング、といった言葉は悪い意味で使われることも多いが、近年流行している「ハック」は、この本来の良い意味を引き継ぐ言葉である。

内実(P199)

内部の実情

データ・フォーマット(P199)

データの記述形式のこと

あるデータに含まれている要素を、どのような順番で、どのような長さで、どのような表現(整数や文字列など)で記述するかといった、データの記述形式のことを指す

タートル・グラフィックス(P199)

初心者向けプログラミング言語「LOGO」で発明されたCGの描画方法であり、特徴的な機能

マウスなどで直接操作するのではなく、タートルと呼ばれるカーソルにプログラムにより命令を与えることで描画する

GitHub(ギットハブ)(P199)

世界中の人々がプログラムコードやデザインデータを保存・公開できるソースコード管理サービス

メタマテリアル(P200)

自然界の物質には存在しない性質を備えた、人工の物質のことをいう。超越を意味する「メタ(meta)」と、材料を意味する「マテリアル(material)」を組み合わせた言葉

エンコード(P202)

符号化ともいい、デジタルデータを一定の規則に従って、目的に応じた符号に変換すること

コンピュータにおいてはファイルの圧縮あるいは暗号化のことを指す場合もある

デコード(P202)

復号ともいい、エンコードの対義語[2]。エンコードした情報を元に戻すこと。

DNA of things(P202)

(下記、文中注釈のURLより引用)
人間の体の設計図は、DNAとして体の細胞に組み込まれている。
ならばそれと同様に、モノの設計図などの情報をDNAに変換し、そのモノ自体に組み込めるのではないか?
モノをインターネット接続ではなく、DNAによってスマートにしようという「モノのDNA(DNA of Things)」の研究

「DNAは自然界の情報記憶媒体である。複数の特定の分子からなる配列を構成要素とするDNAによって、例えばバナナなどがつくられる。
〜中略〜
しかし、この配列はただのコードにすぎない。それはつまり、これにほかのものを“保存”することも可能であるということだ。」

文中URLリンク↓

ユーザー・インターフェース(UI)(P204)

ユーザー(利用者)と製品やサービスとのインターフェース(接点)すべて、もしくは、ユーザーと道具を「つなぐ」ものを意味する


インタラクション(P205)

ふたつ以上の存在が互いに影響を及ぼしあうこと
「相互作用」「交互作用」などと訳される

マクロ(P205)

macro:大きな、大規模な、という意味
「マクロに見る」は、客観的、大局的に見る、という意味

⇄ミクロ

メタメディア(P205)

音声、テキスト、画像、ビデオなどの既成メディアを統合し、人が活用できるようにするという考え方

あらゆるメディアを超えたメディアとしてコンピュータが存在するというAlan C. Kayによって提唱された概念

デザイン思考(P206)

デザインしたサービスやプロダクトの先にあるユーザーを理解し、仮説を立て、初期の段階では明らかにならなかった第二の戦略や代替する解決策を特定するために問題を再定義する、一連の問題解決の考え方のこと

そして、ただ考えるだけではなく、行動しながら考え、より良い結果を追い求めるための方法でもある

師匠と弟子モデル(P206)

ユーザーが実際に製品を利用している現場におもむき、利用状況の観察やインタビューを行うことで、ユーザー行動の根底にある潜在的なニーズを明らかにする調査手法で、「コンテクスチュアル・インクワイアリ 」とも呼ばれている

師匠:ユーザー、弟子:インタビューアー、リサーチャー

インサイト(P206)

直訳すると「洞察」や「物事を見抜く力」などを意味

マーケティングにおけるインサイトの意味としては、「人を動かす隠れた心理」を指す

アイディエーション(P206)

制作の過程において、開発コンセプトや狙いに基づいて発想されたアイディアスケッチのことをさす

インクルーシブデザイン(P206)

従来、デザインプロセスから除外されてきた多様な人々を、デザインプロセスの上流から巻き込むデザイン手法

タンジブル(P206)

実体があるさま。実際に触れることができるさま。手触り感があるさま。
「情報をよりタンジブルなものに作り替える」

カーボンフットプリント(P207)

広義には特定対象のCO2の排出量(正確には他の温室効果ガスを含めたCO2換算量)を表し、狭義には製品のライフサイクルを通したCO2の排出量を表す

ABテスト(P208)

WebマーケティングにおけるCRO(コンバージョン率を最適化)手法の一つ

※CRO:Conversion Rate Optimizationの略
※コンバージョン率:ウェブサイトを訪れたユーザーのうち、コンバージョン(サイトでの成果)に至ったのがどのくらいの割合かを示す指標

現在表示されている(表示を予定している)情報=Aパターンと、その情報に変更を加えたもの=Bパターンを用意し、どちらのパターンをユーザーに表示するのが高いコンバージョン率を得られるかを検証する手法

UX(P209)

ユーザーエクスペリエンス(User eXperience)
「ユーザーが、ひとつの製品・サービスを通じて得られる体験」を意味

このユーザーの体験を改善することで、利用者にとって製品・サービスを向上させることを目的としている

プラットフォーム(P209)

原義は駅のプラットホームやデッキ、演壇、高い足場などの意味

ビジネス用語としては、物やサービスを利用する人と、提供者をつなぐ場のこと

IT用語としてはソフトウェアが動作するための土台を指す

アトラクティブ(P210)

人を引き付けるさま。魅力的。

エクストリーム(P211)

Extreme):極限、極度、過激、極端などといった意味

P2P(Peer to Peer)(P216)

各ピアがデータを保持し、 他のピアに対して対等にデータの提供および要求・ アクセスを行う自律分散型のネットワークモデル

サーバまたはクライアントのそれぞれの立場に固定されることない

より良い情報をあつめるために全額、惜しみなく使わせていただきます。 それでまた、新たな情報をお届けします!