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【退職エントリー】ヤフーを退職しました

### 注意 ###

以下の内容は2020年7月に書かれたものです。従って、現在のヤフーの状況とは大きく違う可能性があることはご注意ください

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2020年6月末で、新卒入社して1年ちょっと勤めたヤフーを退職しました(写真下手すぎてやばい)。

同期から「退職エントリ書いてww」と言われたのと、T●itterで進路に迷っている学生さんを何人か見かけたので、少しでも参考になれば...と思って書くことにしました。1年ちょっとしかいなかったので、時系列に沿って少し丁寧に書いていこうと思います。

入社前

ヤフーには新卒エンジニア(ポテンシャル採用)として入社しましたが、新卒の年齢としてはほぼ最高齢だったと思います。

私は大学受験に失敗したり、ドイツの大学院(秋入学)に行ったり、そこで博士取れるまで粘ったりしたので、日本で順調に博士号を取った方々に比べて人生が遅れていました。研究分野も情報科学ではなく、神経科学という就職は非常に厳しい分野だったのですが、たまたま世の中にデータサイエンスブームが来ており、データ分析は大学院の研究を通してそれなりにやっていたこともあって、就活時はヤフーを含め複数の会社から内定をいただくことができました。

大学受験に失敗せず留学せず博士取らなかったら、世の中にデータサイエンスブームが来る前に就職することになり非常に苦労したはずなので、人生何が幸いするかわからないですね...。

入社

ヤフーに入社した表向きの理由は、サービスが豊富なのでデータ分析案件が沢山あり、自分が活躍できる場があるだろうという期待からでした。他にフリマのM社や、名刺のS社などの内定もいただいていましたが、データがやや特殊そうだったため、そちらで活躍できるのか正直自信がありませんでした。実際、向こうも内定は出したものの、「こいつほんとにうちで活躍できるのかな...?」と思ってそうな感じはしました笑

入社後研修

大企業よろしく、半年程度は研修でした。Java, MySQLなど、エンジニアとして開発の基礎を学ぶ時間でした。

私は情報科学や開発の基礎が全くできていなかったため、研修期間は優秀な周りについていけず苦労しました。特に、入社前のイメージでは、自分はpythonでデータ分析や機械学習をやる気でいたので、Javaでバックエンドの開発をやることを前提とした長期の研修は辛かったです。Twitterで他社のデータサイエンティスト向け新卒研修内容が流れて来ているのを見ると、「すごい...こういうのやりたかった...来るとこ間違えた...」って日々羨ましく思ってました。

↓こういうのです...裏山


配属後

研修後、配属が発表されるのですが、ここで命運がわかれます。大企業あるあるだと思うのですが、基本的に、希望通りの配属になるのはごく一部です。

私は(多分年の功で)希望通りサイエンス配属となり、広告関連のデータ分析業務に携わりました。チームメンバーは、特に上司が非常にサポーティブで、人間関係のストレスが一切なかったです。環境も噂通り非常にホワイトで、私自身は残業などは一切なく、メンバーも皆楽しく働いている感じでした。

データ分析案件も最初数個軽いのをこなして認められると、あとは会社の命運がかかってる的な重たい案件が新卒の自分にも回って来て、「ヤフーはベンチャーだったのか...」と思ったりしました。ただ、案件丸投げということはなく、上が必ずサポートしたり、足りないドメイン知識を補ったりしてくれるので、それでパニックにということはありませんでした。むしろデータサイエンティストとして成長するいい機会でした。

業務中でも10~20%程度の時間は勉強に当てていいことになっており、外部から講師を呼んで統計の授業をしてもらったり、分析のアドバイスをもらえたりして、なかなか良かったなぁと思います。Kaggle Days Tokyoに出張扱いで行かせてもらったのは神でした。仕事や勉強の仕方について新卒でもかなり裁量が大きく、上司とも話しやすいので、自分次第でかなり成長できる環境だったと思います。

Kaggle同好会

ヤフーのいいところは沢山あるのですが、一番良かったのは、気の合う同期との出会いです。私は趣味でのんびりkaggleをしており、入社時全く成績は出していなかったのですが、入社後研修で一切pythonやデータサイエンスをやらないので、悲しくなってkaggleを本格的に再開していました。

