夏色が少しはだけた街をゆく
胸に小さな棘を抱いて
溢れくる涙のわけも知らないで
戻り梅雨など受け入れないで
太陽が悪魔のように焦らすから
彼の心も歪んでしまう
憎しみが増幅されるだけなのに
夏が好きだとあなたはほざく
輝きは汗と涙とあがくこと
ダイヤモンドは夏に合わない
いつからか彼の脳では太陽が
直接指令を出すようになり
憂鬱がぶっ飛ぶほどに暑いから
喜怒哀楽も目まぐるしくて
何もかも夏のせいだとうそぶいて
銀の指輪を浜辺に投げた
夜の青 三日月が浮く空の上
神さま一人ぼっちだろうか
砂の上 描いた未来予想図は
満ち潮たちがさらっていった
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