見出し画像

詩|凡庸な祈りへ

その目が最後に映したものは
何だったろう
産みおとし慈しんだ
四肢のとめどない歓声が
いのちを輪にしてまわる

硬く冷たい体をはなれた
その目は今何をみる
本能を挫かれ果てた切望が
途切れた先で跳躍する
とめどない波紋を描いて

追いかけるように
善なる何かを祈らずにいれたら
下へ下へと滴る如くに

辿りつかない
祈りはこの身を離れることなく
深く深く燃やし続ける

おそれに毛を逆立てたまま
ほんとうのことを告げよう
謝罪は受け取らず
風に乗って去る
そして二度と戻らぬ


閉じることもできないまま
まなこの光は黒く語り続ける
もう遅い口を閉じろ
この土に還して
呆けて頷いていればいい

精進します……! 合掌。礼拝。ライフ・ゴーズ・オン。