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チバユウスケ追悼上映「ミッシェル・ガン・エレファント “THEE MOVIE”- LAST HEAVEN 031011 -」

チバユウスケの追悼上映として、昨年末から全国の映画館で順次公開されている「ミッシェル・ガン・エレファント “THEE MOVIE”- LAST HEAVEN 031011 -」を観てきた。

この映画はミッシェルのギタリストであるアベフトシが逝去した2009年に制作され公開されたライブ・ドキュメンタリー映画である。よって、一部アベの存在を強く感じさせるカットが入っている。
私自身も過去に一度映画館で観た作品であるし、ラストヘブンのDVD自体が手元にあるので、わざわざ映画館まで観に行く必要はあるのか。観たとしても、なんとか立て直したメンタルがまた崩壊してしまうのはしんどすぎるよなぁと、正直迷ってはいたけれど、大画面で耳栓が必要になるほどの彼らの爆音を浴びるように観たことには確かに意義があった。心から行って良かった。


昨年でミシェルが解散してから20年が経つ。

とは言えだ。20年前のライブとは思えないくらい全く古くなかった。1曲目の「ドロップ」のイントロを聴いた途端に鳥肌が立ち、思わず声も拳も上げそうになる。「ゲット・アップ・ルーシー」「バードメン」と容赦なくフロアを煽り立てるセットリストに気分が上がらないわけがない。吹き出す汗の止まらないメンバーが時折見せる感慨深げな表情とは裏腹に、画面に映る観客の熱狂は異常。途中、デビュー当時のインタビューやこれからも語り継がれるであろう1998年のフジロックフェスティバルの映像も流れた。フジロックのステージでチバは言った。「俺たちが日本のミッシェルガンエレファントだ!」。この映像のこの場面、何度も観ているはずなのに痺れてしまった。

私は映画が始まってからほとんどの時間泣いていた。涙で化粧も確実に落ちてるくらいボロボロになっているのに、しっかり歌えてしまう自分もいて(そんな自分にも驚き)、何より悲しみ以上にミッシェルのライブをこうして観ることができる嬉しさが圧倒的に勝っていた。観ている人の胸を搔きむしる熱い衝動。心揺さぶる繊細さ。また強さだけではなく、儚さもある。ミッシェルは、ロックバンドの魅力を全て持つ奇跡のバンドなのだった。錆びてなんかいないし、腐ってもいない。信じられないくらいかっこ良かった。

これまでにたくさんの音楽、ロックバンドに私は出会ってきた。これからもこの旅は続くと思うが、私の中では過去ミッシェルを越える人達はいなかったし、これからも出会えないと思う。それは、チバユウスケとアベフトシというライブではもう会えないメンバーがいるからという理由からではなくて、ミッシェルと出会った高校生の頃からずっとずっとそうだったのだ。その事実を改めて痛感した。

私がこれを書いているのは、この映画を観た翌日である。まだ上映している映画館もあるから、また観に行こうと思っている。次はスタンディングと声だしOKの映画館にして、先日届いた「MICHELLE ADDICTION」Tシャツも着て行く。

バンドが好きな人は観た方がいい。今からでもミッシェル・ガン・エレファントと出会うのは遅くない。本物はいつまでも人の心を揺さぶり続ける。早いも遅いも関係ないから。



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