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短歌 花 十首


花を急く心によく似た焦燥は秋月にだけ赦されている


夏の日に見たあの花火は今どこで誰の心に咲いてるのだろ


恋人よ 口を開ければ花びらの数だけ嘘が漏れてしまうね


過ちを認めぬ細胞を切り捨て誰の機嫌も窺わぬ花


まだここで生きていきます いずこかに花の咲く意味がまだあるなら


まっさらな雪原を一番最初に汚した人が花として往ね


なぞなぞがとけないまんま大人ってやつになったよ かっこいいだろ


青い鳥 ネギをいだいて居酒屋で酔いどれたちを幸せにする


着信を期待する胸に膨らむ蕾はいまだ傷を知らない

10
ありふれた奇跡でいいと願うほど今あるものを軽んじる罪


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