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#6. “レジリエンス”の発達〜愛着の発達〜
うちの病院の院内報に毎月書いているコラム“Pediatrics Note”です(800字前後)。診療をしていて感じる、とりとめもないことを書いています。今回は過去号をアップします。2021年の3月号です。
前回、レジリエンス(極度の不利な状況に直面しても、正常な平衡状態を維持することができる能力)について書きました。今回から数回にわたり、レジリエンスの発達についてさらに学んでいきたいと思います。レジリエンスの発達には以下の項目が必要です。
愛着の形成
自律神経系の安定
安心・安全を感じ取る能力
愛着の形成について
愛着は4つの段階を経て発達します。
前愛着期(生後6週頃まで)
子どもたちは出生直後から世話をしてくれる人に愛着を示します。泣いたり、ククッと言ったりして、近くにいることを求め、声やにおいを認識し、抱っこ、ほほ笑み、あやしなどに反応します。
愛着創生期(生後8ヶ月頃まで)
ある程度自由に動けるようになる時期です。首が座り、寝返り、うつ伏せから体を支え、お座りやハイハイができるようになるまでに、子どもたちの愛着は見知らぬ人よりも、いつも傍にいる養育者に対して強くなります。
愛着確立期(生後8ヶ月~1歳半)
子どもたちの活動範囲が広がる時期です。子どもたちは親の注意を引くための行動が出来るようになります。いわゆる人見知りの時期ですが、慣れれば他の大人でも愛着を示す時期でもあります。柔軟性のある適度な人見知りができることが大切です。
愛着の形成期(1歳半~2歳)
親子間の愛着は2歳までに形成されます。子どもたちは、心に親をイメージし、親から離れて行動することが出来るようになります。“安全基地”としての親。
生まれてから2年という短い期間で、子どもたちは愛着関係の基本的な枠組み(スキーム)を学び、そのスキームをその後の人生における対人関係に応用すると考えられています。とても貴重な2年間ですよね。愛着には4つのタイプ(安定型、回避型、葛藤型、無秩序型)があり、これらについて次回お伝えします。これらを知ると、情緒が不安定と言われる子どもたちが示す行動の意味が少しわかるようになりますよ。
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