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【12月のひと言:GRAPEVINE「Loss(Angels)を聴いて」ー嬉しさと寂しさの同居ー】

11月、そして今月にあった対バンライブにひとつも行けなかった身としては、今年はもう何もないのか(残念)と思っていたので、新曲の配信リリースには驚かされた。これは「2023年は最後の最後まで(音楽で)恩返します」というGRAPEVINEからのメッセージなのか(と、私は思った)。しかもバンドのコンポーザー亀井亨(Dr.)作曲の大名曲。
イントロが、Oasisの「Don't Look Back In Anger」に似ている。


バインには、子供の成長の描写を歌う曲がたくさんあるけど、歌詞を書く田中さんにお子さんがーーなかでもご子息が誕生してからは、育てていく過程で田中さん自身の少年期と重なり、向き合わざるを得なくなったのか、「自分の過去」を歌うようになった曲が出てきた。代表的な作品のひとつが「少年」だけど、正直私はそのタイプの曲を聴くのが20代の頃は特にしんどかった(今はそうでもない)。

今回の「Loss(Angels)」もそのシリーズになるのだろう。ただ、もうお子さんたちは、すでに一人立ちしてもおかしくない年齢でしょう。彼らの成長の嬉しさと、なんとも言えない寂しさをこの曲では歌ってるように私には思える。

この曲には、歌詞には表示されないフレーズがある。それも、《帰ってきてよ》。ここを曲の終わりに歌っているから、聴くたびにそう感じてしまうのだ。

楽曲のみならず、インタビューやエッセイを読んだ限り、私は田中さんを本当に子供思いのお父さんだと思ってきた。そして、まぁただのファンである私にこんなことを言う権利がないのをわかった上で敢えて書くけど、この父の思いは伝わるんじゃないかと。音楽を、バンドを続けることで、伝わると思います。


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