そんな中で、同じ思いでkaggleを本格的に取り組んでいる同期と出会うことができ(彼は研修期間中にソロで銅、銀メダル合わせて5個くらい取っていました)、彼と他数名でヤフー公認kaggle同好会を創立しました。初期メンバーは私以外皆Expertで、私だけContributorだったので、「ContributorはContributeしろよw」とその同期に言われて、私が最弱なのに代表になりました。

同好会では主にメンバーが過去に参加したコンペを振り返り、上位解法を紹介するという活動をしていたのですが、そこで「いかに今までの自分の取り組みが中途半端か」「いかに自分が機械学習を理解していないか」を痛感しました。その後、メンバーを見習ってkaggleに取り組む中で、Competitions, Notebooks, DiscussionsのいずれもExpertになることができました。特に嬉しかったのは、第5回のatmaCupで準優勝できたことです。ちょっと大袈裟ですが、「頑張っていると、いつか報われる瞬間があるんだな...!」って思いました。

その間に一緒に同好会を作った同期はMasterになりました。僕も早くmasterになって、「なんで1個も金メダル取れないの? www」と彼から煽られないようになりたいです。

ヤフー退職にあたり同好会がやや心残りですが、今年は新卒が10人以上入ってくれて、なんとmasterの方もいらっしゃるようなので、全く心配していません。今後もちょっかいを出していきたいと思います。

退職

ヤフーは素晴らしい環境だったのですが、結果として1年ちょっとという短期で退職することになりました。「いい転職先が見つかったから」というポジティブなものが表向きの理由です。

7月よりドイツ系製薬企業(東京支社)にてデータサイエンティストとして働き始めました。面接ではデータサイエンスの力量のみならず、私のドイツでの海外経験や英語力、生物学の知識なども評価していただき、正直嬉しかったです。製薬会社のデータサイエンス案件は、機械学習というより因果推論系が多いらしく、自分としても今後はそちらを鍛えていきたいというのがあったので、オファーを受けることにしました。

ヤフーに入るか迷っている皆さんへ

結果的に短い在籍期間で転職することになりましたし、ヤフーに思うところがないわけではないですが、基本的にはオススメできるいい会社です。給料も仕事量にしては悪くない思いますし、会社としてのコロナ対応(全員原則リモート、コアタイムなし)も適切だったですし、まわりを思いやる余裕がある人が多いです。大企業なので部署にもよると思いますが、噂通りのホワイト企業だと思いました。

また、ユーザーファーストであること、社会的責任を果たすこと、が徹底されており、儲かる施策でもグレーなものはちゃんとチェックが入って潰されたり、売り上げが下がっても正しいことは曲げないというか、日本の有数のWeb系大企業として、日本社会で必要とされる企業であり続けよう、という姿勢は好きでした。

何より新卒入社した場合、気の合う優秀な同期と出会える可能性が高いですし、それは一生物の財産です。極端な例かもしれませんが、「ヤフーに入って初めてまともな友達ができた」と言っていた同期もいました。私もKaggle同好会でできた友達とは今後も刺激し合って、早くkaggle masterになりたいと思っています。

そんないい話ばかりなわけないでしょと思った人へ

もちろん、ヤフーについて思うところはありますが、これはヤフー特有の問題というより、どの会社にもある問題だと思っています。こちらについても書きましたが、多少ネガティブな内容があるため、すみませんが有料版 (400円) として別で置かせていただきます。営利目的ではないため、8月末日までの売上は全て↓のヤフー募金へ寄付いたします

有料版の内容は、以下の通りです。

- ヤフーに入社した裏の理由

- 人事との小戦争

- 研修中に辞めようと思った話

- 配属の謎

- ヤフーの給料と福利厚生について思うところ

- 事業会社でデータサイエンスをやることの思わぬ弊害

- 株式会社でデータサイエンスをやることの思わぬ弊害

- Kaggle同好会設立時の願い

- 転職活動の流れ


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