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【日記】2020/4/29

 ひさしぶりの更新。

 日に日に変わる国の対応と、同時に自分の置かれた状況の変化についていくことに必死でドタバタとしていた4月前半。それに比べ、今は恐ろしいくらい穏やかな日々を過ごしている。仕事は変わらず在宅勤務。その合間を縫って、近所のスーパーやドラックストア、本屋、花屋、パン屋に行く。ひと気の少なそうなタイミングを見計らって。運動不足回避のために、数年前まで習っていたヨガを再開し、物足りなく手筋トレも始めている。部屋中を掃除したし、テレビ台を直したし、本棚に入りきらない本を整理して、今はそのとき出てきた読みかけの本を読んでいる。タワレコオンラインで購入したthe HIATUSの10周年記念LIVE DVD「10th Anniversary Show at Tokyo International Forum」を観て、トライセラトップス和田唱さんの2nd アルバム「ALBUM.」はすでにヘビーローテーションで、YouTubeで期間限定で配信されているバンドのライヴはだいだい観ている。この辺りは、私のいつもの日常でもある。外食も多かったが、今はテイクアウトもせずに、作ったご飯を食べて、この際、お肌の手入れをしっかりやろうと半身浴をたっぷりしたあと、顔にシートパックをピタっと張り付けてみる…といった具合で、今の私はそれなりに毎日やることをやっていている。けれど、ふとしたときに孤独感や虚しさを感じてしまうし、とにかく張り合いがない。

 10年近く、私はひと月に最低1本はライヴに行く生活を送ってきた。でも、それが「ない」生活を送らねばならなくなった。ライヴが「ない」ということは、私の場合、自動的に人に会わなくなるし、そして何よりモチベーションが上がらない。仕事をするにしても。家事にいそしむにしても。しばらくnoteを更新しなかった一番の理由も、書けるようなテンションに自分を持っていくことが、なかなかできなかったからだ。

 そもそも私は自己肯定感がかなり低い。けれど、10代の頃から友達と音楽の話をするときの自分だけは好きだった。好きなミュージシャンの演奏を聴きに行くこと=「ライヴ」に行くことではあるけれど、私にとったら、仲間と会える大切な居場所で、とことん自分と向き合う貴重な時間。もちろん、私が抱える問題や悩みが、ライヴに行くことで解決はしない。ただ、ステージに立つミュージシャンがギターの弾く姿や歌う姿から、長年見届けて来たミュージシャンの場合だったら、彼らの過去の姿と今の姿との対比から、学べることや教えられることがたくさんある。会場を後にしたときの私の心の中は、会場を訪れる前よりも、軽い。

 先日、YouTubeでLive配信された『Mr.Children DOME & STADIUM TOUR 2017 Thanksgiving 25』を観ていたら、ミスチルを好きになった14ぐらいの頃から変わらないモノが、私の内側にはあるのだと気がついた。コンプレックスを解消するために音楽を聴くことを知らない中学生の私が送っていた、キラキラとした青春の日々が、今でも静かに続いていた。ミスチルのライヴは20年以上前に行ったきりだし、最近ではバンドの活動自体まともに追えていなかった。しかし、1990年代半ばから後半にかけての数年間、密接過ぎで逆にキライになりそうだったくらい好きだったミスチルを思い出して、画面を観ながらずっと歌っていた。「シーソーゲーム」、「名もなき詩」、「君がいた夏」、「Innocent World」、「Tomorrow never knows」、「Dance Dance Dance」、「終わりなき旅」…脳裏に沁みついているのか、口から歌詞が出てくる出てくる。

 すでにDVD化もされた『Mr.Children DOME & STADIUM TOUR 2017 Thanksgiving 25』は、ミスチルがデビュー25周年を記念し、2017年に行われたツアー最終日のライヴである。思い返せば波乱万丈なミスチルの25年。けれど、私はあきれるほどのピュアな中学生(というか子供)だったので、裏側にある苦悩を知らなかった(気づかなかった)し、後に訪れた彼らの活動休止うんぬんには深く深く傷ついていた。でも、今の私は彼らの置かれていた状況や、抱えていた痛みも苦しみを理解できるようになっていて、だからこそ、MCのときに感慨深い表情で、自分の目の前に集まったオーディエンスに語り掛ける桜井さんの言葉から、この25年の間に彼の人生観が大きく変わっていったのだと気づけた…のだと思っている。

 キラキラとした青春は、私の中で静かに続いている。それをどこか子供っぽく思うこともあるが、続いていたからこそ、かつて大好きだったミスチルのことを深く理解できるようになり、再び彼らを近くに感じられるようになったことを私は嬉しく思った。

 

 今の生活が始まってから、ぼんやりと過ごすことだけはよそうと「思いついたことはやる」とモットーに暮らしている。ライヴに行かなくても、そこそこの充実を感じながら生活できるようになれれば、それはそれできっと何かしらのプラスにはなるのだろう。昨日は、しばらく会っていない友人の顔を思い出しながらLINEをしたら、すぐに返信がきた。離れていても心の繋がりだけは途切れていない。そんな風に思えば、今、やるべきことをやろうと思えたりする。単純だな。しっかし、張り合いはない。テンション上げることに、今朝も苦労したけれど、変わらないモノを感じてさえいれば、きっと、大丈夫。

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