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「魔法の箱」を理解する。

前回の記事の疑問「プログラミング教育の目的」について調べてみました。

文科省の資料をざっと眺めてみたところ、今では意識しないうちに「プログラミング」された物事に取り囲まれているが、その仕組みを理解することは必須になったので「プログラミング教育」を行うとの事でした。引用してみると、

○ 私たちは現在でも、自動販売機やロボット掃除機など、身近な生活の中で意識せずとも、様々なものに内蔵されたコンピュータとプログラミングの働きの恩恵を受けている。このような人間とコンピュータとの関係は、人工知能の急速な進化等に伴い、今後ますます身近なものとなってくると考えられる。
○ そうした生活の在り方を考えれば、子供たちが、便利さの裏側でどのような仕組みが機能しているのかについて思いを巡らせ、便利な機械が「魔法の箱」ではなく、プログラミングを通じて人間の意図した処理を行わせることができるものであり、人間の叡智が生み出したものであることを理解できるようにすることは、時代の要請として受け止めていく必要がある。

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/122/attach/1372525.htm

人として「魔法の箱」を理解しない訳には行かなくなってきた、という事でしょう。

ここで興味深いのが「人工知能」に言及している点です。そもそもプログラムによって働く物事はもっと昔からあり、多くの人がその恩恵を受けていました。しかし、なぜ今さら教育の内容を変えてまで対応する必要が出てきたのでしょうか。おそらく「人工知能」がその理由のように見えます。

プログラミング教育を煽る記事でたまに見かける「2011年にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」という文言。誰がそんなことを言ってるのか気にはなりますが、これも「人工知能」が発展した将来を予測した発言かと思われます。

これらを踏まえてもう少し発展的に考えると、人間として生活の糧を得る「仕事」が「プログラミング(人工知能)」によって変わるので、それらに関する知見は子供のうちからつけなければならない、ということでしょうか。

個人的感想を付け加えるとするならば、たしかにそうなので「プログラミング教育」は必要でしょう。


では今回も今後のネタの伏線として、新たな疑問点を書いておきます。

・「今の子供は将来、新しい仕事に就く」と言ったとされるアメリカの学者「Cathy Davidson」について。翻訳された著書もなく、日本語のWikipediaページもないのに錦の御旗のごとく引用されまくってるので嫌な気配がします。もっとスケールの大きい良い話をしてるけど、それは使いにくいのでつまみ食いなのかもしれません。

・諸外国でも「プログラミング教育」が行われていて、文科省の資料ではイギリスを主に取り上げていました。しかしソフトウエアで世界をリードしているのはアメリカです。教育制度が違いすぎるから参考にならないということでしょうか。

それではまた。

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