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なんもない夜座 #3

 ご法座は、なんもない日にやったっていい。特別な人たちがやってきて、特等の音を鳴らす夜は、特に。

 12月に行われた「なんもない夜座 #2」に続く、第3回目の開催。

 今回の特別なゲストは、ミャンマーに渡って現地の音楽を調査し続けている村上巨樹さんと、糸島在住のピアニスト、河合拓始さん。

 現地から戻るたび、「ミャンマー音楽の謎めいた世界へ」と題して日本中を巡り、調査結果を発表し続けている村上さん。私は昨年3月に、博多art space tetraで行われた前回のツアーに初めてお邪魔し、度肝を抜かれた。

前回のツアーの様子

 この日、同じくリスナーとして参加されていたのが、ピアニストの河合拓始さん。なんとミャンマーの古典楽曲を演奏しておられたそうで、この度、明行寺のご本堂で生演奏が聴けるというミラクルが発生する運びとなった。

 前回の調査映像にも、ピアノ演奏があった。しかし、正直何をどう弾いているのか、私ごとき(一応今もピアノを弾くのだが)にはもうさっぱり。さっぱりわからなかったのだが、これがもう、とにかくすごい。語彙を失うくらい、すさまじい演奏なのだ。

 河合さんの参加によって、当初は予定になかった村上さんのギター演奏もご披露くださることに。なんと幸運な。

 昨秋、村上さんから次回のツアーを明行寺で、とオファーをもらい、ふたつ返事で開催が決まった。お寺おやつクラブの活動についてお話したところ、現地のお菓子を早々に送ってくださり、有難い限りだ。

 一方、ミャンマーといえば、2021年に起きた国軍のクーデター以降、今も軍事政権が続いており、年始に民主活動家を含む多くの受刑者に恩赦を与えるとのニュースがあったばかり。この件についても、どんなお話が聞けるのか。


なんもない夜座 #3 フライヤー


 そんなこの度の「なんもない夜座 #3」は、2024年2月16日 (金)、18時半開場・19時開演。参加のお申し込みはこちらから。


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開催にあたり


清風宝樹をふくときは
いつゝの音声いたしつゝ
宮商和して自然なり
清浄勲を礼すへし    
               (浄土和讃)


 仏説阿弥陀経には、阿弥陀如来のお浄土の様子が描かれています。美しい池に、色とりどりの花がそれぞれに輝き、素晴らしい音楽が響いているそうです。「宮」と「商」は、古くからの仏教音楽や、聲明と呼ばれる抑揚のあるお勤めで用いられる音階のことです。この二つを同時に奏でると、いわゆる不協和音になります。しかし、阿弥陀如来のお浄土では、それこそがあるがままで美しく、調和し、清らかであると示されます。
 私たちの生きるこの娑婆の世界では、そうはいきません。誰しも自分の頭の中の世界で、自分の物差をかざし、分別して生きています。
 ミャンマー音楽に触れると、そんな私たちの姿がよく見えるのではないかと思います。これまで耳馴染んできた音楽とは、まったく異質な世界に触れることになるからです。  

称名
転法輪山 明行寺


精進します……! 合掌。礼拝。ライフ・ゴーズ・オン。