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短歌 秋 十首

耳たぶに穿たれている穴二つ誤魔化すように石がきらめく

路傍には鍵が落ちてて行き先をなくしたバスを猫が手招く

紅茶とはお湯がなければ枯葉だと憂うあなたのため息のクセ

飛ばされる駅の近くに住んでます あなたはいつも特急列車

これ以上悲しくならないためだけに新しい絵本を買う夜

繋ぐ手も冷え切っていくときだから言い訳をして生きたっていい

焼き秋刀魚 窪んだまなこに箸を刺す あたし現在内気なアサシン

二人して一人ぼっちで生きている 秋だそんなの悲劇ではない

ビー玉のような驟雨が降る街で呼吸以外に何を望んだ

爪先があなたを見ると月の裏ではパーティーが始まるらしい

#短歌 #note短歌部

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