実際、世話が焼けるのは誰なのかという話

「つーかさ、占術師って実際どうなの?」
「どうって?」
「当たんのかって話」
「…そこから話覆す?」
コーンの言葉に、リオノーラは呆れた声を上げた。
もう一人の仲間、ルークは街に出て情報収集を行っている。依頼を受けた探し人の手がかりがさっぱりであり、こうなったらやけっぱちで占術師に占を行ってもらうと息巻いていた。手がかりが無いのはリオノーラもコーンも同じであり、だからこそ藁にもすがる思いで占術師を頼ることにしたのだ。
当たるのか、という懸念を引っ張り出せばきりがない。今は進展の可能性が少しでもあるものにかけたかった。
「だってさー、気になるんだよ。戦闘、呪い、相談、失せ物探し、はては透視や未来予知までできるって言われてるだろー? いくらなんでも盛り過ぎじゃね?」
「つまり?」
「どっかしら詐欺ってるかなって」
「……なるほど。一理あるわね」
リオノーラは顎に手をあてて思考する。ルークは聡い。詐欺や誘惑の類いにまんまとひっかかることは無いはずだ。しかし、と一抹の不安がどうしても拭えない。
「………私達も街に出ましょうか」
「ルークが心配?」
「そうね。ある意味では」
ルークは三人の中で一番の巻き込まれ体質だ。
特に今回のような場合は、詐欺だと分かっていても、分かっているからこそ、今にも被害に遭いそうな人間を放っておけない。むしろ悪態を付きながら飛び込んでいく性格だ。
リオノーラの言いたいことを察して、コーンはあー…と納得したように頷いた。
「オレのこと結構言うけど、ルークも大概だよなー」
しゃーねえ、行くか。コーンがそう言う頃には、リオノーラはとっくに皆の荷物をまとめ終わって出入口で待っていた。
「それじゃ、行きましょうか」
「世話の焼ける幼馴染を探しにな!」
「…ルークもあなたには言われたくないと思うわ」

(いいわけ)765字。一番手がかからないのはリオノーラ、問題を拾ってくるのはルーク、問題を相手に叩きつけて来るのがコーン。

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