【読書】伊坂幸太郎「モダンタイムス」から考える情報化社会の危うさ
こんにちは!かけだし社長の小寺です。
今日は珍しく小説の紹介です。
伊坂幸太郎「モダンタイムス」
伊坂幸太郎といえば、マンガのような不思議な小説を書く方として有名です。
読書嫌いだった僕も、星新一に並んで幼少のころに読み漁ったくらい、好きな作家の一人です。
そしてこのモダンタイムス、かなり独特の切り口で読み手を引き込みます。
内容は「検索」がテーマです。
Googleとか、Yahooとかでできるあれです。
例えば、あなたが「筋肉」と「プロテイン」という、2つの単語を合わせて検索をかけたとしましょう。
(僕が筋トレブームなだけです笑)
そうすると、検索サービス側は、あなたが「筋肉」と「プロテイン」という2つの単語に関連性があることを知っている、と判断できるわけです。
検索をしたことで、あなたの知識が検索サービス側にバレたことになります。
そして、本書モダンタイムスでは、ある単語とある単語を同時に検索すると、謎の組織から暗殺されてしまう、という、なんとも恐ろしい事件から物語がスタートします。
謎の組織は、検索を繰り返すことで、「隠したい真相」にあたなが気づいてしまうことを恐れているわけです。
そして、2つの単語を検索したならば、その関連性に気づいたと判断し、真相にたどり着く前に、暗殺されてしまうというわけです。
主人公は絶妙に検索ワードを外しながら、なんとか真相にたどり着いていく、、というのが本書のあらすじになります。
当時、子供ながら変に生々しくリアルな題材に、夢中で読み進めた記憶がありますが、今になって思うと、これ結構他人事ではないと思ってしまいました。
あなたの行動は筒抜けかもしれない
みなさんは、普段何気なくネットで買い物したり、ものを調べたりしていると思います。
そして1度はこんな経験をしたことがありませんか?
「引越し」をしたいと思い、物件サイトで検索をしたた日から、やたらとWebの広告で「物件情報の広告」が出てくるようになった。
あれは、あなたが「物件を検索したから、きっと物件を探しているのだな」と機械が判断し、あなたに合った広告を表示しにきているわけです。
そう、あなたの行動はネットの向こうに筒抜けなわけです。
それだけではなく、あなたが、いつ、どこで、何をしたのか、GPSが繋がっていたら詳細なあなたの行動パターンまで、何でもわかってしまうわけです。
位置情報だけではありません。
あなたの音声情報も知ることができます。
iPhoneに搭載されているSiri、あなたが話しかけた時だけ聞いていると思ってませんか?
一説によると、Siriは話しかけていない時も、あなたの会話をずっと聞いているという話があります。
これはあくまで都市伝説ではありますが、
もしこれが事実ながら、少しゾッとしますね、、、
自分の情報は自分で守る
GoogleやAppleなど、今のところはあたなの検索、情報登録、行動パターンで知り得た情報は、第三者に提供しないと規約で守ってくれています。
ただ、事故や悪意のある第三者によって、情報漏洩はいくらでも起こる可能性があります。
みなさんお使いのLINEはセキュリティの脆弱性で、たびたび情報漏洩が問題になっています。
また悪意のあるサイトに訪問したことで、入力したクレジットカード情報が引き抜かれるフィッシング詐欺の被害も後を絶ちません。
僕は一応IT業界の端くれなので、それなりに色んな技術やサービスを把握していますが、知れば知るほどインターネットにプライバシーはないことを体感せざるを得ません。
先程挙げたように、あなたの検索内容はすべて保存され、情報は出回ります。
それだけではなく、サイト製作者によっては、あなたがネットで、いつ、どの画面を、どのくらい見ていたのかも、簡単に録画できてしまったりもします。
(本来はユーザーの行動分析のためのツールなのですが)
パソコンやケータイの画面越しだと、つい自分しか見ていない感覚に陥りますが、その考えはすぐに捨てた方がいいと思います。
あなたの行動や情報が守られているのは、あくまで性善説が成り立つ間だけです。
「スマホを落としただけなのに」という映画がありました。あれはまさに、情報化社会の怖さを物語っています。
現実にも、アイドルがSNSで投稿した自宅写真の窓の風景から、住所が特定されたという事件もありました。
ネットスキルのある人なら、なんでもできてしまうと思っておいたほうがいいかもしれません。
まとめ
情報化社会を生きる上で、自分の情報は自分で守っていかなければなりません。
少し不安を煽る書き方をしてしまいましたが、用心にこしたことはないと思います。
情報化社会の仕組みとルールを正しく知り、適切に活用していく力「ネットリテラシー」は、今や全員に必要な力です。
トラブルに巻き込まれてから「知らなかった」では遅いです。
自分のネットリテラシーはどれほどのものか?
ネットリテラシーをチェックするためのサイトもいくつかあるので、もし不安な方はチェックしてみるのもいいかもしれませんね。
こちらは小学生向けながら、大人にもわかりやすいサイトになっています。
以上、モダンタイムスから考える、情報化社会の危うさについてでした!
情報化社会を正しく安全に生き抜くために、必要な知識は自分で手にいれていきたいですね!
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